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 わかっていることは、いまが最悪でこれ以下なんて存在していないことだ。まずありえないことだとは思うけど、なにかを変えることはできないのか。このままではいけないと、ただ漠然にそれだけがふと僕のなかで浮かび上がった。

 きっと生きるため、先へ進むための向上心を取り戻したのだと思う。この悪夢から抜け出すための、決定的ななにかを僕は探し求めている。

 それがどれだけ倒錯しているかとか、たとえば間違っているとかはもう問題じゃない。殺人現場から生き延びた僕には、より貪欲でないといけない理由がある。人が生きていくことにおいて、その意味を見出し続けなければ、行くあてもなくゆるやかな死が待ちわびているだけだ。

 さっき明晰夢と現実の垣根を越えたみたいに、次の道へ歩みを向けるための方法。悪夢のさなかで垣間見るひとすじの綻びを求めて……僕は目覚める手段を考えはじめた。


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