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1-1の敵が全能神だった件  作者: 串カツ
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第7話「ロリはロリでも合法ロリはひと味違う!」

「ちょ、もう痛ったいわねカケルあんたなにすんのよ」

 セラは何事もなかったかように平然と聞いてきた。


「かわ······剣····じゃねぇ」

 俺はガクガクと怒りのあまり震えながら答えた。

「え、なに全く聞こえないんですけど」

「こんなに可愛い子に剣向けるなんて·······お前人間じゃえぇぇぇ!!」

 俺は大声で怒鳴った。

 出来れば5時間ぐらい説教してやりたいところだ。


「え、じゃあなに? あんたまさかアンデッドの肩を持つ気? さっきまでその子、人様の家めちゃくちゃに破壊してたじゃない子供でも倒されて当然なのよ、いくらあんたがロリコンでもそんな冗談は顔だけにしときなさいよ」

 躊躇なく罵声を浴びせてくが、こいつの方がよっぽど悪魔だと思う。

「いくらなんでも子供に剣を向けるのはどうなんだよ······あと俺はロリコンじゃない」

 セラに反論していると、横からなきじゃくりの声が聞こえた。

「ぐぅんふ、はじめはおまえのことただゴミと思ってたけどいい奴だったんだな、セリカのことをこんなに思ってくれる人間がいるなんて···」

 そうだ、こいつだけはあとで始末しておかないと····

 あと、できれば泣かないでくれませんか超顔怖いので。


「じゃあ、こいつらどうするの、もうめんどくさいから私戦う気ないし、かといってただで逃がすのも、しゃくなのだけれど」

「何か捕らておく魔法とかって使えないのか?」

「いちよう少なからず使えるけれど」

「じゃあ使ってくれこのジジイだけに」

「ふぇ?」

 ジジイが呆気にとられた顔で俺の顔を見ている。

 もう瀕死状態でなにも抵抗できそうにないが····


「チェーンアンデット!」


 地面に青い光を放ちながら現れた魔法陣から鎖が現れ、ジジイに巻きついた。

「ゴキィィ」

······あ、聞いただけで痛いやつ

「痛い痛い痛い、この世で三番目に大切にしている骨たちがぁぁ」

 ジジイがそういうと、セラがジジイの近くにニコニコし

「あら、ごめんなさい力加減間違えちゃったわ てへ」

 うわ、てへだって。 あんな恐ろしい、てへ聞いたことないですよ奥さん! ····やっぱこいつ悪魔なんじゃね。


「で、こっちのロリっ子はどうするつもりなの」

「この子はツノだけ隠せば問題ないだろう」

 正直あんな恐ろしい魔法この子にはかけれない。

「あんた本気で邪神軍を許す気ね、まじで気が知れないは··言っとくけど、この世界では重罪だからね 重罪!」

 セラの忠告を風の如く聞き流し、どこか暗い顔をした少女に話しかける。

「あんまり驚かないで大丈夫だよ」

「私とパパ殺されちゃうの?」

「大丈夫、殺させないよ パ··パパ!?」

 俺の周りには今、死にかけのジジイとこの子と悪魔姫の四人しかいない。

 この状況でまた新しい邪神軍が出てきたら非常に厄介だ。


「わ、わたしだ」

 枯れかけの声でその答えが帰ってきた。

 それは今までジジイと思っていたこいつだった。

「て、おまえかよ!おまえどう見てもジジイだろ」

 となるとロリコンジジイがこの少女の父親ということになる。

······信じられない

「自己紹介が遅れたな····我が名はハデス、そしては我が娘の名はセリア、さっきからジジイ、ジジイと言われているががおまえら人間の年換算でいくとまだ50代だ。 あとアンデッドではなく邪神だ! 」

「紛らわしいわ! ······だったらセリカは見た目からして生まれたてじゃねぇか····何前線で戦わせてんだよ! あとよく考えたらなんでお前みたいな骨からこんな肉も皮もついてる可愛い女の子を生まれんだよ! 」

「セリカはこの間までペルちゃんと一緒に私の家の冥界にずっと居たからな···あ、ペルちゃんってのは私の妻だ」

「こんな骨野郎になんで嫁がいんだよ···」

 俺の嫉妬のオーラに構わず、続けてハデスが

「冥界にいれば、年は重ねるが肉体はそのまま維持される。 セリカは冥界が好きだから───」

「えぇ? 」

 ハデスの説明を止め、セリカがいきなり割って入ってくる。

「私早く外の世界も見てみたいってお願いしたらパパが止めたじゃないですか! 」

きまりが悪くなったのか、黙り込むハデスに続けてセリカ

「冥界は確かにママもいるし、半透明の友達もいっぱいいるから楽しいけど外も出てみたいって60年ぐらい言いつづけたよね! 」

「 ··············」

「パパ!! 」

「ごめぇぇん! セリカァァ! 」

 ハデスがセリカの小さな両足をつかみ、泣きわめきながら土下座して

「だってさだってさ、セリカ。 こっち来たら大きくなっておとなになっちゃうんだよ? 可愛いセリカが反抗期とかなっちゃ嫌じゃん! パパ死んじゃうじゃん! パパの元から離れさせたくないじゃん! セリカが結婚したいとか言い出したら、セリカの結婚相手無意識にパパ消滅させてしまうかもしれないじゃん! 」

