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10分程度で読めるショートストーリー

ウソ告被害者の会

作者: アオ

みなさんこんにちは!アオです!

今回は"ウソ告"をテーマにして書いてみました!

それでは「ウソ告被害者の会」どうぞ!

ウソの告白......."ウソ告"

ゲームなどの罰ゲームでよく使用されるもので、全く好意を寄せていない

人にウソの告白をするという恋愛面だけでなく人間としても最悪なこと。

そのウソ告の対象に俺たちがなってしまったお話。


高校に入った俺は中学の時と同じでかなりの陰キャだった。

人前で話すことが苦手で、周りの人と話すことはあまりなかった。

しかしそんな俺でも一応好きな人はいた。

高校に入学した当初から言われていた学校の二大美人の一人にだ。

まさに高嶺の花で、到底今の俺では釣り合うことが許されなかった。


そんな青春と無関係な生活を送っていたある日のことだった。

いつものように帰ろうと下駄箱からくつを取り出すと紙切れが落ちてきた。

そこには「放課後、資料室前で待っています」と書かれていた。


俺は不思議に思いながら紙に書かれている資料室へ向かう。

こんな陰キャの俺に何の用だろうかと思いながら着く。


そこには俺が恋心を抱いている彼女がいた。

「来てくれてありがとう」

彼女がそう言ったので俺はそれにつられて軽く会釈(えしゃく)をする。


そして少し間が空いて、彼女は俺を見つめて口を開く。

「ずっと......君のことが好きでした!」

その瞬間俺の体にイナズマが走った。誰もが憧れる彼女からの告白。


陰キャの俺には予想もしなかった展開に脳がパンクしている。

俺が声を出せずに固まっていると彼女がまた俺を見つめながら

「私で良かったらだけど......ダメかな?」

言ってきた。俺は勇気を振り絞って言葉を出そうとしたそのとき


「はい、OK~」

とどこからともなく声がしてきた。俺は驚きを隠せず周りを見回すと

そこには二大美女のもう一人の人がスマホを構えて立っていた。

「お疲れ~、ばっちり取れたから大丈夫だよ~」

「まじ~、あ~やっと帰れる~!!」


俺は二人の会話に全然ついていくことができず固まっていた。

「ああ、君がいるの忘れてた。今のはうそ告だから忘れて~」

本日二回目、イナズマが体に走る。はっ!?ウソ告.......?

何がなんだかわからないことをよそに二人は帰っていた。


茫然としていたがとりあえず帰らないとと思い体を起こす。

帰り道、"ウソ告"という言葉が脳内でリピート再生される。

おそらく、好きでもない異性に告白するというものだ。

ということはあれはうそ......わかっていたがわかっていなかった。


いくら陰キャだったとしても好きな人からあんなことされたら

漠然としない。そして俺はいつの間にか泣いていた。


そのまま家に帰り俺は泣き疲れてベッドに倒れ込む。

そして泣いた後には沸々(ふつふつ)と怒りがわいてきた。

あの二人を地獄のどん底に叩き落したい。そんな思いが俺には出た。


翌日、だからと言って何かをできるはずがなく、そのまま時間が

過ぎていってしまった。その日の昼休み。俺は教室の隅で弁当を食べていると

昨日の二人とその友達数名が遊びながら弁当を食べていた。


「昨日のあいつ面白かったよな~」

「マジそれな。私と釣り合う男なんていないっつうの」

「それな。やっぱり最高だわ~」


そんな会話が聞こえてきた。俺は怒りを心のうちに秘めながら

さらに会話を聞き続ける。

「今日も罰ゲームあるでしょ?」

「そう、マジだり~。私はさっさと帰りたいのに~」


昨日だけでなく今日もやるのか。本当に同じ人間なのか?

そんなことを思いながらさらに会話を聞く。

「作戦は昨日と同じで良いよね~?」

「うん、さっさと済ませたいからすぐに告白かな」


放課後、俺は資料室の近くの教室に待機している。

静かに待っていると、足音が聞こえてきた。おそらく二人の"カモ"に

されてしまう人だろう。俺は息をひそめながら会話を聞く。


「率直に言うけど.....ずっとあなたのことが好きだったんだ」

「えっ......じっ、じつは君のことが俺も好きなんだ。」

「はい、終了~。」


その後の流れは昨日と一緒だった。本当に悪質だな。

二人が行ったのを確認して俺は勇気を振り絞ってウソ告された人の

ところへ行く。その人は昨日の自分と同じ放心状態だった。


「すみません」

俺がそんなよわよわしい声で相手の反応をうかがう。

「えっ?きっ......君いつからそこに?」

俺はしぶしぶながらも経緯を説明する。

「ごっ.....ごめん。ちょっと今の俺パニックだから.....」

そう言われた俺は少し待つ。


「で、ウソ告をされたから仕返ししたいと,,,,,,」

彼は俺の要件を素早く解釈してくれた。彼は陰キャと陽キャの

真ん中であまり絡んだことがない。(クラスの人ほぼ全員だが......)


