表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/152

どうやら、意外な繋がりがあったらしい

 ムキマッチョな女性はありなのか、無しなのか。

 程良い筋肉が一番だと思います。

「あらあら、目を合わせてくれないのね。恥ずかしがってるのかしら? 外見通りに恥ずかしがり屋さんなのねぇ。大丈夫、私は怖くないわよぉ?」


(イエ、モノスゴクコワイデス)


 一体この人物からはブサはどう見えているのだろうか。眼科に行く事をお勧めする。あと耳鼻科。この世界であれば治癒師で一発だが。ついでにアンリにも。


 謎の人物のせりふに再び恐怖を思い出したか、プルプルと震え出す。心なしか全身の毛も膨張しているようで、背中に置かれた手が先程よりも毛に埋まっている。

 その感触に謎の人物がうっとりしていた。


「あらぁ……素敵な手触りねぇ。(……マフラーにしたら気持ち良さそうね)」


(何か聞こえた! 最後に何か小声で聞こえたぁぁぁぁ!!!)


 ポソリと、小声で聞こえたセリフに戦慄(せんりつ)する。

 何気無く聞こえていたサミュエルが小さく震え出す。笑いを堪えているらしい。良く笑う男だ。また報復を受けなければ良いのだが。まぁ、この場にはお茶は無いので大丈夫だろう。

 しっかりサミュエルが笑っているのに気付いているブサだが、睨んだところでブサにどうこうされるサミュエルではない。ブサの報復が成功する確率はゼロである。


「ところでイザベルさん、頼むから部屋までにしてくれよ。今後の依頼の話とかもしないといけないんだからな」

「んもぅ! つれないねぇ……。まぁ、あたしも昔はギルド員やってたからね。仲間内での話し合いの重要さは分かってるわよ。で、も! 出来るなら夕食は早めに食べに来なさいね? 私だってあんた達と会うのは久しぶりなんだから」

「ま、まぁ、時間の都合が合うならな。確約は出来ないが……」

「……まぁ、その辺りは仕方ないわねぇ。仕事の都合もあるのを無理にとは言えないわね。それにしても、あんた達もすっかり立派になっちゃって……」


 どうやら謎の人物はイザベルと言うらしい。名前を聞く限りではやはり女性のようだが……?

 それに、ロラン達とは古い知り合いのようでもある。しみじみと呟く声に感情が篭っている。


「イザベルさん、その位にしてくれヤ。あんまり昔の事を言われるのは気恥ずかしいんだゼ……」

「あら! リュシアンってば、相変わらず可愛い反応ね!「イザベルさン!」もう、仕方ないね。部屋にも着いた事だし、私はここで失礼するわ。無理はするんじゃないよ!」

「「はい」」「うぃっス」「おぅ」

「じゃぁね。ブサちゃん、だったね。また後で」


 チュッ


 抱えられてた体が持ち上げられて、イザベルの顔を正面に捉えたかと思ったら次の瞬間、唇を奪われる事となった。

 数瞬の間を置いて、ブサの体が一気に爆発する。カッ! と見開かれた目の瞳孔が開いている。

 

 ボンッ!!!


「あら、初心ねぇ。じゃぁ、がんばんなさいよ!」

「お、おぅ。イザベルさんも……」

「あんた達に言われなくても全力よ!「いや、程々で頼む」聞こえないね!」


 硬直したままのブサをロランに渡し、ロラン達に檄を入れると立ち去る。立ち去り際にロランに突っ込まれるがさらっと受け流された。明らかに聞こえている。ちなみに突っ込んだ瞬間のロランは真顔である。


 ……そのままイザベルがドゴドゴと足音重く、恐らく食堂辺りに戻って行ったのだろう。その姿が見えなくなると同時に、ブサを除く全員が一斉に息を吐き出す。


「……あの人にも勝てねえな」

「勝てるのはテオドールさん位じゃないですか?」

「っつか、ブサ生きてるカ? 息してないように見えるガ」

「お? お、マジかぁ。おーい、生きてるかぁ?」

「…………」

「……とりあえず、部屋入るか」


 目を見開き正面を見つめたままピクリとも動かないブサ。ついでに言うなら息も止まっている。まさかのショック死か?


