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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

Ideals like reality

作者: イプシロン・モッド

バルバロッサ・オンライン(通称BRO)。バルバロッサ・オンラインは、オープンワールドとFPSをぶっこんだゲームである。そのバルバロッサ・オンラインが市場に出てから四ヶ月、地道に金を稼ぎ、ようやく、バルバロッサ・オンラインをできるようになった。機種に8万、ダウンロードに2万、計10万を手に入れるのに、一ヶ月はかかった。

これからゲームをするのだが、ゲームを操作するのに必要なのは、VRゴーグルだけであり、ゲーム内の操作はVRゴーグルのどこかに付いている小さい針が脊髄に接触し、神経を乗っ取り、動かせるようになる。だが、供は神経が乗っ取られるのに耐えられない可能性があるのでゲーム機本体は15未満の子供は使用できなくなっている。しかしゲームの設定でかなりグロテスクなので、対象年齢は18歳以上となっている。


今回それを親友と一緒にやろうということで、俺の部屋で一緒に話し合っていた。


「お前よく買ったな。お前の場合、今やってるゲームにつぎ込むと思ってたのに…」


「一回それも考えたけど、自分が直接やるのが一番楽しそうじゃん?しかもいいクランに入ったら指揮官になって部隊動かせるんだろ?」


「そうだけどさ…そういえばお前サバゲー上手かったよな?お前と戦うやつが可愛そうだぜ」


「大丈夫、俺はビギナーだから、練習が必要、よって最初の獲物は君だよ」


「最初は俺かい。まあいいよ。じゃあ最初のところで待ってるからな。ちゃんと帝国側に入れよ」


「もちろんさ」


そういってVRゴーグルを付ける。手袋とかはいらない。理由は先程言った。


白い空間にきた。何もないが目の前に欄がある。

まず最初に自分が入る陣営を決めるらしい。この世界は3つの陣営に別れて戦争をしており、その内の2つの中のどちらからに入るようになっている。どちらに入っても、あまり変わりはないのだが、リア友と別々の陣営に入ってしまうと、お互いに殺し合いになる。それと得られるスキルの確率が違う。片方は生存型のスキルの出現率が、もう片方は攻撃型の出現率が高いといったもの。まあ数%しか変わらないが…後、武器の初期デザインが若干違う。


もちろん、俺が入るのは後者のほうである。攻撃こそが最大の防御というしな。ちなみに陣営が3つに別れているといったが、設定上は帝国軍、反乱軍、連邦軍となっている。俺が所属しようとしているのは、帝国軍であり、もう一つの選択が可能な陣営は反乱軍である。帝国が支配していたのを反乱軍が反乱を起こし、対立している間に、連邦軍が介入したということになっている。これこそ三国志か三つ巴かなんとやら。


そうそうこの世界には乗り物が存在する(当たり前だが)が乗り物といっても、航空機や戦車なのである。

航空機や戦車使ったら、ゲームバランス崩壊じゃねと思ったが、現在は銃のほうが強すぎて、使い物にならないらしい。タイマンならまず負けるが、10人ぐらいを相手に取ると、蜂の巣にされるらしい。そして飛行機とかはそれぞれの陣営に配置されてあるAI対空砲によって落とされている。これにより、銃を持ったプレイヤーが一番強いかといったらそうでもない。

この世界では、砲撃支援という物が存在する。消耗品であり、あまり出てこないためにあまり使われていないが、射程外のところから砲撃されるという地獄が待っている。しかもこれは直径15メートルであり、直径5m内にいると即死、それ以外でも重症という。このゲーム最大の敵。ちなみに使われているのは、アハト・アハトだけである。対空にも使えることから、アハトアハトにしたらしい。まぁ、容量の問題もあるのだろう。


次に種族を選ぶ。

この世界にいる種族は人間、エルフ、ドワーフ、獣人、ゴーレムがいる。それぞれにパラメーターの有利不利や取得スキルの変化があり、人間は力、HPが低い代わりに知力や器用さが高い、ゴレームは速さ、器用さが低い代わりに力、物理防御、HPが異常に高い。

