表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼と彼女と4つの季節  作者: 井上まどか
秋のストーリー
15/15

消えない想い

「…あのね。私、昔からずっと一郎の事が好きだったの。今の主人よりもずっと…好きで、今でも大好きでどうしようもないの」


「…え?」


千晶からの唐突な告白に思わず息を呑んだ。


だけど、これは女の勘なのだろう。

学生時代から何となくそうなのではないかと思っていたので(やっぱりそうだったんだ…)と、妙に納得した。


「ふふふ。驚いたでしょう?」

千晶は照れを隠すかのように目の前のグラスのお水を一口飲んだ。


「う…うん。それで?」

香澄はそれだけ言うと、千晶の次の言葉を待った。


「呆れちゃうわよね。もう学生時代の私たちじゃないし、私も一郎もお互いに別の人とつきあって結婚しているし、そもそも一郎は私のことなんて何とも思っていないのに。今も一郎の事が大好きだなんてね」


「一郎は… 千晶の気持ち、知ってるの?」


「うん。知ってるわよ。もう何度も告白したし、実は…一郎の誕生日の時も告白したもの。不倫でもいいから男と女として付き合いたいって…」


「…え?

…そうだったんだ…」


香澄は小さなため息をついた。

不倫でもいいから付き合いたいと、素直に言える千晶の事が少し羨ましいとさえ思った。


もしも、香澄に千晶のような勇気があったなら、今頃自分と一郎の仲はどうなっていたんだろうと思いを巡らした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