表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/75

7

 彼女はおそろしく美しい。

 卵型の曲線を描く輪郭に、明らかに日本人の血統からかけ離れた表情が彫られている。ティナも存分に整った顔をしているが、彼女はそれ以上に、なにか危険な魅力を含んでいる。生まれついての不幸を匂わせているというか。僕が彼女とはじめて会ったときなど、心臓を押さえつけられたみたいな気分で、一瞬息を続けることすらままならなかったほどだ。

 だけど、彼女にはその美貌と並ぶほど……いや、もしかするとそれ以上の「特異点」がある。なぜそうしたのか、あるいはそうなったのかは分からないし、本人に聞くことは叶わないのだけど、とにかく事実があるのだ。


 彼女の唇は、その艶やかな青紫を覆い隠すようにして、縫い物のように針金が通してある。

 いかに顔色を繕っても、きつく結われた口先だけは動くことをせず、無表情なままだ。そのせいか、結果として彼女の顔はいつも透明で、内面を写さない。この特異点こそが、彼女を支配していた。

 「水面」を意味する「Sideauw (シドウ)」という名前は、これ以上なく彼女に似つかわしいものだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