そうした中で俺が選ぶのは獣人である。獣人はさらに、犬や猫など細かい設定も可能になっている。(なおこれにもパラメーターの有利不利がある)俺が選ぶのは犬である。理由はスピード、力が獣人内では高く、代わりに物理が低い。種族を選択した後は、性別である。ここでは、体格も決めれるのだが、体格によって、力、防御力、スピード、器用さが上がったり下がったりする。性別は、女のほうが有利にできており、体が小さい割に男の体がでかいときと、同じステータスになっている。体格が小さいと、ヒットボックスの面積縮小、スピードの増加、防御力、運搬量の低下がある。銃を持っている中で、バレないようにするには、体を小さくするしかないのだ。髪の毛とかの色も決めるのだが、俺は基本的に隠密行動をするので、髪の毛も耳も尻尾の色は黒にしておいた。


俺のアバターは結果的に、ケモミミ少女になったわけだ。

我ながらいい出来だ。


そして、名前を入れる欄が出てきた。名前はもう決めてある。

俺は欄に紫電と打ち込んだ。元ネタは日本航空機の名前である。別に空を飛ぶ予定はないが。



そして、白い画面から出られ、ようこそバルバロッサへという文字が現れ、町中に俺は現れた。初期武器はM9である。正直言って、これはしょうがない。まあ武器は買ったり奪ったりすればいいし。さぁーてここからはプレイヤーの自由なのだが、俺は親友と一緒にやる予定なので、ここで待機する。


「おーいたいた。お前出てくるの遅いって」


「ごめんごめん、キャラ作りに時間かかっちゃってさ」



なんでこいつは俺だと分かったのかというと、事前に名前を教えていたからである。


親友のキャラは見たことなかったので金髪の美少年だったから少々びっくりしてしまった。


「これからお前の的にされるやつが可愛そうだな」


「いや、まだ撃ってないからちゃんと扱えるかわからないよ?しかもカモはお前だし」


「…お前なら完璧にできると思うがな。」


「そうかもな。」


そう言って向かったのは、M4を所持している連邦側が占拠している場所だった。

ちなみにこのゲームのM4は強くもないし弱くもないという立ち位置である。理由は、このゲームの弾丸がまっすぐ飛ぶからである。もちろん重力の影響を受けないわけではなく、偏差は必要だ。しかし現実の銃は誤差が生じるのである。100Mに何センチの誤差だが、M4は誤差がとある銃よりも少ないのである。そして、メンテが難しいことだ。とある銃よりも難しい構造であるため、メンテが難しい。最後に値段が高い。これだけである。

とある銃というのはAKである。こいつらは現実だと大口径で安くて丈夫で精度が悪いといったもの。M4よりも大口径なため、大きなダメージが出せ、ゲームシステムのおかげで精度がいいという総合的に上位に食い込む武器なのである。


さっき言ったが、M4は高価なので、敵から奪ったほうが安いのである。俺が持ってるのはM9だが、ヘルメットがあっても射角が良ければ一発である。こいつを練習相手にするための銃を調達しようと思ったが、NPCで満足しようかな。


茂みの中から、M4を持っている兵士が出てくるのを待ちながら親友と話している。


「お前って今ナイフ持ってる?」


「持ってるけど…何に使うんだよ」


「…とりあえず貸して」


「分かったよ」


ちょうご建物からM4を持ったNPC兵士が出てきたので、親友からナイフを借りて、そっとNPC兵の後ろに回り込んで、喉元に借りたナイフを刺し、回して引き抜いた。そして事切れたNPC兵を後ろに倒し、さっきいた茂みの中まで持っていく。


「ふぅ」


「ふぅ、じゃねーよ。さらっと暗殺すんな」



「えーだって、こいつの装備を痛めつけたくないんだよ」


「じゃあ頭に一発撃てばいいじゃん」


「いや、こいつヘルメット被ってるし、射角でミスったら嫌だし、音鳴るからしなかった」


「なるほどね」

話を終わらせて、NPC兵の装備を剥ぐ。手に入ったのは、ヘルメット、防弾チョッキ、M4SOPMOD、5.56ミリ弾の30連マガジン5つ、9ミリ弾の15連マガジン3つであった。9ミリマガジンの方は相手が持っていたハンドガンのマガジンがたまたま、M9であったからだ。本当は、グロック17とかのほうが良かったが、これに関しては仕方がない。

