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どうやら、美中年は中身もイケメンらしい

 宗教関係は適当です。わりとふわっとした感じでお送りしておりますのでご了承下さい。


 なお、後書きの内容がシモネタ入っておりますので、ご注意下さい。

「……それに関しては私達も頭を悩ませているところですね。私達人間が、神のお考えを知ろうなど恐れ多いにも程がありますし……。私個人の考えで良ければお話しする事は出来ますが……ただし、他言無用でお願いします」

「それはもちろん」

「ではお話ししますが……私は完全なる善意では無い、と考えています。もしも善意であるならば、世に己が欲望を巻き散らかすような人間を送り込むでしょうか? 確かに、この世に善き事を齎した方もいらっしゃいますが、それと同等に災いを振り撒く方もいらっしゃるんです。そして、特に後者の方は『神に力を貰った』と主張する方が多いのです。今回の()のように。今回の事も考慮に入れると、単純に『気まぐれ』あるいは『暇つぶし』と考えた方が合っているような気がします。」


 他言無用と念を押すだけあって、この世界においては異端とも思える考え方を持っていた。教会の枢機卿でありながら神への敬意以外の感想を抱くとは驚きである。

 もっとも相手は異界の神故に、信仰の対象外であるのかもしれない。


 ついでに言うと、この世界において神は絶対という訳では無い。感謝と信仰はきちんとあるが、信じるも信じないも個人の自由であるし、一般の人達だと何か良い事があった際に感謝する程度だったりする。

 ただし教会の人間や、治癒師の場合は基本的(・・・)に『水』と『癒し』の神を信仰する事を求められる。教義云々以前に、単純にその方が治癒魔法の効きが良いからなのだが。

 それでも、普通は他人の前で神を否定、あるいは疑うような事を言ったりはしない。


 もちろん、こんな事を言う相手は限られている。どうやらセヴランは、この枢機卿から話しても大丈夫と思われる程には信頼されているらしい。この場においては、何故かロラン達も。


「『気まぐれ』あるいは『暇つぶし』ですか……。まぁ、善意からでは無いというのは納得出来ないでもありませんが、釈然としないものがありますね」

「そうかぁ? 俺からしちゃぁ、逆に納得出来るがねぇ?「サミュエルっ!」んだよ、別に良いだろぉ?」

「私の事を気にしているのでしたら構いませんよ。先程も言ったように、この場での事は他言無用です。私もあなた方の言葉を他人に話す事はありませんので、思った事を言って頂けた方が助かります」

「……話の分かるお偉いさんで助かるぜぇ。まぁ、見ての通りの性格なもんでなぁ。畏まった口調ってなぁ、どうにも苦手でよぉ……。ま、それはともかくとして、だ。神さんが、善意から送って来てる訳じゃ無ぇってのは、俺も同意だなぁ。善意だったらこいつ(ブサ)はどうなんだよ、って話しにならぁなぁ。こいつなんざ、ただのエロ猫だぜぇ?」

「しかも『不細工』だな。鳴き声もだみ声だしな?」

「ぎしゃぁぁぁぁぁぁ!(余計なお世話じゃ、ぼけぇぇぇぇ!)」

 

 ロラン、一言多い。

 エロ猫というのには、ブサのギルドホールでの痴態を知っている者にとっては全力で頷ける意見だった。

 それを知らないヴィルジール枢機卿は首を傾げていたが。


 なお、彼の外見は癒し系である。柔らかな話し方と、物腰、表情などは教会の人間と聞くと即座に納得出来そうな雰囲気だ。いわゆる美中年といったところか。

 実際に、枢機卿の名前は知らなくても『美中年の枢機卿』と言えば大体通じる。

 他に『肉食系』『山猿』『筋肉』『ハゲ』『ちび』『眉毛』『虚乳』などと、各人の特徴で呼び分けられていたりもする。枢機卿への敬意は一体どこに行った。

 本人達も自分達が裏でこっそりと呼ばれている呼び名は知っているが、表だって言わなければ咎める事は無い。もっとも『虚乳』と呼ばれている人物だけは己の呼ばれ方に対して思う事があり、様々な魔法薬や魔道具を取り寄せているのだが今のところ効果は一切(・・)無い。いつか夢は叶うのか。『虚乳』が『巨乳』に変化する日は来るのだろうか? 

