16.キューピッド大作戦
思ってたことは言ったけど、ちょっとの沈黙が長く感じると否定されちゃうんじゃないかとだんだん心配になってくる…
「あのー…美波?聞こえてる?」
(充電は…うん、あるある。電波も大丈夫だよね?飛行機とか通ってて聞こえてないとかないよね?)
聞こえてないんじゃないかと心配になってきた所で、はぁーとスマホからため息が聞こえてきた
「わかったわよ…手伝うわ。それで、何をどうするつもりなのかしら?」
「とりあえず攻略対象とそのライバルちゃん達と知り合いになるのはどうかな?明日他のクラス…まずは咲良ちゃんのC組とかに行ってみて、その次にB組に行ってみようよ!」
「それなら確かにクラス覗いて変な目で見られる心配もないし、咲良に聞けば紹介してくれるかもしれないわね。知り合いになったらどうするの?」
「友達になる!」
「ノープランなのはわかったわ」
(なんでバレたんだろう?)
ゲームのキャラのキューピッドになろうとは考えた、でもまずは会わないと話が始まらないし、どう友達になるかとかライバルの恋をどう応援するかまで答えは出なかったんだよね…
「キューピッド大作戦、明日から開始だね!」
「そのネーミングセンスは何とかならないの?」
電話越しの美波のツッコミがなんだかざくざく刺さるよ…!?
◆ ◆ ◆
翌朝、私はゲームに出てくる相手を探そうと少し早めに学校に行った。
教室に行くと花守くんがロッカーの上の花瓶に桜の花が咲いた枝を活けているところだった
…脳裏にその光景が焼き付く感じがして慣れないなぁと思っていると花守くんと目が合った
「あ、おはよう、真紀ちゃんだっけ?昨日はアクセサリーとか買ってくれてありがとうね」
「うん、おはよう!花守くん早いね!そして桜キレイ!教室にお花があるってなんか気分があがっていいね!ありがとう!あ、昨日お店の場所も連絡くれたよね!それもありがとう!」
花守くんの笑顔に笑顔で返すと、くすくすと笑われた
(あれ、変なこと言ってないよね?)
「ごめんごめん、真紀ちゃんは朝から元気だなって思って。よく顔に出やすいって言われない?」
「うぅ、言われる…」
おかげで家族にも友達にも嘘や隠し事はできないんだよね。すぐバレるっていう…
「やっぱり!そうだと思った。」
はははと笑われているけれど、それは私にとって全然嫌な気がしない笑い方でつられて笑ってしまった。
「あ、美波ちゃんだ。おはよう!昨日はありがとうね!」
花守くんの言葉に後ろを向くと、美波が申し訳なさそうに扉からこちらをひょっこり覗いていた
「おはよう美波!」
「おはよう真紀、花守くんも…なんだかお邪魔してしまったかしら?」
「聞かれちゃまずい話を教室ではしないよ、真紀ちゃんとも軽い挨拶くらいなものだったしね?」
「うん、桜キレイだなって!」
「そう、邪魔していなかったのなら良かったわ。…桜は確かに素敵だけれど、そろそろ人も増える時間帯だからロッカーの上は片付けた方がよくないかしら?」
確かに、活けられた桜の横を見ると入れてきた袋や水に入れる栄養剤の袋に、形を整える為に切られた小枝、ハサミなどが置いてあった
「わわ、邪魔してたの私の方?ごめんね、手伝うよ!」
「捨てたり洗ったりするくらいだし大丈夫だよ、気持ちだけ貰っとくね!」
花守くんはニコニコとありがとうと言いながらゴミをまとめて捨てに行った。その間にも登校してきたクラスメイトから声をかけられてにこやかに返しているのを見て、やっぱり優しいな花守くん…なんて思ってるとごめんなさいと美波が声をかけてきた
「ホームルームまでまだ15分はあるけれど、ロッカーに鞄を入れる人はいると思って…イベント中邪魔しちゃって悪かったわね」
「私があのまま話してたら片付けもっとギリギリになったと思うから、美波が来てくれて良かったよ!」
「それ言ってくれるなら良かったわ…ところで真紀、咲良のところにはいつ行くつもりなの?」
「今から少し行こうかな!美波も一緒に行かない?」
「構わないわ、鞄を置いたら行きましょうか」
そういえば教室入ってすぐ話してたから私も鞄を持ったままだった!
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