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5 白鳥のアンデッド

「イヒヒ、案山子くん、ボクをアンデッドにしてもう一度爆発させたらいい」

「スワン、そんな事」

「やらないと案山子くんがボクの死体の胸やお尻を触って喜ぶ変態だと広めるよ」

 わざとじゃねえよ、まあスワンが良いと言うなら他に方法は無いか、爆煙で確認はできないがまだアルテミスやジャンヌ以外にも生き残りはいるだろうし。


「クリエイトアンデッド、ん?スワン」

「早くしないと、もう時間が無いよ」

「ネームドアンデッドが使えるらしいがどうする?」

「イヒヒ、案山子くんも検証好きになったね、わかったボクをネームドにしてくれたまえ」

 普通なら味方をアンデッドにしたくは無いんだがな。


「ネームドアンデッド」

「イヒヒ、ボクがアンデッドになったのか、イヒヒヒ、凄いよ案山子くん」

 青白い光がスワンに吸い込まれる、ボワッとスワンが青く光りアンデッドスワンが誕生した。

 ステータスを見た感じだと、どうやらスワンが状態異常アンデッドとして自分で動けるみたいだ。


「案山子くんそれが最後の手駒かい」

 アルテミスがスワンに矢を放つ、スキルなのかスワンに三本刺さった。


「貴様は最後に殺してやる案山子」

 槍がスワンの額に突き刺さった、しかし、そのまま俺と青ネーム二人は沈黙した。


「イヒッ、イヒヒ、イヒヒヒ……」

 スワンが笑う、矢が刺さり、額に槍が刺さったままに、正直怖い。


「案山子、貴様何をした」

「イヒヒ、効かないねえ、ボクのスキルに物理無効があるからかなぁ」

 ネームドアンデッドの効果なのかアンデッドスワンが異常に強い。


「イヒッ、なになに、吸血に霧化か、ほほう、ボクはバンパイアになったのかな?」

 このゲームはバンパイアがアンデッド扱いなんだな、真相とかになったら視界全てを破壊できそうだ。


「クソ、フレイムエンチャント」

「イヒヒヒヒ、遅いよ、いただきます」

「離せ、離せぇぇぇぇ」


 スワンがジャンヌに噛み付いた、アイツノリノリじゃねえか、まあ今のうちに馬をアンデッドにして逃げる準備をしよう。


「クリエイトアンデッド」

 アンデッドホースか、頼むぞパトラッシュ。

 …………やっぱ犬の名前だよな、まあいいけどさ。


「イヒヒ、なかなかタフだねえ」

「おのれ、バーストランス」

「伏せろ、ジャンヌ、シャインアロー」

「イヒヒヒ、当たらないねえ、キミも一口いただくよ」

「はぁん」

 おい、なんか変な声出たぞ。


 スワンが圧倒的だが正直決定打が無いのか嫌がらせを繰り返している様に見える、ここは逃げの一手しか無いか。


「スワン、逃げるぞ、来い」

「イヒヒ、コイツはボクと案山子くんからのプレゼントだよ」

 スワンは麻痺爆弾を投げ、白衣をはためかせ飛んで来た、飛べるのかよ、てか俺は麻痺爆弾は関係ねえだろうが。

「案山子くん覚えたからね」

「パトラッシュを返せ、パトラッシュ、パトラッーシュ」

 上手く麻痺した二人から俺とスワンは逃げ出した、ふう、俺だけ生き残ってスワンには申し訳無いな。


「イヒヒ、なかなか楽しいね相乗りと言うやつは」

「俺、馬初めてなんだが、さすがにこういう事はゲームだな」

「イヒッ、何か誤魔化してないかい?」

 背中に当たってんだよ、ちょっとな。


「当ててるんだよ、イヒヒ」

 因みにフレンドだからある程度接触ができるわけで、基本的には握手も弾かれる、そうじゃなきゃ電脳犯罪にゲーム内強姦とか増えるだろうな、そういうゲームも秘密利に出回ってるのかも知れないが。


「さいですか」

「イヒヒ、ボクも恥ずかしいんだからもう少しオーバーなリアクションをくれたまえ」

「……これ、何言ってもダメなヤツだろ」

 柔らかくて温かいとか言ったら吸血されそうだよ。


「イヒヒ、バレたかしかし爽快だったね、一泡吹かせてやれたよ、でもボクはいつまでアンデッドなんだろうか?」

「さあ、状態異常なんだから時間経過か万能薬辺りで治るんじゃないか?」

 これからずっとアンデッドキャラとかさすがにそんな仕様じゃ無いだろう。


 適当に馬を走らせていたが、追っ手の気配も無い様子なので一旦止まりマップを確認する。

「ちょっとその間に検証させてもらうよ」

「あぁ」

 返事をするや、スワンは白衣をはためかせフワリと空を飛び……ちょっと羨ましいな、そのまま少し遠くにいたウルフに襲い掛かった。


 おかしいな、なんかスワンは普通に戦ってるだけなんだがウルフが可哀想に見える。


「イヒヒ、お土産だよ」

 スワンがウルフの死体を持ったまま飛んで帰って来た、ウルフよなんかすまない。


「どうやら今のボクは経験値が入らない様だね」

 なるほど、アンデッドの副作用か、そりゃ強すぎるもんな。


「案山子くんに入ったりは?」

「無かったな、てか入ったら強すぎだろ」

「それもそうか、おや?」

 スワンの身体から青い光りが抜けた。


「ふむ、効果が終わると普通に死ぬ前に戻るのか、凄いね蘇生スキルに使えるよ」

「あんまりいい気分じゃ無いがな」

「そうかな?空を飛べたりなかなか楽しかったよ」

 仲間の死体見なきゃならんからな、こんなにリアルなゲームだとなかなか割りきれねえよ。



 続きはまた書き貯めができたらまとめて投稿予定です。

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