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主人公は会議室にいました


 郷田が身を潜める本拠地の周囲を、俺の部隊が固めていた頃、俺は会議室にいた。

 会議室とは言ったが、大規模な物ではなく二畳ほどの狭過ぎる空間だ。他にも適切な場所があるのではないかと呆れてみせると、同じ会議室にいたブルーが首を傾げる。

「ミヤミヤ。どうして呆れてるの?」

「別の場所はなかったのか? こんな狭い場所で部隊に指示を出すなんて、おかしいだろう」

「ここしかないから」

 ブルーがハッキリと語る。この場所はブルーが局長を務めるナリタ公安局が密に建設した地下施設の会議室。国外であるにも関わらず、こんな施設を建ててもいいのかと、俺は思った。その答えは、俺の国に向かう道中でブルーの口で語られた。

「ミヤミヤ。スパイ活動するんなら、国外にアジト作るのも当たり前だよ。国外からの脅威から国民を守るためには、仕方ないこと。それが国防って奴だからね」

 ブルーの国防云々という話は、今はどうでもいい。現在重要なのは、現在の状況。それが気になった俺は、連絡係のブルーに尋ねる。

「現在の状況は?」

 ブルーは思い出したように、メモを取り出し俺に報告した。

「現在私たちの部隊は、郷田の本拠地である要塞、煩悩城を囲んでいます。第一部隊の体長の怪盗サンシャインシティさんの話では、敵は煩悩城周辺を我々が囲んでいるのも関わらず、姿を見せていないようです。どうやら文字通りの籠城作戦を郷田は実施しているようです」

「第二部隊の就活女はどうなっている?」

「はい。抜かりなく手筈通りに動いています」

 その報告を受け、俺は腕を組む。

「そうか。それでは煩悩城に関する情報を、もう一度聞かせてほしい」

「煩悩城。怪盗サンシャインシティいはく、見た目は日本古来から伝わる城と呼ばれる建造物のようです。しかし、入手した情報によりますと、脱出不可能なセキュリティシステムが導入されていて、敵の首を持って帰るのは不可能らしいですね」

「脱出不可能なセキュリティシステム。こいつは挑戦状だな。怪盗サンシャインシティに伝えろ。お前の出番だと。それと……」

「えっと。ミヤミヤ。それに何の意味が?」

 何のことだか分かっていないブルーは、困惑しているようだった。俺は、それを気にせず、ただ頭を掻く。

「煩悩城っているネーミングの要塞に郷田がいるって聞いた時、俺は思ったよ。意味はないことは分かっているが、それでも俺は指示したい」

 所変わって、煩悩城前。周辺を囲み、突入の指示を待つ怪盗サンシャインシティに、俺の指示が伝えられた。後から知った話だが、この時アイツは、珍しく赤面したという。

 怪盗サンシャインシティは、呼吸を整え、郷田の要塞である煩悩城前で叫ぶのだった。

「敵は煩悩城にあり!」

この回は山本正純が担当しました

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