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目に光を灯す 7

やはり、飛行機は早い。

あっという間に鹿児島までついてしまった。無駄な時間などない。このまま乗り継いで種子島まで飛ぶ。ちなみに鹿児島と種子島の間の運賃は、距離にしてはかなり高い。もちろん、僕らにとってそんな事は関係ない。いつも通りハヤトマジックでやすやすと乗り換えた。


搭乗口たどり着くまでにある売店の前を通るたびに、ヒカリの目がちらちらと店の中を見る。何が気になっているのだろうかとその目線の先を気にすれば、そこには、鹿児島のご当地ゆるキャラのストラップがぶら下がっている。

まったく、好きなんだから。


あまり時間もないので、搭乗口までまっすぐ行った。ヒカリがちょっとトイレに行ってくると荷物を置いて御手洗へとかけていく。俺は、光の荷物をひょいと肩にかけて、一番近い売店へ行き、適当なゆるキャラストラップを掴むとレジで生産をした。


誰だ、鹿児島県のゆるキャラをいくつも作ったやつは。


搭乗口まで戻って一息ついたところでヒカリが戻ってきた。それとほぼ同時に搭乗案内が始まる。僕らはハヤトが用意したチケットを手に飛行機へと乗り込んだ。時間はそんなにかからない。種子島はすぐそこだ。


ちょうどその時、ピコンと音を立てて、ヒカリのスマホが鳴った。メールの着信音だった。

飛行機のシートに、腰掛けながら、ヒカリはメールをチェックする。

「ハヤトからか?」

僕の答えにヒカリは視線をスマホから少し上げて一つ小さくうなずいた。

「ハヤトから、建物の見取り図と、侵入経路が送られてきた。」

一通り目を通したのか、ヒカリは僕にスマホの画面を突き付けた。目の前には建物の見取り図らしきものが描かれている。

「ハヤトが侵入の時には連絡がつくよう、コミュニケーターをつけろって」

僕に自分のスマホを手渡しながらヒカリが言った。コミュニケーターというのは、ハヤトから渡された小さなイヤホンのようなものだ。

どこからの電波を受信しているのか、これから設置しなくてはなならないスタートラッカーの部品よろしくケーブル一本出ていない。


…あぁ、そうか。スタートラッカーもワイヤレス通信なんだ。


先ほどの疑問が1つ解消された時、気の早いヒカリがリュックからコミュニケーターを取り出し、僕の右耳へと突っ込んだ。


ほんと、せっかちなんだから。


これで僕らは準備万端。そして飛行機はあっという間に種子島空港への着陸した。


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