17.青柳咲良の異名
美波と一緒に二つ隣のC組の教室に行くと咲良が扉のすぐ近くの席に座って雑誌を読んでいた。名字が青柳だから出席番号一番なのかな?
「おはよう咲良ちゃん!」
「あら?…あ、おはようジェニファー!シャーリー!」
ぱちくりと目を瞬きしてこちらに気付いた咲良はぱあっと花が咲くような笑顔を浮かべながら席から立ち、両手を広げて私をふわっと抱き締めてきた…!
(昨日の今日だけどすごく仲良くなれたみたいで嬉しい!それはともかく…あぁぁすごくいい匂いがする!!これが巷でよく聞く女子力なのかな!?)
「おはよう咲良、昨日はありがとう。そして真紀はそのにやけ面は気持ち悪いわ…」
「シャーリーもおはよう!二人して朝からどうしたの?いきなり忘れ物でもしたのかしら?」
「違うよ!?咲良の友達がいたら紹介して欲しいなーって。あと昨日ノートで見せてもらった人がいたら会ってみたいなって思って!」
「昨日の…あぁ、カリンのノートね?それなら玲奈…加藤さんと萩原さんと星野くんが同じクラスね…玲奈は友達と話してるみたいだし、愛美は何か本を読んでいるわね。星野くんについては…ほら、あそこで寝てるわ…」
咲良ちゃんの目線からとりあえずその3人がどこにいるかはわかったけれど、ホームルームまではそこまで時間がないから今話に行くのは難しいかな…
美波と目を合わせると同じ考えに至ったのか仕方がないといった感じで首を横に振っていた
「それなら今紹介してもらうのは難しそうね、咲良は雑誌を読んでいたの?」
「ええ、今月のトレンドとか見ていたの!今はブルーとシュシュが流行ってるみたいよ?ジェニファーはせっかく髪を結んでいるのだからただのゴムじゃなくてシュシュにしてみたらどうかしら?」
私を解放した咲良ちゃんは雑誌を手に取って流行ページを指差した。先程は花が咲いたように見えたのに今度はキラキラを纏っているように見えるけど、咲良の前世は魔法使いなのかな…
(シュシュかぁ、昨日フリマで買った中には無かったな…ブルーは何かあったかな…?)
「今は持ってないけど今度買ったらつけよっかな?でも毎月流行は変わるの?」
「色かアクセサリーのどっちかは毎月変わるかな…流行なら私がよく見てるおすすめの流行アプリ教えてあげるわ!これで二人とも更に可愛くなってね!」
昨日見たふんわりした咲良ちゃんがとても興奮しながら熱く語っていらっしゃる…!!昨日帰り道で美波と話したけれど、やっぱり咲良ちゃんはゆかりちゃんとは違うおしゃれに対してのサポートキャラなのかな?
「あ、名残惜しいけどそろそろホームルームの時間じゃないかな?二人ともわざわざ朝から来てくれてありがとうね!」
別れ際にまた私と美波にぎゅーっと抱きついて、またねと言いながらふわりと微笑んだ咲良ちゃんは何と言うか…
(女子力の塊…いや、もう天使で女神…)
咲良ちゃんの魅力にふわふわしながら自分の教室に戻ろうとしていると、咲良ちゃんのクラスと廊下からざわざわ声が聞こえてきた
「咲良様、嬉しそうに話していたわ!」
「今日も咲良様は素敵だわ!眩しすぎて遠くから眺めるだけで時間が過ぎてしまうわ!」
「激辛女王とか美の化身とか色々異名を聞くよな、青柳咲良…」
「女神の歌声とか太陽の微笑みとか色々聞くけど、異名増えすぎててそんなすごい人かと思うと近寄りがたいよな…見守るだけのファンクラブもあるみたいだし…」
(あれ、もしかして咲良ちゃんって…)
思うところがあって隣を見てみると同じ考えなのか微妙な顔をした美波と目が合った
「ゆかりちゃん以外仲の良い友達いないのかな…?」
「朝の様子を見るとそんな感じよね…知り合いは多そうだけれど…。…本当に学校にファンクラブとか存在するのね…」
自分が遠巻きに見られていると思うと、居心地悪いのもわかるな…いきなり抱き付かれたのは驚いたけど、むしろ役得だった?
(人気者も大変なんだなぁ…)
ゆっくり廊下を歩いていると担任の丹羽先生が見えたから、私達は急いで教室に戻った
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