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とは言ったけど、僕の仕事とはずいぶんと単純で、暇を持て余すものだ。朝晩の食事を二人分作り、あとはここで適当に過ごすだけである。夕飯の後片付けを終えたのち、その日の気分で泊めてもらったりと、これは楽というよりももう仕事をしてないと言ったほうがいい。それでいて大卒の友達とためを張れる給料がもらえるのだから、むしろ申し訳なくなるほどだ。
暗がりの食卓を抜け、僕は自前の (と言っても、一年中他人の家に置き去りである)エプロンを着た。この家での料理は、ただでさえ住人が小食なこともあってあまり時間がかからない。まして、朝食はパンを焼き、野菜を盛りつけるだけの簡素なものである。それを一人分、作るだけだ。
キッチンは見てくれこそ薄暗くて、かつやはり古くささはあるけど、整然としている。窓の外側みたく、雪のような白と氷のような銀に統一された食器たちや、小洒落た洋風の戸棚が並ぶ光景は、率直に美しいといえるものだった。僕自身、この場所がここで一番気に入っている。




