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勇者試練

「え?」

とセリン。


「ちょっと待ちなさいよ、初心者だからって手加減してるの?鎧に傷をつけるのなんて私でもできるわ。それにこのおじさんもそこまで強くなさそうだし。」

ありえないと言ったようすでセリンが言う。


「なんだ?ねーちゃん、喧嘩売ってんのか?」

コツコツとベネツがセリンに近ずいていく。


ずりずりと後ずさりながら

「そーじゃないわよ。あんたもこいつの強さ見たら自分なんかってなるわよ。」


ベネツは一瞬怪訝そうな顔を見せたが、すぐにニヤッと笑って

「じゃあねーちゃんよ、俺があいつに勝ったら何でもしてくれるって約束しようぜ。あいつがそんなに強いって言うならもちろんいいよな?」


「いいわよ。もしあんたが負けたらサタンに土下座することね。弱くてごめんなさいって。」


「セリンもういい?」


「いいわよ。こんなやつ早く打ちのめしてやってよ。」


セリンの眉間にシワがよっている。よっぽどムカついたらしい。




「ってかセリンの言う通りだよおねーさん。さっき試練難しいって言ってたじゃん」


お姉さんがこいつもうやだという風に溜息をつき、

「いえ。この試練は難しいですよ。この鎧は3000年前に100人の鍛冶屋が100年かけて作った最上級魔道具でありこの国の宝、国宝です。それに、ベネツさんも元国王親衛隊隊長だったんですよ?」


なるほど。見たところまあまあの付与魔法がかけられてるみたいおっさんもそれなりの地位だったらしい。


「ふーん。でもほんとにいいの?国宝なんでしょ?ぼく粉々にするかもよ」



ベネツの怒鳴り声が響いた。


「おいぼうず!ヒョロっちい体して頼もしい事言ってくれんじゃねぇか。所詮顔だけのくせに周りにはやし立てられていい気になっちまったか?この鎧はな、あの伝説の勇者ユリンでさえちょっとしか傷をつけれなかったんだよ!俺も、勇者ユリンと並ぶくらいの腕なんだぞ。まぁあの勇者は最後は魔族に取り憑かれ狂っちまったが、それでもお前みたいな小僧が傷なんか…ましてや粉々になんて出来るわけねぇだろ!舐めてんしゃねぇぞ!」

やけに怒りながら怒鳴ってくるベネツ。


「ちょっ…ベネツさん落ち着いてください…」

とお姉さんがなだめる。今この状況で1番可哀想な人はお姉さんだね。


勇者ユリンか、いたね。

確かにユリンは強かった僕が見た人間の中で1番だった。あいつが魔界に来た時に、ソロモン72柱の中の30体があいつに殺されかけてたな。


「でも、そんな事言われても僕強いから…」


「あの、」

珍しく僕の言葉を遮るようにエルが口を開いた。


「少々黙っていただけますか。これ以上我が君を罵倒するのは許しません。その喉元を裂かれたくなかったら今すぐ土下座して謝って下さい。許していただけなければこの世から消えてください。私が手伝ってさし上げましょう。 それに、ユリンがそんな鎧ごときを粉々にできなかったと?どうせあのお人好しのことだ、国宝を粉々にするのは申し訳ないとでも考えたのでしょう。何より、あなたごときがユリンと同等だったと?あいつは仲間に本気を出すやつでもない。ユリンを見誤るな。あなたごときがユリンを語らないで頂きたい。」


いつもの丁寧な口調が少し乱れるほどキレてるみたい。


「わーお。この冷徹イケメン野郎もキレることなんてあるのね」

エルの罵倒っぷりにセリンも驚いてる。


そう、ユリンとエルも戦って、まぁギリギリエルが勝ったらしいけどお互いに敬意を示す強さだとか言って仲良くなってたな。エルの友達はユリンしかいないと思う。


「あ?なんだと?お前ら揃いも揃って舐めてんじゃねーぞ!我が君だと?それは、なにごっこしてるんだ?あ?お前が勇者ユリンとどんな関係か知らねーけどな、所詮お前らは初心者、Lv,1だろ?あんま調子乗ってると叩き潰すぞ!」


んー。ギルドマスターなのになんでこんな三下っぽいセリフ吐くんだか。


「あーはいはい。ごめんなさい。僕達が悪かったです。試練だけ受けてさっさと帰ります。」


もうめんどくさいから早くして…


「はぁでは、試練を始めます」

やっとかと言うようにお姉さんが言う。


「改めて、試験合格内容はベネツさんが着ている鎧に傷をつけることです。」


「ん、りょーかい。」

お姉さんが僕に剣を差し出す。

「サタンさんはこの剣を使ってください。」

何だこの剣。僕があとちょっとでも力入れたらぶっ壊れちゃうよ。

「僕これいらないや。はい、返すね。」


剣を受け取りながら

「はい?ではどうやって」

目を見開きながら言う。


「まぁまぁ見ててよ」


?がいっぱいの顔をしたお姉さんがすっと手を前に出し

「で、では…初め!」


「おうボウズ!その自慢の腕っぷしでかかってこいよ!」


それでもサタンはひょうひょうとした顔で動かない。


「どうした?ビビっちまったか?あ?」

ニヤニヤとうざったい顔を向けてくる。


「…いよ」

サタンが手を上げ振り下ろす。


「あ?なんだよビビりすぎて声も出なくなったか?手を振り下ろしても俺に当たらなきゃ意味ねぇよ!」


「所詮こんなもんk…ガハァッ!ゥウ!」

突然ゴォン!とベネツが吹っ飛んだ。



「うるさいよって言ったのおっさん。あんまり三下っぽいセリフ吐かないほうがいいよ。かっこ悪い。」


しかし鎧には傷一つ付いていない。


「まぁまぁの硬さだね。」


「うぅ…何をした!この俺がそんな簡単に吹き飛ぶわけ…何を隠し持ってるんだ卑怯だぞ!」


「だからぁ」


サタンがヒュッとベネツの前に現れる。


「そのセリフも三下っぽいってば!」


そしてベネツの鎧をガっと掴む。


「ヒィ!」ビクッとベネツが怯える。

「や、やめろ。離せ…離してください…」


「《震源創造》」ぼそっとサタンが言う。


「ま、魔法?」


バキィィン!


鎧が粉々になる。もちろんおっさんの体は粉々じゃないけど。


「どう?僕強いでしょ?」


「そんな…バカな…ありえない何故お前が魔法を使えるんだ。魔道士でもないのに…それにお前は勇者ユリンよりも強いというのか…」


「ユリンも強いけどね…せいぜい僕の足元に及ぶくらいかな」

ニコっと笑ってありえないセリフを吐くサタンにもう声も出ないベネツ。


そして

「サ、サタンさん勇者試練ご、合格です!」

お姉さんが慌てて言う。


「この化け物が…!」


化け物か、あながち間違いじゃないね。


コツコツとエルがちかずいてきて、


「さすが我が君です。それとあなた、我が君に謝ってください。今すぐに。あと、ユリンと我が君を比べているのも誤りだ。我が君は我々とは桁が違う。」


そして大人しくベネツは土下座したのだった。



何故か気づいたらギルドマスターが三下になっていた…

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