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 ここで気づいたけど、僕の身体がこれだけ冷たいということは、この夢には「時間」の概念があるのかもしれない。じじつ冬場らしく、僕の部屋は全体が薄くほこりっぽい。だとすれば冬場の寝床――ティナの部屋に、僕の足跡があるはずだ。そう考えた僕は、やや窮屈ならせん階段を抜け一階へ向かった。


 予想が的中したかどうかは、死体を見れば一目瞭然だった。

 ソファーに横たわるシドウの四肢、おもに腕や腿のあたりにあざのような網模様がびっしりと繁茂していたからだ。

 どこかで見覚えのある現象だった。名前は忘れたけど、死後二、三日経過した死体にはこのような斑ができるらしい。それを伝うように彼女へ触れると、肌理のある感触と、鋼のような冷たさが返ってくる。それがなぜか不愉快に感じて、僕は触れた手をあわててジーンズのポケットにしまいこんだ。


 ティナの元へ向かう僕の足取りにもう、おっくうさが付きまとうことはなかった。これは煩雑な作業でも謎解きでもなく、僕のアイデンティティにかかわる重篤な探求だ。冴え渡った頭と軽い身体は、ただ追究することへ今までにないほどの全力さを発揮している。裸足で踏むフローリングの冷ややかさ、息づかいのたび全身を駆け巡る冷気が痛々しいほど、残響を以ってより鋭敏に感じた。

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