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2 彼女は狂気の化学者

「助かったよ、ありがとう」

 骨になった三人から目を反らしスワンを見る。


「なあにPK同士仲良くしよう、イヒ、お礼はそうだね」

 礼か、そうだよな、スワンがいなければもう骨だけのコイツらに俺はなぶり殺しにされてただろう、あんまり無いが所持金の半分程で。


 プレイヤーネームスワンからフレンドの申請が来ました承認しますかと、アナウンスが響く。


「ボクとフレンドになって欲しいかなイヒッ」

 とりあえずイエスと、しかしイヒヒキャラは魔女じゃねえのかと、内心ツッコミを入れる、なんか俺脳内ツッコミキャラになりそうだな。


「よろしくな」

「イヒヒ、そんな即決でボクのプロポーズを受けていいのかな?ボクはしつこいよ」

 いや、お前絶対美人だろうとか、手が柔けえよとか接近して握手しながら思う。


 フレンドになったからスワンの情報が詳しく解る、職業『マッドサイエンティスト』…………なんだこのゲーム、眼鏡に白衣が装備なのもあれだが。


「イヒ、案山子はネクロマンサーか珍しいね」

「いや、スワン、お前のマッドサイエンティストのがどうしたらなれるのか気になってしょうがないぞ」

「イヒヒ、ちょっとメアド聞いてくるやからが不快でね、アイテムの麻痺針と毒針で撃退したら殺してしまったんだよ、本当なら魔女スワン様としてレキレの世界に名を残すはずだったのに」


「そうか、まあこれからは美人のスワン先生で名を残したら」

「え?」

 しまった、内心美人と思ってたのが口に出た。


「すまん、つい」

 嫌われたかな?


「わ、私に美人とか言うなー、美人って言うの禁止ー」

 スワンは急に素に戻って俺をポカポカと叩く、おい、HP減ってるから、やめろ、マジで死ぬ。




「すいませんでした」

「イヒッ、ボクの容姿については無しだ、次は許さないよ」

 なんとかスワンの機嫌が治りキャラもイヒヒキャラに戻った、ポカポカされてる時に眼鏡がズレたが、やはり美人だった。


 何がいけないのだろうか、胸部がやや薄いのを気に、ヒャ、寒気が、スワンか?


「案山子くん、言ったら酷いよ」

「あ、ああ」

 俺はべつに気にしないんだが、まあスライムで溶かされたくは無いからこの話は無しにしよう。


 しかし、美人と言われたからか、俺を瀕死に追い込んだからかスワンの顔がやや赤い気がする、まあ、刺激したらいつスライムが来るかわからんから言わないが。


「そういえば案山子くんレキレは長いのかい?」

「いや、昨日から始めた」

「イヒヒ、それでPKとはいい趣味をしているね、趣味が合いそうだよ」

「そういうスワンは長いのか?」

「イヒ、案山子くんよりはね、一昨日さ」

「たいして変わんねえじゃねえか」

「何を言う、一日とはいえボクが先輩だよ、敬いたまえ」

 と言ってスワンが胸を張る、本人はコンプレックスなのだろうが白衣の白と白の間で強調される女性的な膨らみに俺はドキリとしてしまう。


「スワン様ー」

「なんだい案山子くん」

「その眼鏡と白衣はどうしたんですか?店売り?」

 話を反らさないと目が追ってしまう、スライムは嫌だ。


「自作だね、ボクらPKは基本的に買い物ができない、ドロップと装備制作で賄うしかないね」

 眼鏡をクイッと上げて嬉しそうに説明するスワンに和む、リセットしようかと考えてたがスワンがプレイする限りこのままでいいかな。


 と、猛烈に話し出したスワンの声を聞き流しながら思った、まあ、俺もボッチよりの人間だからわかる、話しをするのは楽しいもんな。




 聞き流しながらスワンの話をまとめる、PKは街に入ると狙われる、というかほぼモンスター扱いらしい、一部PKの街もあるらしいが基本何処か洞窟や森に潜伏して力を付けるらしい、隠れ家とか造りたいな。


 装備は自作か奪う、殺した時のドロップを狙うらしい、じゃあ金の意味が無いかと思ったら装備制作に使うらしい、まあ、ゲームか。


 とりあえずここ、ゼイレキレ平原は王都ゼイレキレの近くで初心者から中級者、PKKまで人口が多めで危険らしい、ちなみにPKKは俺らPK、プレイヤーキラーを狙うやからで世界中を監視、巡回するまあ、俺らの天敵だな、さっきも赤字なだけで囲まれたし。


「さて、スワン、これからどうする?」

「案山子くん、聞いてたのかいまったく」

 美人のスワン先生の美声でとろけましたとか言ったら俺はスライムでとろけそうだな。


「イヒヒ、そうだね、ボクのスキルはさっき使った麻痺爆弾とアシッドスライムなんだけど案山子くんのスキルはなんだい」

 今思い出した様にイヒヒキャラにならなかったか?


「ああ、クリエイトアンデッドなんだが死体が必要らしくてな」

「イヒッ、そうかい、ちょうど三体あるから試してくれよ」

 ……スワンに言われ、目を反らしていたホネに振り返った。



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