肝心のM4はハンドガードが短かった。これだと威力が低く、射撃時に不安定で振れてしまうことがあるから、店で見つけたときに購入しておこう。


とりあえず装備は揃ったと思い。ヘルメットを被ったが、いきなり聴こえる音が小さくなってしまった。


「なんかヘルメット被った瞬間、音が聴こえにくくなったんだけど?」


「お前の上の耳が機能しなくなっちゃったからじゃないの?」


「ああ、なるほど」


俺は今、ケモミミのアバターを使っているので、耳と尻尾があり、上の耳が塞がれてしまったからだということらしい。ちなみに、俺には耳が4つある。人と同じ耳が2つ、上に2つ付いているのだ。そして両方とも機能するというチート性能なのであるのだが・・・こうやって塞がれると、使い物にならなくなるのである。


「聴こえにくくなるのは嫌だけど、命には変えられん。被るしかねえ」


しょうがなくヘルメットを被る。このヘルメット今度から耳の部分に穴を開けておこう。


「どうする?このままここにいる奴ら、殺してここを占拠する?それともセフティーエリアまで戻る?」


「いや、このまま占拠する」


このゲームは、場所を占拠することが出来、占拠した場所には、占拠している側のNPC兵が派遣される。しかし、定期的に連邦から兵が送られて、また占拠されるので、占拠する意味がないのだが、占拠することによって、一定の割合でレアアイテムが落ちることがある。ゲーム通貨だったり、銃だったり、アタッチメントだったりと様々なのだが、ここのNPCはかなり弱い部類に入る。占拠が簡単なので、占拠しようと思う。


「分かった。じゃあお前が前で、俺が後ろな」


「了解」


二人でポジションを決めて、建物の中に入っていく。


建物に入って、角に標準を合わせながら、静かに進んでいく。高さは顔のあたり。ヘルメットだと、仕留めそこなうからだ。


「お前、ちょっと慎重過ぎないか?」


「バカ言え。足音立てまくって、ここにいる奴ら全員こっちに来たら、終わるからだよ」

「流石にそこまでしなくていいと思うけどな…」


「いや、このゲーム、リアルに近いから、そこまでしなきゃだめだ」


「ええぇ…」


友人は絶句していたが、戦場では常に冷静であることが、重要なのだ。ゲームとゆえど、戦場なのだ。最も最適な行動を取らないといけないのだ。


「クリア」


「了解」


きちんとクリアリングしていき、複数の敵の姿が見えた。


「指で三秒カウントするから、別々の相手の頭を撃って」


「分かった」


指で三秒カウントし、二体の兵士の頭に穴が空いた。その時の銃声で、他の敵にバレてしまった。


「見張りが殺られた!急げ!」


NPCにセリフがあることはいいことだな。セリフがかっこよくて、もう一度聞きたくなってしまう。まぁ全員殺すんだけど。


「いや〜こっちに来てるね。後ろ気をつけろよ」


「当たり前よ!」


二人で、向かってくる相手に向かって、鉛玉を撃つ。友人は弾をいっぱい持っているからか、めちゃくちゃに撃っている。羨ましい。


一発一発ずつ慎重に相手を倒していく。数えていって、残り一発のところでリロードする。


「お前何やってるの?全部撃ってから、やればいいじゃん」


「ん?だってチャンバーに弾が入ってるから、リリースボタンを押さなくていいからな」


「チョットナニイッテルカワカラナイ」


「まあ、理解しなくていいよ」


残りマガジン4つとなり、未だに銃撃戦は続く。


「閃光手榴弾か手榴弾持ってない?」


「持ってるわけねーじゃん。だって占領するとは思わなかったもん」


「すまんって。しかし、このままだと、終わらないよ?」


「…突っ込むからカバー頼む」


「了解」


親友が突っ込むらしいので、俺は援護をする。親友を狙った銃身や頭をを狙い撃ち、無力化していく。親友が何発か被弾したが、ボディーアーマーが役に立って、大事には至らなかった。

ここにいた敵は全員倒したので戦利品を漁ろうじゃないか。


「ふぅー」


「ふぅーじゃねえよ!俺が突っ込んだから、勝ったんだよ。俺のことを讃えやがれ!」


「おお、軍神様よ。これをお納め下さい」


「フォッフォッフォッそうかそうか…ボディーアーマー?」


「冗談は辞めといて、お前さっき被弾しただろ。一応、アーマー変えとけ」


「えーこれレアリティ高いんだけど」


「知るか。一度でも被弾したボディーアーマーは変えるのが普通なんだよ」


「はーい」


親友が中の板を変えている間に、敵の物資を漁る。これでマガジンが10本ほどとなった。アイテムボックスの中にもっと入るが、めんどくさいので放置しておくことにした。


マガジンを捨て、もう一本のマガジンを挿し落ちているマガジンを拾う。こうすることで残弾数が少ないマガジンは使わずに済む。たくさん落ちてて良かったよ。そして、変な形の物も拾った。