 ガチャ、ポイッ、ボスッ


 部屋に入るなり、ブサをベッドに投げ捨てるロラン。

 ベッドの上で鈍い音を立てて落ちた姿のまま、やはりピクリとも動かない。白目は剥いていないようだが。


「どうするヨ?」「どうすっかな」

「ブサ、何がそんなにショックだったんでしょうね?」

「いやぁ、こいつの中身おっさんだろぉ。イザベルさんにキス(・・)されたのが相当ショックだったんじゃねぇ?」


 サミュエルの口から『キス』という単語が出た瞬間だけ、ピクリとブサの体が動いた。

 だが、その後再び沈黙する。


「でしたら、ショック療法的な感じで私が……「本気でショック死するからやめてやれ」どういう意味ですか?」

「お前は自分が男にキスされて嬉しいか?「喉を掻っ切りたくなりますね」そう言う事だ」

「トドメ刺す気なら止めねぇがなぁ?」

「…………」


 イザベルに触発されたか、理解不能な事を言い出すアンリ。一体何を言っているのか。

 即座にロランに却下されて不満そうにしていたが、自分が逆の立場だったらと仮定されて即座に考えを改めたようだ。そこにすかさずサミュエルが茶々を入れる。

 そんな彼らを尻目に、遠い目をしているリュシアンには一体何があったのか。謎である。


 とりあえず、部屋で話し合うにも、どうやら意見があるらしいブサが正気を失ったままでは話にならない。

 正気付かせる手っ取り早い方法として鼻と口を塞いでみたが、最初から呼吸が止まっているので無意味であった。次の策を話し合い、結果、昨日アンリが買って来た激辛料理を口に放り込んでみる事にする。

 

「ほぉ~ら、美味い料理だぜぇ~? たぁっぷりお食べぇ~?」


 激辛料理を口に放り込もうとしているサミュエルは心の底から楽しそうである。そのために背後からブサを固定しているリュシアンも。その横でロランが溜め息を吐いていた。

 アンリはというと、何故激辛料理など買ってきてしまったのか、と頭を抱えていた。

 絶対に食べさせた後でネタばらしされる。自分(アンリ)が買って来たのだと。そうなれば自分の評価が下がってしまう……! とアンリは考えているが、下がるも何も評価自体が存在しない。

 アンリの心配は杞憂だ。杞憂と言って良いのかは分からないが。

 

 ギュムギュム


 ブサが無抵抗なのを良い事に、次々と激辛料理が口に押し込まれていく。

 最初は楽しそうにしていたサミュエルとリュシアンだが、すぐに反応の無さを面白くないと思ったらしい。淡々と詰め込む作業となっていた。段々とブサの頬が膨らんでいく。


 ピクッ……


「お?」「あン?」

「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?」


 判別不明な奇声と共に口から噴き出そうとしたブサだが、部屋を汚されて堪るかとロランの手で即座に口元を押さえ付けられ、目を反転させそうになりながらも必死に詰め込まれた料理を飲み込んでいく。その度にブサの目に浮かぶ涙の量が増えていった。


 最後の方には痙攣すら起こしながらも何とか全て飲み込んだようだ。

 それを見届けてからやっとロランの手が離れる。即座に手を拭き、拭いた布を捨てる。酷い。


「ヒ、ヒキャァ~~~~!!(あいすんあへえぇあ!!)」

「おぉ、聞いた事無い声だなぁ」

「ふしゃぁ――――!(ひょんひああんおぉいっへんあえぇ!)」

「それくらいにしとけ「あでっ!」お前もだ「づゥッ!?」はぁ……」


 どう見ても動物虐待である。色々とやらかしているとは言え、流石にやり過ぎと思ったロランがサミュエルとリュシアンに拳骨を落とすが、止めるのが遅すぎる。

 ブサも同じ事を思ったらしく、キッ! とロランを睨むがそこから意識を逸らすべく、ロランが爆弾発言を落とす。


「ちなみにイザベルさんはエステルの母親な」


(ハ……?)


 想定以上のショックだったようだ。このままでは再びフリーズしてしまうと思い、付け加える。


「養女だけどな」


(あ、あぁ~~~~!! びっくりした! びっくりした!! まさかの突然変異でも起こしたかと思ったぜ!! そうだよな! ありえねぇっての!!)


 あっさりとそちらに意識が移る辺り、こういう点では本当に扱いやすい(おとこ)である。

 と、いう事で新キャラの名前はイザベル。エステルのお母さんです。ただし養母。

 イザベルに色々仕込まれたが故に、ギルドの受付嬢をやる実力が付きました。当然、イザベルも手練です。


~本文補足?~


「ヒ、ヒキャァ~~~~!!(あいすんあへえぇあ!!)」

   訳:何すんだてめぇら!!


「ふしゃぁ――――!(ひょんひああんおぉいっへんあえぇ!)」

   訳:のん気な事言ってんじゃねぇ!



 実際、辛いものを食べると呂律が回らなくなります。そんな私はカレーの中辛がアウトです。10辛とか未知の領域。試そうとも思えません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