~職業選び~
ここは人間界。
転移魔法を使って人間界の中心王都に着いた。
そこまでは良かったんだけど。。。
「なんで私まで人間界に来ないといけないのよ!あなたが行くだけならまだしも!だいたいあなたはいつもっ」
セリンがめっちゃ怒ってる。
セリンはついてきたかったかと思ったのに…
「ごめんってそんなに嫌なら帰る?」
帰って欲しくはないけどそんなに嫌ならね。
すると、セリンがさらにムスッとし、眉根を上げ、後ろを向いて言った。
「帰らないわよ!一応わたしもあなたに仕えてるんだから仰せのままによ!仰せのままに!しょうがないからあなたを護衛するわ!」
うん。一応仕えてんのね。一応。まぁ、僕に護衛なんて必要ないんだけど一緒に来てくれるならいっか。
ちなみに、
今はみんな変身魔法を使って人間の姿になってる。
人間と悪魔の違いは見た目と魔力量だけだからね。
見た目さえ変えちゃえばバレないって言うわけ。
そして僕達はギルドに向かった。
扉をギーっと開くと見るからに脆弱そうな人間で賑わってる。
すると人間がこっちを見てざわつき始めた。
「うっわぁめっちゃあの子可愛くね?」
「あのクールそうな黒い人かっこよくない?」
「私は、隣の金髪かな?」
「どっちもイケメンすぎ!」
「何よ、このたくさんの人間は、鬱陶しいわね。」とセリン。
「そんなこと言ってやるなよ、ほら!あそこに可愛い子!」
セリンがムッとし、「何よ大したことないわ」という。
「いらっしゃい。新規の冒険者ですね。まずはこの一覧から職業をお選びください。」
受付のお姉さんが一覧を渡す。
すると後ろから女の子達が近づいてきて
「お兄さん達カッコイイですね。この後時間あったり…」
ガシッ
エルが女の子の腕をつかみ「あまり気軽にお近づきにならないよう。」と冷たく言い放った。
女の子はビクッとし申し訳ありませんと引き下がる。
「気にしないでね。エルは誰にでもこんな感じだから。」
でも、人間界にもビッチはいるもんなのか少し残念
あれだな、清楚系ビッチ。
「さっさと職業決めましょ。」と
セリンがまだ機嫌悪そうに言った。
「じゃあ、私は何にしようかしら…んー。この魔道士ってやつでいいわ。」
あれ?セリンって元々魔法使えるよね?
「え?セリン元々魔法使えr…」「ダメっ!」
セリンが慌てて僕の口を塞ぐ
『 普通の人間はは魔道士にならないと魔法を使えないのよ!』
なるほどね。人間は不便な種族だな。
「あー魔道士ね!いいんじゃない?いいよ!いいよそれで!」
慌てて僕が言う。
「じゃあ次はエルが決める番じゃないかしら?」
エルはしばらく悩んだ末
「お選びください」と僕に言う。
「いやいやそんなの自分で選びなさいよ。」
「いえ。この方の考えに従うことが私の全てですので。」
「この主バカ。頭硬すぎんのよ。」
と2人が珍しく話している。
「じゃあエル?この…剣士ってのでいい?」
エル確かちょっとだけ剣使えた気がするんだよね。いや、あれは使えてるんじゃなくて振り回してるだけだったっけ?まぁいいや。
「かしこまりました。」
「ほんとに言われたとおりにするのね」
呆れ顔をしてセリンが言う。
「次はあなたの番かしら」
そりゃあ僕はもちろん…
「勇者でお願いできる?」
「えっと…あの…その…勇者ですか…?」
「なんかダメだった?僕強いけど。」
「いえ!もちろんよろしいのですが勇者だけ、なるためには試験が必要なんです…その試験の内容が…あまりにも難しいので勇者希望の方々は剣士などで鍛錬をしてから転職して勇者になる場合が多いのであなたのようにはじめての方には厳しいかと…」
なるほどねその試験は初心者には無理だってことね。
「ふーん。じゃ その試験受けるね。おねーさん」
お姉さんは目を見開いてなんじゃこいつと言わんばかりに僕を見る。
「あの私の話…」
「聞いてた!聞いてたよ!でも僕強いから行けるかなって思ってさ」
「あの…こいつほんとに強いので大丈夫ですよ」
セリンが口を開く
「では、お名前を教えてください。」
「サタン」
「は?」
「だから、サタン」
「は?」
「え?聞き取れない?サーターンー!」
「ふざけてますか?」
「いや?大真面目だよ?」
「そんな、あの魔王の名を語るなどそんな不躾なことすると協会側になんと言われるか…」
あーなるほどね。でもサタン以外の名前を名乗る気もないし…
「そんなの知らないよ。文句なら僕のお母さんに行ってよ」
「もうどうなっても知りませんからね」
ぶつぶつと文句を言いながら紙にサタンと書いたあと、
「では……今から試験会場に移ります。付き添いの皆様もいて頂いて構いませんよ。」
そしてギルドの裏側に行った。
「こんな所があるのね。」
「ここには勇者希望の方しか来ないのであまり知られていません。」
そしてそこにはやけにがたいのいいおじさんがいた。
すると、
「この方はギルドマスターのベネツさんです。この方は…」
とお姉さんの言葉を遮り
「やぁボウズ!お前ド初心者なんだって?舐めてると痛い目見るぜ?今からでも遅くねぇよやめときな!」
とベネツがハハハハと笑う。
おねえさんは呆れた顔をし、
「試験の内容を説明します。この試験の合格基準は………ベネツさんと戦い、今からベネツさんが着る鎧に傷をつけてください。どんな小さな傷でも構いません。」
「え?」
さて、かませ鎧の登場か?