「お前はいいよな。マガジンがいっぱい落ちてて」


「そういえば、お前が使ってる銃見てなかったわ。何使ってんの?」


「MP5だよ」


「それじゃ、弾はあるけどマガジンに互換性がないからな。ドンマイ!」


「まあ、弾がドロップするだけマシだけどな」


「そうだな。ところでさこれ何?」


「ああ、それ?閃光手榴弾だよ。一応レアドロップ」




「レアアイテムなのにこんな歪な形なんか」


形はルービックキューブのような正方形であり、重量はあまりない。


「一応上位互換もあるよ。結構高いけど」


「ふーん。まあ使えればいいや」


閃光手榴弾をポケットにしまって、攻略を再開する。


時折、敵を見つけては頭を撃っていくが、ボスらしきものは見えない。確かボスがいるはずなんだけど…


「ボス部屋まだ?」


「知らないよ。下見をしてなかったから。しかも、ここ行こうって言ったのお前じゃん」


「あー、そうだったね。ごめんごめん。情報収集しなかったわ。ん?なんか広い空間に出たんだけど」


「ああ、じゃあボス部屋じゃん。良かったな。もう少しで俺が切れてお前を撃ち殺すところだったよ」


「背中には撃たれたくないな」


「じゃあ正面から撃ってやろうか?」


「冗談はよしてくれ…展開するぞ」


「了解」


ボス部屋に入った俺たちは、左右に展開し、遮蔽物に隠れる。ボスが誰だか分からないが、兵が10人ほどいる。


手の動きで、最初に複数人やってから、閃光を出してやると伝えて、射撃を開始した。


最初に3人ほど殺してから再び遮蔽物に隠れて、閃光を出す。


閃光手榴弾が爆発した音を聞いた後、再び遮蔽物から出て、目を潰したやつを撃っていく。結局全員それで倒してしまって、ボスが誰だか分からなかった。


「ボスのドロップ品とかある?」


「いや、ない。しかも、ボスを倒したら占拠したことになるんだけど、まだ占拠されてない判定になってる」


「じゃあボスはまだいるってことか」


その答えが導き出された瞬間、奥の鉄格子が開いた。


「ボスのお出ましかな?」


鉄格子の奥から出てきたのは、赤い鎧を着ていてミニミを持っていた。


「げぇ、あれはエリートボスじゃないか!」


「なぁにそれ?」


「一部の地域では低確率で出るんだけど、かなり強くて、俺も何回かやられたよ。その分ドロップ品はいいけどな」


「へーじゃあ、殺るしかないじゃん」


「はぁ?ここで殺られたら、今まで拾ってきたものが殆どパァーだぞ!」


「いいじゃん。いずれは戦うんだから」


「はぁしょうがないな。でも俺は今の装備を失いたくないから、後ろにいさせてもらうよ。その分、ドロップ品はあげるけど」


「FFだけは勘弁してくれよ?」


「分かってるって」


親友を後ろに下がらせて、俺はエリートボスを狙う。マガジンが空になるまで撃ち続けて、チャンバーに最後の一発が入っていることを確認してから、一度隠れてリロードするが、ボスは健在だった。確実に一発は頭に入っている。かなり体力が多めに設定されているらしいな。


撃たれたのにエリートボスが気づき、ミニミをこちらに向けて乱射してきた。遮蔽物の厚さが足りないからか、銃弾が何発か抜けてきている。ここはだめだな。


「移動するからカバー頼む」


「しょうがねぇなぁ!」


親友が、ヘイトを集めている間に、別の遮蔽物に移動して、再び俺にヘイトを集める。


「やっぱり硬いねぇ。先にこっちの弾が尽きちゃうよ」


「お前が使ってるのは、普通の弾だし、スキルも持ってないからだろ?」


「スキルねぇ。こいつ倒したら獲得するんじゃないの?」

「あり得るかもな」


「実例がないの?」


「最近出て、殆どのやつが避けてるし、なにせ出現率が低いからな」


「なるほどね」


残弾が一発になっては、リロードをするということを繰り返し、ついにはマガジンの数が残り一本となってしまった。


「これが最後の一本!」


「俺もだよ!」


「撃ち切ったら、死体のところまで走って、銃と弾拾ってくる!」


「分かった!」


最後のマガジンが無くなり、拾ったM9を撃ちながら、死体のところまで走る。M9も弾がなくなったらリロードといった感じで、撃っている。

死体のところまでたどり着き、適当に死体を遮蔽物まで引っ張っていく。


死体を引っ張っている途中でエリートボスに狙われとっさに避けたのだが、左足に銃弾が当たってしまい。大胆な動きができなくなってしまった。とりあえず、布で止血はしている。


