表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

ゲシュター

「あ…鎧粉々にしちゃった。もしかしてやばい?」


お姉さんがはっとしたようにコクコク頷く。


「やっぱり?じゃあ直すからちょっと離れてて?」


するとセリンが近づいてきて、


「これくらい私がやるわよ。ってか魔道士になってないあなたがこれ以上魔法使うとめんどくさくなるのよ。」


この言葉にベネツがガバッと顔を上げた。


「そ、そうだ!何故お前は魔法を使えるんだ……実は初心者じゃなくて魔道士だったとか…そうだ!それなら俺が負けたことにも納得いく!お前そうなんだろ?なぁ?」


必死にそうなんだろ?と問い詰めてくる。


「ベネツさん!落ち着いてください。サタンさんが初心者であることは確認済みですよ」


お姉さんがそう言うと


「そ、そんなわけ…じゃあなんで魔法が使えるんだよ…あ、お前、ゲシュターだろ?ゲシュターなんだろ?」


すると、セリンが

「ゲシュターって何よ。種族の名前?」


ゲシュターか、古代語で言うと……まさか、ありえないか。


「ゲシュターとは人間にしてはありえない量の魔力を持ち、魔道士でなくとも魔法が使えます。各ギルドでもその戦力を重宝し、うちのギルドにも3人います。他の人間とは圧倒的な差がある稀にいる人間です。」


んー、なんか怪しいな…そんな人間が生まれることがあるか?


するとエルがこっそりと、


『サタン様、ゲシュターとは古代語で…』


エルの言葉を遮り僕が言う。


『分かってるよエル、それ以上言わないで。僕は人間を、魔族をを疑いたくない。』


『しかし…いえ、申し訳ございませんでした。ですがこの事は頭の隅に置いておいておいてください。』


エルも気づいてるのか…


『うん。わかってる。』


僕とエルがぼそぼそと小さな声で会話してると


「何よ2人だけでコソコソと私にも教えなさいよ。」

セリンが不機嫌そうに言う。


「何ってそりゃ男同士のふかぁーい話だけど?」


今ここでセリンに言うのはあまり得策じゃないかな。


セリンが危険になるかもしれない。


正直目を封印されているセリンは強くないからね。


「何よそれ。まぁいいわよ。」



するとさっきまでのお姉さんが優しい顔つきの美人なおっぱi…(ッとミスった…)お姉さんに変わっていた。


するとベネツが顔を真っ赤にしてデレデレニヤニヤしながら


「おぉ、リムルさん。久しぶりですねぇ。ますます綺麗になりましたか?久しぶりにメシでも…」


リムルはベネツに微笑み返して


「それはまた今度にしましょうかベネツさん」


「もちろんっすよ!いつでも!」


ベネツをあしらうのがお上手なことで


「さっき受付の子からゲシュターの疑惑がある子がいるって聞いたんだけど…」


「あっそれ僕かな?」


「あなたですか…少々芯が細いですがお強いですね。」


にっこりと笑って僕を見定めるように見つめてくる。


しかも、見ただけで分かるのか…ベネツよりはやりそうだな。


「やっぱり?わかる?」


にっこり笑って


「はい。もちろん」

と答えるリムル。


「それでは今からあなたの魔力測定をさせて頂きますね。お名前は?さっきの受付の子教えてくれなくてね。」


まぁ言いにくい名前ではあるね。


「サタン」


そして一瞬訝しげな顔をしたがさっきのお姉さんとは格が違うね。


「教会に怒られても知りませんよ?」


とクスクス笑っている。


「で、魔力測定って何やるの?」


魔力が測定できるようになるなんて人間界は進歩してるみたいだ。


「はい。この水晶に手を当ててくださいすると数値が浮かび上がります」


平均ってどれ位なんだろう?


僕がそっと水晶に、手を当てる。高くなりすぎませんようにと願いを込めて。


そしてそこに浮かび上がった数字は


‘329’


それは高いんだろうか…

お願いだから面倒さいことにならないでくれ…


「うーん、正常値ですね。サタンくんはゲシュターの可能性はないでしょう。」


はー良かった。チラリとセリンの方を見ると

セリンがパチッとウインクした。


セリンがなにかしてくれたらしい。いい部下を持ったなぁ


で、


『リムルさんだっけ?ゲシュターについて何か知ってる?』


僕がコソッとリムルに言う。


するとその返答は微笑みで返ってきた。


そして僕も笑い返す。


これは何か知ってるな…


「ねぇ。サタンこの鎧直すわよね?」


するとリムルが目を見開く


「さ、サタンくんもしかしてこの鎧あなたがやったの?」


リムルが顔を赤くし、わなわなと震え始めた。

これ怒られるかな?


「そーなんだけど、ね?ベネツに壊していいよって言われたから壊しただけで…悪気があったわけではないんだけど…」


するとリムルがサタンにガバッと抱きついた。


「なっ!」セリンが驚き、


無言でエルが引き剥がそうとしたが僕は止めて、


「どーしたの?リムルさん。僕に惚れちゃった?」


精一杯の笑顔でリムルに笑いかける。


リムルは顔をバッとあげ、


「ええ…もちろん!あなたは、私の“DESTINY”運命の人よ!」


僕にまさる満面の笑みでリンが言う。






「「「は?」」」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