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04.毒を含んだ、なろうあるあるエッセイ集

エロから始める、なろう性活 〜お色気表現の限界と、あんちゃんの呪いについて〜


 こんなエッセイも、ついに第六弾。今回もよろしくお願い致します。

 そして、今回のテーマは性的表現……


 今や少年誌でもシャワーシーンはおろか、ベッドシーンまで描かれるような時代。果ては袋とじまで組み込まれ、話題になりました。


 読者層の平均が上がっているというのも起因しているそうですね。コアターゲットが、三十台中心に移ってきているのだとか。


 かつての少年が、大人になっても継続して購読しているということか……

 いや。それって最早、少年誌じゃねーだろ。中年誌だとツッコむのは野暮なのか?


 少○隊がいつまでも少年であるように。キンキがいつまでもキッズであるように、開けてはならない禁断の扉というわけだな。


 禁断の扉といえば、そろそろ、この私の体を蝕み続ける、ある呪いについて話しておく頃合かもしれない。


 私も長編物を書き始め、現在二作目。その呪いは、一作目である「斬魔剣エクスブラッド」の執筆中に訪れた。


 第一章が無事完結。しかし、アクセスや評価が思ったほど伸びない。そして私は考える。


「そうか……異世界ハーレムが流行っているのなら、エロに対する需要はあるはず……俺の作品には、それが全く足りないんだ!!」


 確かに第一章の初稿は、かなり健全な作風でした。これの原型となった処女作など、ヒロインはおろか、女性キャラがほぼいないという、かなり偏った傾向の作品。


 しかし今となっては、この英断こそが間違いだったのではないだろうかという疑念。だが、当時の私は人気を求めて必死です。


 第二章から、エロ姐さんキャラを爆撃投入。反響は上々。一人ほくそ笑む。


 私の作風を真似ていた他のユーザーさんのローファンタジー長編にも、なぜか似たようなキャラが出現。こいつもエロイ。


「つーかパクるんじゃねーよ。文章表現まで真似てきやがって、このヤローが!」


 あ。つい、当時の心理が声となって出てしまいました。失礼。


 いや。単純にそちらの作品の方が人気があったもので、勝手に敵対視していたのです。


 そして、どこで道を間違えてしまったのか。いや、私にかけられた呪いは徐々に強さを増していたのです。暴走した挙げ句、性的表現の限界に挑むという、新たな境地を切り拓いてしまうとは……


 そんな私の前に姿を現したのは、天使か悪魔か。


 いや。ただの人間だ。

 

 良く見るとそれは、あのクリーニング店のあんちゃんでした。ロン毛にキャップをかぶった有名人です。

 歯を剥き出した爽やかな笑顔で、その人は告げたのです。


「そこに、エロはあんのかい?」


 あんちゃんの声に導かれるまま、限界ギリギリじゃないかという所まで攻め続けました。

 運営からは特に注意も何もなし。それ以前に、こんな底辺作品に気付いていないだけか。


 そんなこんなで一作目は2015年に無事完結。今は、序盤の数話を書き直したものを再投稿している真っ最中です。


 そしてお次は、それをセルフ・オマージュした次作、「竜の力を宿した俺が、美人魔導師に敵わない」。こちらに着手。


 いや。さすがに改心すればいいものを、ところがどっこい、セルフ・オマージュです。余計な所までオマージュしています。


「うん。とりあえず、エロも入れとこう。っていうか、外せないよね……あんちゃんも言っていることだし、やるしかないよね?」


 私の脳内で、あんちゃんが激しく暴れるのです。抵抗すれば命を奪われかねません。


 そうなんです。今までのことは全て、あんちゃんの呪いだったのです。今や、お色気ネタをぶっ込むことを楽しんでいる私がいます。暴走が止まらない。


 そして、こんなことばかりしているから、なろうを知らない知人や友人には絶対に見せられない。知られたくもない。


 自らが辿ってきた軌跡を振り返る。するとそこには、なぜかエロがいる……


「そこまでして、人気が欲しいのか?」


 あんちゃんは困ったような顔で、私に問い掛けます。

 呪いをかけているのは、あんただというのに。


「人気? 欲しいに決まってんだろうが! だからこそ、投稿サイトにまで露出させてるんだろうが! 見られてナンボなんだよ!」


 いつか運営から警告を受けるその日まで、私は、あんちゃんの呪いにさいなまれ続けながら執筆を続けることだろう。

 そして、警告を受けた暁には、ユーザーネームを“槍杉やりすぎヒロ”と改名するに違いない。


 そんな日が来ないことを切に願うばかりだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] Twitter作品RTありがとうございました 面白く、大変興味深いエッセイでした そこにエロはあるんでしょうかね
2021/01/27 21:14 退会済み
管理
[良い点] 爆笑です。 題名を見ただけで、私のようなものは「読めない」と敬遠して開いてもいませんでした。 たぶん続けては読めないことと思います。(宣言っ) でも最初のページだけチラッと読んでみます。(…
[一言] 笑いました。 確かに、エロはある意味なろうで発表するための確定要素になりつつあるような気もします。 もちろんまんまエロではなく、どちらかというとお色気的な要素が必要とされているのではないでし…
感想一覧
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