「いってぇぇ被弾した!」


「被害は?」


「左足に一発だけ」


「処置は?」


「やったよ!」


「なら大丈夫。ささっと銃拾って撃ちやがれ」


「イエサー」


死体が持っていたのは、M4でマガジンは装填されているのも入れて5本。これならまだやれる。


「クソッ俺も被弾した!」


「大丈夫か?」


「アーマーが守ってくれたよ。でも多分肋が折れた」


「アーマー変えといて良かったな」


「本当だよ」


エリートボスが、いきなり変な動きを取り始めた。しかも鎧から、煙が出始めている。


「エリートボスバグってない?」


「そんなことないと思うけど・・・違う。あれは装甲が剥がれるぞ!」


次の瞬間エリートボスの鎧が爆ぜ、周りが煙で覆われた。


「煙幕炊かれた!」


「身を低くしろ!相手はモク抜きしてくるぞ!」


「はぁぁぁあ。そんなんチートだろ!」


「俺はこれでいっつも殺された。まぁ後は頑張りたまえ」


「お前は戦わないのかよ!」


「その代わり戦利品は全部上げるからさ」


「…しょうがないなぁ!」


しかし、相手がモク貫きしてくるとなると、ここからは動けない。なら待ち伏せしかないか。


ヘルメットを脱ぎ、周りの音に注目する。嗅覚でもできるかと思ったが、硝煙のせいで使えない。

周りの音をしっかりと聞く。俺の鼓動の音、風の音、そしてエリートボスの足音。俺の右側をひっそりと歩いている。

俺はそっとナイフを取り出す。通りかかった瞬間に喉元を斬る。

だんだんと足音が近づいてきて、ついに俺の前まで来た。この距離なら煙幕の中でも、見える。


相手を視認した瞬間、立ち上がりナイフを刺しにいく。相手は俺が襲ってくることを想定していたらしく、ミニミをこちらに向けていた。


俺は、ナイフでミニミの銃口を横にずらし、左手でM9を握る。


俺の反応を見て、エリートボスはすぐにミニミを離し、グロックを抜いた。


グロックのスライドを少し前に出し、グロックを使えなくして、M9を相手に向ける。エリートボスは、俺の手を振り払い、引き金を引こうとする。

ナイフで相手の太ももを刺し回してから抜き、一旦怯ませる。これが効いたのか、グロックを離していた。そこで首を狙うが、腕を掴まれた。

M9で反撃しようとすると、スライドを掴まれた。


だんだんと右手に加わる力が大きくなっており、思うように動かせない。


ビキ


俺の腕から変な音がした。うまく力が入らない。まさか折られた?片手で折れるものなのか?流石に腕が小さいからと言えど、簡単に折れるのか?クソ!理解した瞬間右腕が痛くなってきた。


エリートボスは俺の腕が折れたことを理解すると、M9握りながら、俺を蹴り、俺の手からM9を奪いM9を俺に向けた。


なるほどね。強すぎる。俺の体格が勝っていたなら、勝っていたかもしれないが、この体じゃ不可能だ。まあ変えようとは思わないけど。はぁゲームオーバーか・・・


流石にこの状況が変わることはないと思い、静かに目を瞑りエリートボスが引き金を引くのを待つ。


銃声が鳴り、俺は死んだのかと思い目を開けてみる。しかしそこは俺が目を瞑る前と同じ光景だった。いや、たった一つ違う所があった。エリートボスが頭を撃たれて死んでいた。


