勇者、暁の時間帯は最近は大体宿屋で寝てる!!
私、ジョビーノ・ガネーメは今日も勇者一行を追う。やっと勇者一行と呼べた、うれしい。
勇者一行は新たな町に到着。しかし、満身創痍だ。それもそのはず、なぜか旅が進むにつれ、魔物たちの強さが上がっているからだ。それも、勇者たちがぎりぎり苦戦を強いられる程度に強くなっている。それに合わせ、勇者たちも強くなってはいるけれど、このままなら、勇者一行を倒す魔物が現れてもおかしくは無いだろう。私はもう少し彼らを見守ることにした。
町に滞在して一日目、朝から町の周りをぐるぐる回っている勇者一行。それに引き寄せられた魔物たちとひたすら戦い、時に宿屋で休憩をはさみながら一日を終える。そして、今晩は剣士と肉体言語で語り合ったようだ。
町に滞在して二日目、町の外の木陰から今日も彼らを監視するも、相変わらず町の周りをうろついて、魔物を倒す。苦戦することも少なくなってきたようで、宿屋にも時折戻るくらいになっている。そして、今晩は魔導師とのマジックナイトだったようだ。
町に滞在して三日目、そろそろ大きな動きがあるかな? と期待に胸を膨らませる(私はもとよりそこそこ胸が大きいのでそこまで膨らませるなんてことはしなくて構わないのだけれど)が、今日も彼らは町の周りをうろつく、そして近づいて来た魔物たちを滅多打ちにする。もう、この辺りの魔物では太刀打ちできなくなっているほどレベルアップしたようだ。そして、今晩は僧侶と神聖な夜だった。
『勇者の生態その十四。勇者はしょっちゅう宿屋に泊る。パーティメンバーとはよろしくやっているようだ』
それから、ひと月ほどたった。未だに彼らは町の傍から離れようとしない。彼らに近づく魔物たちは一瞬でその命を蹂躙される。もはや恐怖の対象ね。
一晩泊まると、ついに彼らが動き始めた。この町の近くにあるという勇者が使うといいっぽい盾を手に入れるため、彼らは滝の裏にある洞窟に向かうようだ。しめた。そこにはチャメ・ワヨイの部下のなんか強そうなマーマンっぽい奴がその盾を守っているはずだ。いくらこの辺りで強化された勇者一行とはいえ、奴を倒すには骨が折れるはず……。
すぐに盾を持って帰ってきた。
『勇者の生態その十五。とある場所で戦いまくって、異常なくらいに強くなる。おかげで、魔王の刺客たちの方が、道中に出会う魔物よりもあっさり倒されてしまう』
「やばいわね。これは魔王様に報告しないと……」
私は早速魔王城へワープした。
「魔王様! 大変です! 魔王様!」
いつもの間に私が到着する。
「なんじゃ! ジョビーノ!」
「は、それが……」
私が報告しようとすると
「報告は後じゃ! 今、チャメと他部下とで麻雀をやっとるんじゃ!」
パチン、と麻雀牌を置く音がする。
「魔王様、私それロンです」
「なーーーーっ! しまったーーーー!」
「……」
魔王城は、今日も平和です。
『魔王の生態その四。魔王城には緊張感というものがない』
もう、報告はいいや、と再び私は勇者一行の監視に。すると、勇者たちが町の小さな診療所から出てきた。おかしい、彼らの病気やら毒やらは基本的に道具やら教会やらが払ってくれるというのに……。出てきた勇者一行のなかで、勇者と女僧侶が、とてもうれしそうな笑顔で出てきた。女僧侶は、顔を赤らめながら、自分のお腹をさすっている。とても、とてーも、幸せそうに……ってまさか!?
『勇者の生態その十六。女僧侶、おめでた発覚』
どうも、作者です。ここまでご覧になってくださった方、誠にありがとうございます。四話目です。一応ネタ的にも半分は使い切った。けれども久しぶりの更新でした。これぐらいなら忙しい間にも書けたかも、なんて思ったけれど、気にしないぞ! では、またどこかでお会いしましょう。そこ、嫌とか言わない。ありがとうございました!




