12.ハンドメイドブース
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美波と二人でゆかりちゃん達よりも先行してハンドメイドブースを歩いていると、明るくてさわやかな声が聞こえてきた
「よかったら見てってくださーい!押し花で作ったスマホカバーやアクセサリーとか売ってまーす!」
(ん?なんか聞き覚えがある声だなぁ)
そう思って見てみると、先に出店してるブースでクラスの王子様キャラの花守蒼生くんが満面の笑みを浮かべなから売り子をしていた!
青空の下で販売ブースのテーブルに左手をのせ、右手で商品をかかげながら笑顔で呼び込みをしているその姿が
何故か1枚の写真のようにとても記憶に焼き付いた
(これが美波の言ってた心のアルバム…スチルっぽいものってやつか!昨日もあったけど変な感じ…!
花守くんの笑顔、素敵だなぁ 何を売ってるんだろう?)
じっと私が見てたからか、こちら側を向いた花守くんと目があった
「ん?あ、いらっしゃっい!二人ともクラスの人だよね、えーと」
「斉藤真紀って言うの、良ければ真紀って呼んで!」
「松田美波です、よろしく」
私と美波は順番に挨拶をした。
「真紀ちゃんと美波ちゃんね、よろしく!良かったら見て行ってよ、クラスの人だし割引するよー」
すると遅れて歩いてたゆかりちゃんと咲良ちゃんが追い付いて花守くんに声をかけた
「ロイくん、私達も割引してくれるかしら?」
「ん?速水と青柳かぁ!もちろんいいよ、二人と一緒に来てたの?」
「私が昨日誘ったんだ!感謝してよ?」
えっへん、とゆかりちゃんが目を閉じて口角を上げ、腰に手を当てて顎を上げる
ゆかりちゃんは花守くんがここで出店するって知ってたんだ!フリマに誘ってくれただけでも嬉しかったけど、これまた嬉しいサプライズだよ!
「うん、見に来てくれてありがとう!二人もぜひ見て行ってよ、気に入ったのがあったらもちろん割引させてもらうよ」
ずっと笑顔を浮かべていた花守くんが、更にニコッとしたのでこちらもついつい笑ってしまう。いいなぁ…
なんて思ってたら三人とも真剣に品物をを見ていたから私も慌てて見せてもらう
花びらや花弁を使った可愛いピアスやイヤリングにネックレスにストラップ
スマホカバーや透明な小物入れ、ドライフラワーなどが置いてあった
「これって全部花守くんが作ったの?可愛い…!!」
「そうだよ、親が駅前の商店街でお花屋やってるんだけど…今まで捨ててた売れ残りとかダメになっちゃったお花のキレイな花びらとかが勿体無く見えたから、それを貰って作ってるんだ!…と言ってもそれがバレたらすごく値切られそうだからここではナイショなんだ」
価格を見てみると、一つ300円からとすごくお買得に見える。きっとタダで貰った材料だから、なるべく安くしてるんだろうな
「こんな可愛いくてこんな安いのに値切ろうとする人いるのかな?割引してくれるって言うのも見てると悪く思えてくるよ…」
「割引価格でも材料費はもらうから損はしないよ、あと割引はするけどお花を買うときはうちで買うことが条件ね?」
(王子様だけどしっかり営業もしてる…!!)
◆ ◆ ◆
皆で品物をいくつか選んで会計を済ませたところで思い出した
「そういえば花守くんのおうちのお店の商店街ってどの辺りにあるの?」
引っ越してきたばかりだから近所もよくわかってない
駅前の商店街って言ってたけど、商店街は駅の裏側だから行ったこと無かったんだよね…
「あ、それなら後で地図を送って上げるから連絡先だけ先に交換しようか!」
思いがけず連絡先ゲット!やったぁ♪
◆ ◆ ◆
「ねぇ、真紀ちゃんは蒼生くん狙いなの?なんかさっきすごく緊張してたけど」
ハンドメイドブースを抜けるとゆかりちゃんが話し掛けてきた。
(え、バレバレだった?恥ずかしい…)
「昨日の自己紹介から気になってたみたいだけれど、どんな人なのかあまりわかってないのよね。二人は親しそうだったけど何か知ってる?」
恥ずかしくて困っていると美波がフォローを入れてくれた。
情報を聞き出す流れにするあたりが流石である。
「私は中学から一緒だけれど、カリンは幼稚園からよね?」
「うん、小さい頃から名前で呼んでたから今更名字で呼ぶのもなってさ。蒼生くんは小さい頃からモテモテだったけどすごく積極的に迫られてたから本人は困ってたなぁ…でもさっき話してた感じだと仲良くなれそうだったし色々教えてあげるよ!美波ちゃんは気になる人いる?」
「え!?あ、私は別に…」
急に予想外の話を振られたからか、美波は顔を赤くして目線をそらした。
(今度は私がフォローしてみよう!)
「美波ってば全然教えてくれないんだけど、気になる人はいるみたいなんだ!良かったら学校の中で人気がありそうな人とか教えてくれないかな?」
攻略対象が少しでもわかるといいなぁなんて思ってこう言ったけど、蒼生くん以外にいるかな…?
「それなら、この情報通のゆかりちゃんが引っ越したてな二人に注目どころを教えてあげよう!」
にまっと笑ったゆかりちゃんの情報は、明らかにゲームのような内容だった
ハンドメイド王子様、蒼生!




