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ガラスの張られた大きめの机に、木でできた小物の入る棚、それから堅甲なつくりをした本棚くらいである。しかし本棚はかなりの蔵書を誇り、僕はここに来てから三日に一冊くらいのペースで読み続けているけど、いまだに一列目も読破できないような状況だ。ジャンルについてはとにかく無作為なようで、絵本から鈍器のような重さの洋古書まで、様々な書籍が手当たり次第に陳列されている。
そんな居間の風景だけど、やはりというか、何者かに荒らされた痕跡があった。本棚の書籍はいくつかが床に落下しているし、棚は開けっ放しのままだ。金品を探し回ったであろうことは明らかで、となるとやはり、強盗か何かが家に押し入り、邪魔になったシドウを殺して逃走したとか、そういうところだろうか。居間にはベランダへ続く大窓があり、そこからは心地のよい、澄んだ冬の空気が通っていた。
……でも、合点のいかない点がある。それなら僕はどうして、今こうも五体満足で、しかもなぜかシドウを抱きしめたまま眠っていたのだろう。しょせん夢なのだし、理詰めで考えるのは無駄なのかもしれないけど、ここまで倒錯した状況で、まったくのデタラメということはありえない気がする。




