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死なない僕の物語

作者: 翔楼喜

こんにちは、翔 楼喜(ショウ・ロキ)です。

久々にちょっと描いてみました(*^^*)


少しの幸せと、少しの悲しみと、たくさんの人の思いやりを頭に浮かべながら書き上げた作品です。

どうぞ読んでいってください(*^^*)

僕はイヌガミ

何千年と生きている

僕は死なない

正確には、死ねない

カミサマだから、人間とはちがうから

本当は何度も死んだ

死ぬはずだった

なのにまたよみがえる


ある時、僕は恋をした

人間に恋をした

人間には僕がイヌガミだと言ってなかった

僕は人間と、人間として恋をした

山で出会い、村に降りて過ごした

でも流れる時は違う

小さかった人間が大きくなったのに

僕は何も変わらない

大きくなった人間が年を取り、老けいっても

僕は何も変わらない

僕は人間に本当の事を言った

そしたら人間は

「先に死んでしまうことを許してほしい」

怒るでもなく、軽蔑するでもなく

安心しているような笑顔で僕に謝った

そして死んでしまった


あっさり死んでしまう人間は哀れだと

僕は心の隅で思った




ある時僕は旅に出た

山を越えて海沿いを歩いて

たくさんの村を訪れた

盛んな村、平凡な村

それぞれの村に

たくさんの人間が住んでいて

イキイキとしていた

そんな中見つけた

1人の幼い人間

賑やかな市場の裏側

誰もこない静かな場所に

この人間は倒れていた

まだ死んではいなかったから

食い物とみずを与えた

元気になった頃に僕はふと

旅を続けようとそこを去った

幼い人間は付いてきたから

なぜ来るのか、と尋ねたら

「あなたが寂しそうな顔をしているから」

ねだるでなく、泣き出すでなく

とても困った顔をして言った


それからは共に旅をした

だが長くは続かず、幼い人間は

その頃の流行病で死んでしまった


あっさり死んでしまう人間の命は儚いと

心の奥で思った




ある時僕は狙われた

山の神々が

『イヌガミの存在する必要はない』

そう決断したらしい

死ねるならそれに越したことはない

でも山神共に殺されるのは

本心ではないから逃げた

近くに村のある森の中へ逃げ込んだ

たくさんのけがをしていた

その時、村の人間が通りかかった

けがの手当をと連れて帰ってくれた

癒えるまでの間、人間は世話をやいてくれた

でも山神共に居場所を見つけられ

逃げた先で追い詰められた

すると人間が僕をかばって刺された

何をしていると叫んだら

「あなたの傷などもう見たくはない」

謝るでもごまかすでもなく

満足そうに笑い、泣きながら言った

そして死なせてしまった


あっさりと死んでしまう人間の命は

とても尊いものであると

心から思った



ある時僕は泣いていた

ずっとずっと森の奥で

ずっとずっと泣いていた


どうして僕は死なないの

どうしてみんなは死んじゃうの

どうして僕は1人なの

どうしてみんなには家族がいるの


どうして僕は彼を愛したの

どうして僕は彼を助けたの

どうして僕は彼にかばわれたの


どうして彼は僕を愛したの

どうして彼は僕と一緒にいてくれたの

どうして彼は僕をかばったの


頭の中をぐるぐる回る

この言葉たちが絞り

まとめ出したのはたった一言


ーー《どうか、早く死なせてください》ーー


…それから僕は眠りにつく

長い長い、自力で覚めることのない眠りに…


いかがでしたでしょうか(ーー;)

この作品はふと、

「不老不死ってどんなんだろうなぁ」と

少し考えてみたらなんだか、

自分の中で死んでしまう方が楽だなぁと思ってしまうような思い出がたくさん浮かんできて…(ーー;)

でも、ここに書いたイヌガミサマには遠く及ばない辛さだと思うと

情けなくなっちゃいます(ーー;)!


物語の途中にでてきた、3人とイヌガミサマとの物語は、また別の小説でのんびり書いていこうと思います!

応援して下さる方々、どうもありがとうございます!

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