「大丈夫か?ルーキー」


そう言って、手を差し出してきたのは、親友であった。


「よくもまぁきれいにキルパクしてくれたなぁ」


「すまんって、でも俺が殺らなかったら、お前死んでたじゃん」


「まぁそこは感謝するよ。でもドロップ品はもらうよ?」


「いいさ、約束だしな」


「というかよくモク貫き出来たな」


「ああ、モクがなくなっていたからな」


「すぐに消えるもんだったんだなあれ」


折れた腕を包帯で固定して少しでも使えるようになってから、左手で起こしてもらった。


「モク貫きしてくる原因はこれだったのか」


エリートボスの死体を見てみると、複眼暗視装置をつけており、おそらくこれで煙の中を見れていたのだろう。


エリートボスがドロップしたのは、鎧、ミニミ、グロック17、ゲーム内通貨、それと技術指南書であった。確か、この技術指南書を使うことによって、スキルを得られるんだっけ?しかも、スキルを得られるやつには、技術パッチ、技術フロッピーディスク、技術指南書とレベルがあって、技術指南書が一番レベルが高い。そして、たまにだが2つスキルを得られることもあるそう。


得られるのは、強力で物によっては、敵陣地を一瞬で占領できるのだとか。


「おお、そいつが出たか。運が良かったな。俺でさえまだそれを使ってことがないのに」


「ごめんね〜。まぁとりあえず使ってみるか」


技術指南書の中身は完全ランダム。俺の強運を見せてやるぜ。


技術指南書を開け、スキルを獲得する。


アルティメットスキル『重量無視』とユニークスキル『消音』を獲得しました。


アルティメットスキルにしてはなんかダサい感じだな。しかし、低確率の2つスキルが出てくるとはやはり運を持ってるな。とりあえず説明を見るか。


アルティメットスキル『重力無視』の説明欄を開きます。


・所持アイテムの制限がなくなる。

・所持アイテムの重力の影響を受けない。


まぁ一応バランスは保ってると思うけど、これが落下ダメージ無効とこだったら、チートだよな。でも確か、アイテムボックスは死亡したときに三割はロスするんじゃなかったっけ?だったらうまくなってない今は、使う必要はないな。


ユニークスキル『消音』の説明欄を開きます。


・自分の足音が相手に聞こえなくなる。

・金属音がしない行動なら音がしない。


これは普通に有能だな。金属音だからリロードとかチャンバー確認は音が出るってことか。まあこれで隠密行動ができるようになったぜ。


とりあえず重力無視を使って、エリートボスの鎧とミニミとグロック17をアイテムボックスに入れる。


「あとはここの占拠報酬が出ると思うけど…おっ出た出た」


親友が探していた占拠報酬が出現した。占領報酬はゲーム内通貨と1倍ホロサイトであった。


「おお!ホロサイトじゃないか。良かったな」


「いや、いらんからあげる」


「え?ホロサイトだよ。見やすくなるんだよ?」


「だって、電気機械だから濡れたら使えないし、ホロサイトがそもそも好きじゃない」


「そっか…じゃあもらっておくよ」


ホロサイトを親友に渡しておいて、次に何をするか考える。


「次はどこ行こうか?」


「何言ってんの?腕が折れてて、どうやって撃つんだよ」


「あー左手で撃てばいいよ」


「それに、もう時間だよ」


親友がゲーム内にある時計を見せて来る。


「げぇ、もう六時かよ…診療所行ってからログアウトするか」


「そうだな」


占領が完了しているので、こちらはこっち陣営のフィールドとなった。自分の陣地内ならテレポートが可能なので、本拠地にある診療所へ行く。


診療所に入ってすぐに腕が治り、無事に動かせるようになった。


「…よし、問題なし」


「よしじゃあ、さっき言った通り、ログアウトするぞ」


「…はーい」


そう言って、ログアウトを完了させる。


…ログアウト完了


文字が出てきて、頭に被っていたゴーグルを離す。


「ふぅー。なかなか面白かったよ」


「そうか、じゃあ今度から君は廃人だ」


「まだ、廃人じゃないよ。それに学生だし」


「まだっていう単語がある時点でだめなんだよな…とりあえず、俺は帰るよ」


「ああ、じゃあな」


親友が帰るのを見送って、俺は部屋に戻る。


さて、明日は休みだがどうしようか?このままゲームをするのもありだし、今日は辞めるのもありだしなぁ〜


そう思っていると、俺の腹が鳴った。どうやら俺の体は腹が空いているらしい。


しょうがない。飯にして今日は辞めるか。


ご飯を食べて、お風呂に入りそのまま明日へと突入した。


一万文字いったので、出しておきます。一応連載ですが、次に投稿できる目処が立っておりません!!まぁまた一万文字いったら出すんでよろしくおねがいします。

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