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「今日の献立を教えてくれませんか?」


「ん?」


 一瞬どこから声がしたのかわからなかったけど、あたりを見ると流し台のあたりから、ティナが目から上だけを覗かせていた。食卓の椅子に座り、そこから僕のほうを見るかっこうだ。気さくに返事したことを後悔しつつ、僕は小さくうつむいた。


「そんな面白いものは作らないよ。おとといと同じ、ハンバーグだよ」


「あ、もしかしてこないだの余りですか?」


「そうそう。もしかしたら見たかもしれないけど、凍らせてとっといたんだ。ほんとはお昼につまもうと思ってたんだけど」


「んー……そうですか」



「……もしかして、なにか嫌なことでもありましたか?」


「え?」


 僕がはっと、ティナへ向けた目にはきっとたじろぎの色があったと思う。ティナもまた、僕からは目元しか伺うことはできないけど、どことなく曇った、ちょうどさっきのシドウみたいな表情を浮かべているのがわかった。あまりこの2人が似ていると感じたことはなかったけど、いまこの瞬間、やはり姉妹なのだと改めて認識する。


「おせっかいだったらごめんなさい。でも今日の諒人さん、少し疲れてるみたいだし、なんとなく思い詰めてるようにも見えるんです」


 生まれてはじめて、自分が顔に出やすいらしいことを知った。でもよく考えたらさほど不思議ではないことで、ティナの勘の良さを失念していた僕が甘かったとしか言いようがない。


「……まあね。少し気になることがあってさ。食べ終わったらゆっくり聞くよ」


「私たちに関係してることなんですね……わかりました」


 ティナの目が消えた。

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