憂鬱な猫
サンプルなので期待しないで下さい(>_<)
うちの猫はいつもしかめっ面をしてる。
寝ても覚めてもずっとそんな表情。
やっぱりお父さんがいなくなっちゃったのが寂しいのかな。
この子は小さい頃に僕が拾ってきたのだけど、ずっとお父さんが世話をしてきたから、僕達では物足りないみたい。
しかめっ面した猫はご飯を食べる。物憂げに遠き過去を思いながら。
しかめっ面した猫は遊ぶ。心ここにあらんと言いたげに、独りで遊ぶ。
僕は努めて優しく猫を抱き寄せ猫に、うちお父さんはね〇〇なんだよ。と、猫に話す。
すると猫はまるで、わかるはずのない言葉を理解したかの如く、優しい声でにゃーんと鳴いた。
そして微笑んでいるかのような顔で何かに気づき、玄関に向かう。
ガチャ。玄関の扉が開き「ただいま」という懐かしい声。
僕も喜んで玄関に向かう。「おかえりなさいお父さん」と、船乗りのお父さんに呼びかけながら。