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どうやら、やはりスンナリとは行かないらしい

 途中から、アンリ(転生者)側思考を書き連ねた部分があります。

 かなり自分勝手かつ、ご都合主義的思考のため不快に思われる方もいると思いますが、ご容赦下さいますようお願い致します。

「すみません、真偽官殿。発言をいくつかお許し願えますか? それと、彼と対話をする許可を頂けますよう、お願い致します」

「あなたは……? ……っ、失礼致しました。発言と対話をを許可します」

「許可を頂きありがとうございます。まずはこの場に居る方々にはご存知無い方もいらっしゃるでしょうから自己紹介を……。私は教会において治癒師認証の儀の担当をしておりますオレリアと申します。私は教会における彼女の、フェリシーの事を見知っております」


 今発言を求めた女性は、どうやら教会の人間であるらしい。しかもフェリシーの事を知っていると言う。

 彼女が発言を求めて立ち上がった瞬間にその豊かな胸がブルン! と揺れて、思わずその場の男性陣の視線を釘付けにしていた。それは場の中心に立たされているアンリも、ロラン達も例外では無い。そして、当然の如くブサはガン見である。

 ヴィルジールはさり気なく揺れる胸から視線を逸らしていた。非常に紳士的な態度だ。他の男共は見習って欲しい。


 そんな男性陣の反応を不快に思った訳では無いだろうが、女性が立ち上がった時は眉をしかめていたフェリシーだが、思い当たる人物がいなかったらしくその時は大人しくしていた。だが、ふとした拍子に思い出したらしく、女性の発言を止めようと突然激しく暴れだした。止めるとは言っても、立っている階層が違うのだから、どうにかして上に行かないと不可能な芸当だが。

 その暴れる様は、フェリシーの弁護をしようとしていたアンリも思わず息を呑む程の激しさだった。

 だが、オレリアと名乗る女性は全くフェリシーの事を意に介さず、冷静に暴れる様子を眺めながらアンリに質問を投げ掛ける。それは眺めるというよりも、どちらかというとフェリシーの反応を観察しているようにも見えた。


「アンリさん。あなたがフェリシーから聞いている教会の実情は、実際に協会に所属している私共が見知っている内容とは全く異なる内容のようですね? 改めて彼女からどのように聞いているのか、私にお聞かせ願えますか?」


 自身の思う『悪』である教会側の人間のオレリアの白々しい言葉に眉をしかめながらも、今まで隠蔽されてきた悪行(・・)を明らかにするいい機会だと思い、意気揚々とこれまでにフェリシーから聞いていた事実を話し出す。自身が語る真実(・・)こそが自分達とフェリシーを救うのだと確信して。

 確かにそれは真実だったのだろう。少なくともフェリシーにとっては。


 だが、彼の語る言葉が全員の耳に入る内に、次々とその場にいる人間達からは失笑が漏れ出す。その内容があまりにも突拍子も無く、フェリシーにとって都合の良い内容ばかりだからだ。

 思いもしていなかった周囲の反応に、不審そうにキョロキョロと周囲の人間の反応や表情を窺う。だが、どの方向を向いてもその顔に浮かんでいるのは失笑や呆れ、哀れみの表情ばかりで、誰も自分に賛同する者はいない。

 自分は真実を語っているのに、と思わずうろたえる。


 ここは自分の言葉に賛同して、皆が教会の悪行に怒りの声を上げる所の筈だ。そして自分は自身が罪を被せられる危険もあったのも顧みず、真実を明らかにした英雄として称えられる筈だ。そして、それを見た仲間やフェリシーはますます自分を尊敬し、英雄(じぶん)に愛を捧げるのだ……それなのに、何故こんな目で見られているのか。


 想像とは全く違っていた反応に救いを求めてフェリシーを見る。きっとフェリシーは自分を信じてくれている。悪に立ち向かう自分を応援し、励ましてくれる筈だ……と思ってそちらを見るが、フェリシーと目が合った瞬間、呼吸する事すら一時忘れる。

 フェリシーが自分(アンリ)を見る目が余りにも憎々しげであったからだ。アンリは今まで、一度としてフェリシーからそんな目を向けられた事は無い。

 フェリシーからは常に優しい言葉を掛けられて来ていた。

 アンリは自分を絶望と苦悩から救ってくれた『英雄』だと。『英雄』として人々を救うのはとても素晴らしい事だと、そんなアンリと共にいられるのは自分にとってこの上無い幸運である、と。他にも色々と。

 そして、フェリシーが自身に向ける目はいつも愛情に満ちていて、その口から零れる言葉はいずれも自分を称える言葉ばかりだった。そんなフェリシーの存在を、アンリはとても心地良いものに感じていた。


 そして、ますます自分は特別な、選ばれた存在なのだと思い込む。

 


 * * * * * * * * * * 



 転生してから常に自分を特別な存在だと思っていたアンリは……というよりも、アンリとして転生した人格は、前世で良く読んでいた小説の主人公にぴったりと当てはまる自分の境遇に完全に酔っていた。それは転生した直後からの事だ。

 

 最初のきっかけは高熱で死にそうになってから生き延び、同時に前世の記憶を思い出したという如何にもテンプレ通りの目覚めであった事。そして、目覚めた自分のそばには『アンリ』の幼馴染だという美少女のセリアがいた。まさしくテンプレだ。

 そして体調が戻った後、少し棒を剣に見立てて振り回せばそれは自身の思い通りに動き、一度も剣など使った事など無いのにも関わらず、子供同士のチャンバラでは村の子供達は誰一人相手にならなかった。

 神から技能を貰っているから当然なのだが、まだ当時は完全には信じ切ってはいなかった。それが子供達とのチャンバラで敵無しだった事から、少しずつアンリの(ゆが)みは大きくなる。