「わかった。協力するよ。でも具体的にどうしたらいい?」

彼に言われて俺は困った顔をする。仕返しをすると言っても

弱みを握っているわけでもないから何もできない。


そんなことがあってから一週間後。俺は俺なりに彼女らの

調査を進めていった。どうやら俺が好きだった(・・・)人は本当に好きな人が

いるらしく、その人が先輩で三日後に正真正銘の告白をするらしい。

俺はチャンスだと思った。人の恋を邪魔するやつは万死に値するが

さんざん俺たちの好意を踏みにじってきた。その仕返しだ。


ちなみに彼の声掛けのおかげでこれまで彼女らにウソ告をされた

数名たちが集まってくれた。彼にはものすごく感謝だ。

俺たちはこの団体に名前を付けた。"ウソ告被害者の会"と。


そして作戦決行の日。同時に彼女が先輩に告白する日だ。

一足先に俺はその先輩のクラスへ向かう。正直、同級生ですら

話すのに緊張するのに先輩となるとどうなってしまうのだろうという

不安があったがなんとか先輩を呼び出すことができた。


そして俺は今日まで動いてきたことやこれから先輩にやってほしい

要件を伝えた。終始先輩は表情を曇らせながら俺の話を聞いていた。

「わかった。ウソ告とか最低だな.....よしっその作戦に乗っかるよ。」

先輩の承諾もおりてとうとうそのときがやってこようとしていた。


生徒が帰っていき静まり返る学校。そんな校舎の中で大きな物語(作戦)が始まった。

先輩が「放課後、資料室前に来てください」と呼び出されるのだ。

俺たち被害者たちは前に俺が待機していた教室で待機している。

この歴史的瞬間をカメラに残しておこうとみんな必死だ。


「先輩、今日はお時間いただきありがとうございます。」

あのときとは全く違う態度で彼女が話始める。

そして少し先輩に対する思いを言い続けてついに

「私は先輩のことがずっと好きです!付き合ってください!」

そう彼女の口から正真正銘の告白がされた。


数秒、先輩は表情を一つ変えずに待っていたが......いきなり笑い出した。

「ハハハッ、ハハハッ、ハハハッ」

「せっ、先輩!?何がおかしいですか!?」

「いえ、ちょっとね。まずは告白ありがとう。だが......」

先輩は言葉を切る。


「ウソ告なんかをするようなやつとは彼女以前に後輩としていらない!!」

「ッ.....!?いきなり何の話なんですか!?」

「とぼけても無駄だ。お前のウソ告の情報を全てもらっている。」

「だからなんの話なんですか!?」

「まだ、とぼけるのか。仕方がない、出てきていいぞ」


先輩の合図とともに俺たちは横一列になって教室から出てくる。

その瞬間、彼女の表情が明らかに変わるのがわかった。

「この人たちを見てもわかるよな」

「ッ.....」

とうとう彼女は何も言わなくなってしまった。


ここでもう一人の女子が登場するかと思ったがどうやら今回は

この女子一人でやっていたようだ。そこにさらに先輩の言葉が加わる。

「正直、俺の中で君は"気になる存在"だったのかもしれない。

 だがお前のそんな態度で告白しているという情報をもらって

 大きく後悔した。こんなやつを"気になっていた"なんてな」


先輩のその言葉に傍観者である俺たちも息をのむ。

「だから俺はお前となんか付き合うことはできない!

 そして金輪際、俺とかかわるな!」

そう先輩に言われて彼女は膝から崩れ落ちだした。


その後、彼女は泣きながら校舎から去っていった。

「ふぅ~。こんなんで良かったのか?」

さっきまでとは違い穏やかな雰囲気に戻っていた。

「はい、ありがとうございます」

俺たちはそうお礼を言って本日は解散となった。


後日、彼女は数日学校を休んでいたがいつの間にか転校していた。

彼女を取り巻いていたカースト上位の女子たちもウソ告の関係者

だったため周りの人から指をさされるようになっていた。

結果、数名がクラス内での居場所をなくすのだった。

読んでいただきありがとうございました!

書いていて思ったこととしてはこの主人公たち行動力がすさまじいな

と思いました(笑)あとはウソ告はろくでもないですね(笑)

よければ感想やいいねなどをお願いします!

それでは他のところでお会いしましょう!アオでした!

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― 新着の感想 ―
まあ冷静に考えて嘘告するような輩を好きになる男は 女からも好かれないものである
至って普通だけど面白い
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