 土下座しているハデスをセリカは白い目で見ている。


「パパさ、仕事でこっちよくきてるけどもう少しでさ、こんなブラック企業なんか辞めてさ、パパとセリカとペルちゃんとケロべロス家族4人で平和にいくらしたかったんだよぉぉ」

───よく考えたらハデスの仕事って死者選別するとかじゃなかったっけ? 俺の世界では···なんで俺ら人間殺そうとしてんの。


 てか待ておいじゃ。

 セリカは合法ロリじゃねえか····

 まじかよ神ってるぜこの世界。

 涙をボロボロこぼしながら俺、天に向けてガッツポーズをしている所、横でセラが

「あんた、まさか合法ロリだ! ヤベェ 最高だ! この世界神ってる! とか思ってない」

·········なぜ読まれている。 こいつまさか魔法を····

「そ、そんなことないよ! 」

「ほぉぉぉお」

 セラは少しというかだいぶ引き気味に返事してくる。

 気のせいかな? 時間が経つごとにつれこいつとの心の距離がだんだん離れていっている気がするのだけれど。

「大体なんでそんなこと思うんだよ! 」

「あんたがさっきから気持ち悪い涙流してるからよ」

 知らない間に無意識に涙を流してたらしい。

「は、これはあれだよ、脳汁だ! 」

「どういう事よ! 」

 知らん! 答えた俺が聞きたい!


「ね、もういいでしょ私早く村から出て帰りたいですけど」

この状況に飽きたのか、セラがあくびをしだるそうに話を切り出した。

「捉えたはいいが、このあとどうするんだ?」

「は、そんなの城の牢屋にぶち込んだけばいいでしょ」

 無情にも悪魔がつぶやいた。

 俺がいた世界でこんなのつぶやいたら即炎上だぞ····

「じゃあ、この親父だけぶち込むか」

「はぁ、あんた呆れるまでにロリコンね」

 悪魔的思考を持っているおまえにはわからないかもしれないが、少女を牢屋に入れるのはさすがにありえない。

 それとも俺がおかしいだけなのか?


「パパも·····牢屋に入れちゃ····ダメ」

 はぁぁぁと大きなため息をつき、セラが答える。

「あんたね、自分たちの状況わかってんの? 今のとこあんただけはこのロリコン野郎に助けられ·····」

「よし、わかったじゃあ牢屋には入れない」

「は? 」

 俺が即答すると苦笑して、物も言えないという顔で

「あんた、ほんと一回飛び降りてきたら?」

「と、とりあえず、一回戻ろう話は後だ、セリアちゃん早く帽子かぶって、おいジジイその怖い顔これで隠せ」

 俺は持っていたカバンからちょうど顔を隠せそうなものを渡す。

「あの悪魔やろうにかけられた鎖のせいで手がふさがっているのだが あとが骨ぼきぼきで動かないんだが どうにかしてくれ!」

 あれだけ血を吐き、さっきまで生死をさまよってたとは思えないほど元気に立ち上がりピンピンしている。

「なんでおまえそんなピンピンしてんだよ」

 この中で一番元気じゃねーか····

「あ、パパは、太陽の光浴びたら体力回復するんです」

······なにそのチート能力


「ジジイ、おまえ太陽の光浴びると体力回復とかもうそれ邪神としてどうなんだよ? 普通邪神は暗いとこ好むだろ 」

「カァァァ」

 さっきまでどうだと言わんばかりに自慢げに俺たちを見下ろしていたが、俺のツッコミで下を向き絶望のオーラを纏わせ考え込んでいる。

「じゃあなに? あんた、二酸化炭素しか出さないのに光合成みたいなことしてるわけ? マジの害悪じゃない。 あんた太陽様に謝ったら? 」

 セラが言葉で追い打ちをかける。

「私が、邪神じゃない、役立つ····まじで·····じゃあもう邪神軍にいる必要ないじゃん····だって私、邪神ではないのだから」

 あぁぁこいつめんどくせー


 更に追い打ちかけようにセラがハデスに囁く。

「ほんとよね、骨のくせに血吐いて、あんたさっき自分のこと神とか言ってたけどどっちかと言うとやっぱり骨なんだしアンデッドよね。 けど光合成するアンデッドなんているの? いないよね? あんた誰? 」

「おぃぃぃもうやめてやれ、そのうちこいつ立ち直れないから」

 そんな会話をしていると俺のズボンを小さな手でひっぱってきた。

「私も口から血出たよ、ほら、ね。私もアンデッドだからお父さんもアンデッドだよ」

 お父さんのメンツを守るためか、セリアが自分で口を切り血を流している。

 なにこの健気でパパ思いの子

 アンデッドというよりもはや天使───

「うぅぅ、セリカ····だからパパアンデッドじゃないっていちよう神だって····」


 地面に這いつくばり、涙を流しているハデスをおこしさっき取り出したものを変装のために、つけさせる。

「な、なんだこれは」

「俺がここ来る前、特典でもらったものだ。 大事にしろ」

 ハデスは両腕を塞がれ確認出来ないだろうが、俺が取り付けたのはこの世界に来る前に貰った特典のかわいい2次元キャラのお面だ。

 傍から見ると、200センチは大男がかわいいお面をつけているというちょっとばかり狂気じみた見た目にはなっているが····しかたない。


 とりあえず、ハデスとセリアを連れて王城に帰ることになった。

 どのみちを俺はこいつらの上司とやらを倒さなくてはいけないし少しでもそいつらのことを聞き出せたらこの先役に立つだろうと考えている。

 あと一目散に帰ったクソ兵士どもを一回殴らないと····

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