 自分より弱い大人や親の言う事は全て戯言と流し、自身に敵はいないと嘯き――もっとも、村の近くの獣や魔獣を倒す事は出来ていた辺り、村の周囲においてはその通りであった為、完全な嘘では無いのだが――村にいる間は未来の英雄として振舞い続けた。自分の強さがあれば村ではさぞやモテモテだろうと、気になった()には声を掛け、自分に話し掛けやすいように視界に入るようにしていた。

 村には一人物凄く自分好みの女性がいた。彼女は人妻ではあったのだが諦めきれず、ゲームや小説を参考に色々と試してみたが、少しばかり(・・・・・)失敗してしまったようで、彼女とは気まずくなってしまった。

 仕方なく他の女の子達で我慢しようと思ったが、常に傍に居る幼馴染のセリアの存在を気にしてか、残念な事に村ではセリア以外の女の子とは親しくなれなかった。

 そうしている内に村の人間も自分の強さを認め、成人が近くなった頃には村長からはギルドに行く事を強く勧められる。これにアンリはすぐに食い付いた。


 冒険者ギルド。テンプレ中のテンプレだ。


 登録してすぐに、テンプレ通りに他の冒険者から絡まれたがアッサリと撃退し、そのギルドでは自身の強さを見せ付ける事が出来た。

 だが強すぎる事で疎まれたか、あるいは恐れられてしまったのか、周囲の反応は芳しく無かった為に仕方なく(・・・・)他の町に移動する事にする。強さを見せ付けるのも程々にしないとな、とその時は少しだけ反省した。

 だがその分、次の町ではさぞや輝かしい冒険者ライフが待っているのだと確信していた。


 村からずっと、自分の隣にはセリアが居る。主人公の幼馴染なのだから当然だ。美少女幼馴染、テンプレだ。

 そしていくつかの町のギルドを転々とし、気付けば自身の周りは幼馴染のセリアを初め、獣人のララ、エルフのアンリエット、奴隷のミシェルと美少女ばかりが集まっていた。憧れのハーレムだ! 幼馴染美少女に、天真爛漫美少女、ツンデレ美少女、無口系美少女……どんどん自分の周りには向こうから勝手に(・・・・・・・・)美少女が集まって来る。

 そして、その事も余計にアンリの勘違いを増長させる事に繋がっていった。 

 そして最後に聖女のフェリシーだ。教会に虐げられる美少女。だが、傷付く人々を憂い、必死に助けようとする健気な美少女。

 まさに、完璧なシチュエーションだった。


 彼女を教会から助け出し、教会の陰謀や汚職を白日のものとし、さらに自身の名声を高める。そうすれば誰もが自分を崇め、称えるだろう。

 そしてそれはいつしか貴族や国王の耳にも届き、国の難事件をも軽々と解決して自身の周りには貴族のお嬢様や国のお姫様までもが溢れ、こぞって自分の寵愛を求めるようになるのだ。その内に国王からも気に入られて内政チートや、軍事チートでさらなる活躍を……


 そう、なる筈だった。



* * * * * * * * * *



「……どうした? 貴殿の発言は以上だろうか?」

「……で……」

「何?」

「何でだ! 何で、オレがこんな扱いをされなきゃいけない!?「突然、何を……」……レは、オレは! 神から力を授かったんだ! 神の試練を乗り越えて! ナノに、何デオレが犯罪者みたイに!!」


 オレリアの質問に答えていた筈がいつしか話す言葉は途切れ、不審に思った真偽官が声を掛けると途端に勢い良く叫び出した。発狂してすら見える程の勢いで。


「いや。つかアレ、とち狂ってねぇかぁ?」

「……放っといて良いのかネ」

「良い訳無いだろう。だが、俺らは猊下の護衛だ。勝手な行動はするなよ?」

「したら燃やしますからね」

「しねぇってぇの!」「まだ命が惜しイ」


 隙無くヴィルジールをカバー出来る位置を確保しながら、端から見ると呑気にすら見える態度で話し合う。

 守られる側のヴィルジールはともかく、教会から護衛として付けられた護衛兵達はロラン達を真剣な目で見つめていた。

 気が散るから、護衛するならちゃんとして欲しい。かなり切実な願いだった。

 あくまでも、アンリは自分の思うテンプレ通りに動いていました。


 転生→村の英雄→ギルド登録→町の英雄→国の英雄→ハッピーエンド


 的な、RPGみたいにストーリーを進めて行くという、全ては自分が幸せになるためのシナリオ。間に起こる事は全てイベントで、最終的には必ず自分に都合の良いように動くと思っています。

 が、現実では当然そんな事も無く、色々と都合の良くない事も起こりますがその辺は全てスルー。

 そして、その結果が今現在の状況。ここでも自分の都合の良いように動くだろう、と甘く考えていたが想定外の流れに。


 そして発狂寸前←今ココ


 


 明日は猫又公開日のためお休みです。次話は23日の12時となります。


 猫又もよろしくお願い致します。なお、明日の猫又は本編1話+番外編1話の2話投稿となります。どちらもお読み頂ければ幸いです。


 この辺の話は書きながら色々汚染されそうです。ダークサイドに堕ちそう。防波堤として傍らにモフモフ写真集を置いてます。荒んだら眺める。


 ハムスターの尻は最高です。猫の口元の『 ω 』揉みたい。うさぎの鼻先に指を触れさせて、ヒクヒク動くのを堪能したい。尻尾で顔面往復ビンタされたい。犬の口元のゴムパッキン気になる。ペンギンの手触りって結構羽っぽかった……おや? 何の話をしていたんでしたっけ??

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