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……僕はもどかしくなって唇を噛んだ。シドウの綴ったその文章から、僕は彼女がドイツ人であることをはじめて知った。言うまでもないことだけど、外国語について僕は門外漢で、つまりこのメモの意味を僕はまるで理解できなかった。
「……ごめん」
もやもやした気持ちを抱えたまま、壁時計に一瞥をくれた。長針は5時ちょうどを指している。
「僕から言っておいて、本当に申し訳ないけど……知らなかったんだ。きみが日本語を自由に扱えないってことを」
「あとでティナに聞こうと思う。ごめん」
シドウがわずかに首を振ったように見えて、慄きを隠せなかった。




