表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最弱のニート様 敵は異世界最強の勇者様? 俺 死亡フラグ回避するために棚ぼた勇者めざします!  作者: 風まかせ三十郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/59

第24話 賢者資格 それは人生の枯れ尾花

 俺は今、悩んでいた。


 実はひと月前、賢者資格(スキル)を取得するために試験受けたんだけど。

 頭と手首足首に電極付けて、いつものように牝牛ちゃん相手に搾乳して、脳波と心電図計ったんだけど。

 人間の女の子そっくりの巨乳を揉みしだいてるにも拘わらず、脳波にも心音にも乱れは確認できず。


「これは凄い! 若干二十歳の若者が」


 この結果には、さすがの試験官も驚いていたね。

 で、めでたく賢者資格(スキル)認定されたんだけど。

 

 おい、〇上。俺はおまえに言いたいよ。

 おまえ、転生したとき、スキルをいくつももらったろ?

 挙句の果てに賢者スキルって。

 はっきり言って贅沢!

 俺なんかなぁ、転生ふた月目でようやく賢者資格ひとつだよ。

 三〇、俺はおまえに声を大にして言いたい!

 スキルっていうのはなぁ、地道にひとつひとつ積み重ねていくもんなんだ。

 時間かけて、勉強して、試験受けて、合格して、ようやく花開くものなんだよ。

 いいな、忘れるんじぁねえぞ!


 で、俺は取得した賢者IDカードをニヤニヤしながら眺めていたんだけど。

 そこで気付いちまったんだ。


 賢者資格(スキル)って、いったい何に使えばいいんだ?


 役所で訊いたら、映倫って知ってる? 映画を倫理規定に従って検閲する組織なんだけど、そこのポルノ映画部門に若干の需要があるそうだ。

 エッチな映画を検閲するのに、いちいち興奮しちゃいられねえ。ってことなんだけど。まあ、それは牧場の仕事に飽きたら考えるとして。


 そこで俺は閃いた!

 サキュバス退治だ!

 これこそ真の賢者への登竜門!


 サキュバスって、男にエッチな攻撃しかけて生気を吸い取る魔生物なんだけど。

 賢者資格さえあれば、そんな攻撃に臆することなく、サキュバスを仕留めることができるはず。

 

 俺はさっそく町の武器屋に出かけたね。


 まあ、行ってみてわかったんだけど。

 武器って高いよねえ。

 俺の予算二万円。

 壁に掛かった武器やガラスケースに入った武器は総じて数十万はする代物だ。

 中には一千万、二千万なんてのもある。

 まあ、それら高価な武器は銃把や柄に宝石を象嵌(ぞうがん)した装飾用、つまり実用性のない飾り物らしいんだけど。

 

 店のオヤジが、「予算は?」と訊くので、「二万円」って言ったら、「う~ん、二万円ねえ」と難しい顔して、いったん店の奥へ引っ込むと、二本のダガーナイフを持ってきた。


「う~ん、その予算だと、まあ、こんなもんかねえ」

「それ、いくらです?」

「大きい方が二万円。小さい方が一万五千円。大きい方は型落ち(アウトレッド)だから、その値段なんだ」

「じゃあ、一万五千円の方」

「おにいさん、それ、いったい何に使う気?」

「その、サキュバス退治に」

「おにいさん、それ、日用品だよ。そこいら辺のホームセンターで売ってる刃物と同じだよ」

「えっ、だってここ武器屋でしょ?」

「まあ、ぎり、硫酸アリや塩酸グモや硝酸コオロギくらいは倒せる代物だけど」

「あの、南蛮モグラ倒せます?」

「ああ、倒せるよ。やつの長く鋭い爪の一撃をかわしさえすれば」

「ええ! 南蛮モグラって実在するんですか!」

「いるよ。なんだ、にいさん、知らなかったのかい?」

「……」


 南蛮モグラって、ジイサンの想像上の魔生物だと思っていたが。


 店のオヤジがガラスケースの一角を指し示した。


「まあ、悪いことは言わないから。サキュバス相手なら、最低でも、そこの三十万クラスの物を勧めるよ」


 さすがにこの小さなダガーナイフじゃ勝てねえか。


「じゃあ、二万円ので」

「う~ん、お客さん。お金をケチると命が危ないよ」


 オヤジが心配そうに呟いた。


 店の外へ出るとモフモフが駈け寄ってきた。

 街中では人間形態でいることが多いのだが、今日は十代前半くらいの少年の恰好してやがる。


「ご主人様、どうでした? なんかいい武器買えました?」


 俺は立ち止まって、少年形態(ショタ)のモフモフを睨み付けた。


「その前にだ。おまえ、なんでそんな恰好してる?」

「ええ、いけませんか? この格好」

「前にも言ったろ? 俺の前では美少女一択。それ以外の人間形態は認めねえって」

「でもおねえさま方には受けるんですよ、この格好。ショタっていうらしいんですけど。ぼくも満更じゃないなって」


 あの野郎、テへへ……、なんて照れ笑い浮かべやがった。

 てめぇー、気持ち悪ぃんだよ! 


「いいか、もう一度言っておく。俺の前では美少女一択。しかも年齢は十四歳から十八歳までだ。わかったな?」

「ええ、それって極端に範囲(ピンポイント)が狭くありません? そんなことじゃ一生、女性の真の魅力に目覚めることはありませ……」


 俺はショタモフモフの胸倉を掴んだ。そのときの俺の目は怒りのせいで血走っていたはずだ。


「てめえ、童貞モフモフのくせに、なかなか素晴らしいご高説垂れるじゃねえか?」

「いえ、だから、これはぼくが言ったんじゃなくて、世の妙齢の御婦人方の意見を代弁しているだけで」


 俺はショタモフモフを突き倒した。


「痛っ、なにするんですか! このか弱いぼくに」

「いいか、おまえの人生における選択肢は二つだ。美少女モフモフになるか、それともただのモフモフになるかだ。さあ、さっさと選択しろ」


 ショタモフモフは半べそを掻きながらポンと弾けて、美少女モフモフに変身した。


 まっ、これならいいか。


 俺はその足で職安へ急いだ。

 求職ではなく、特殊能力者登録するためだ。

 受付で対応してくれたのが、転生手当てのことを教えてくれた、あのオヤジだった。

 向こうも俺のこと覚えてたらしく、


「そうか、今は牧場で働いてるのか。よかったねえ」と言ってくれた。


「で、今日の用事は?」

「技能資格取ったんで、特殊能力者登録したいんですけど」


 俺は賢者資格のIDカードを提示した。

 受付のオヤジ、少し驚いたようだ。


「賢者資格かぁ、その歳で珍しいね」


 賢者に求人があるかどうかはわからない。

 それが本職になるか、アルバイトになるか、それとも一銭にもならないか。

 その答えはこれから向かうサキュバスの洞窟の中にある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