 若干微妙なコメントも送りたくなる者もいるが、それぞれ立派な人物であるという事は明言しておきたい。


 その中でも『美中年』のヴィルジール枢機卿は教会に併設されている書庫を利用する時は眼鏡を使用する事もあり、それを見た治癒師や見習いによって密かにファンクラブが作られているとか、いないとか……。彼ら&彼女らの手によって、ヴィルジールに近付こうとする不埒な輩は排除されているとも。

 さりげに今回の当事者であるフェリシーも、近付こうと狙って排除された経歴がある。それどころか、ブラックリストに入れられていた。かなり強引な手も使おうとしていたらしい。

 『聖女』を自称していたわりには俗物というか、何とも生臭いものだ。


 さらには妄想逞しき汚嬢様方、あるいは奇腐人方が薄い本を作っているとかいう噂もあったりする。

 ちなみに、後者の噂を耳にした彼は『実際にソレ(・・)を本気にして私に襲い掛かってくる事が無ければ、自由に妄想して貰って構いませんよ。ただ、そういう本は見た事が無いので、手に入るなら1冊手に入れられませんかね? 後学のために一度読んでおきたいものです』と答えたという。しかも、普段浮かべているふんわり笑顔のままで。

 その後、彼の手元に件の本が渡ったかどうかは、定かでは無い。そもそも、何が『後学のために』なのか。うっかり噂の事を話してしまった治癒師はしばらく悶々としていたらしい。


「それより、あのアホが異界の神によって力を与えられたと仮定して、俺らはいつまで付き合えば良いんですかネ? 正直、此処まで付き合わされるってのは、完全に想定外なんですガ」 


 ブサで手を隠しながら、腹を押さえるリュシアンがぼやくのももっともで、そもそもロラン達は最初あの男(アンリ)のギルドにおける暴力行為としての証人として呼ばれただけのはずだった。それが何時の間にか尋問という名の痛い妄言に付き合わされ、さらには異界の神がどうだとか、スケールが大きくなりすぎていっぱいいっぱいである。主に空腹的な意味で。

 特にサミュエルとリュシアンの二人は、盗賊の引渡しが終わってからすぐにギルドに来た為、腹具合も限界であった。門をくぐってから各自、目的の為に動いていたロランとアンリも同じく。

 テオドールの店で軽くつまんではいたものの茶菓子程度だったので、とてもではないが腹を満たすものでは無かった。今も、必死になって腹の音が鳴りそうになるのを我慢している最中だ。

 唯一、ギルドでレアの手から刺身をたらふく食べさせて貰って満腹&満足なブサを除いては。微かに聞こえる腹の音に、ドヤ顔をしながらニヤニヤと笑っているのがまた腹が立つ。


(ぶはっ! お偉いさんの前で腹が鳴らないようにするのも大変だね~? 俺は腹は空いてないけ、ど、な!)


 殴りたい、その笑顔。


「……なぁ、ちょっと絞めても良いカ?」

「ぎ……なぁ……っ!(もう、しめて、ん、だろう、がっ!)」


 殴っても良いか? と尋ねた時には既に殴っている。良くあるお約束だ。

 殴られたりするのが嫌なのであれば、余計な事を言わなければ良いのだが……恐らくブサには不可能だろう。何しろお調子者を通り越したバカなので。

 じたばたとリュシアンの膝の上で暴れるが、当然力で叶うはずも無く。次第に力を無くし、グッタリと膝の上で垂れ下がるのみとなった。うつ伏せになっているので、白目を剥いているかは不明である。


「はぁ……お見苦しい所をお見せして申し訳無い」

「いえいえ、最近心が荒む報告ばかりでしたので、程好く気が抜けて良いと思いますよ」


 申し訳無さそうなセヴランをフォローした積もりなのか、本心なのか。何ともコメントに困る反応であった。

 しかし、見た目おっとり優しげ美中年でも、今回の騒動の一環は色々と心労が続いているらしい。ブサの目からはきらきらしい、何とも腹の立つ美中年っぷりであるが、某クラブ会員からすると美貌に陰りが出ているらしい。某クラブに所属していない人間からは、全く分からないが。


「まぁ、冗談はこの辺にしておいて、先程の質問に答えましょうか」


 冗談であったらしい。

 胡乱気な目でブサ達が見つめると、何気無い振りをしながらスッと目を逸らした。何気に本気の部分も混じっていたらしい。お茶目か。

 

「ゴホン。先程のあなたの……リュシアンさん、と仰るのですね。私と致しましては最後までお付き合い頂ければと考えております。もちろん、その分の報酬はギルドとは別にお出ししますし、ある程度はそちらの要求にも応じましょう」

 今回一番使いたかった言葉はこちら→『虚乳』


 一番小さい方から


虚乳きょにゅう

 ↓

無乳むにゅう

 ↓

微乳びにゅう

 ↓

貧乳ひんにゅう

 ↓

普乳ふにゅう

 ↓

巨乳きょにゅう

 ↓

爆乳ばくにゅう

 ↓

奇乳きにゅう


 となるとか。誰が考えたんですかね? 虚乳……えぐれてでもいるんでしょうか。

 ちなみに『普乳』は一般的なサイズだそうで。つまり『普通』。


 アニメや漫画とかで、胸の一部だけが盛り上がって、それにぴったり沿うように服が描写されてるのって服の構造がどうなっているのか気になります。脱いだら、服がそこだけデレンって垂れ下がると思うんですよ。

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