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どうやら、約束は果たされたらしい

 ご褒美タイムです(・ω・)

「いやいや、丸く済んで良かったよ!」


(あれのどこがまるいんだ、ぼけぇ……)


 もはや言い返す気力は無い。マッサージするようにムニムニと肉球を揉まれるが、振り払う気力も無い。触んな、離せ。尻尾で払うが気にもされない。


「ま、一応は重要案件も終わったし……今夜は、一旦気晴らしでも行くか?」

「お、良いじゃねぇかぁ!」

「私は遠慮しておくよ」

「そもそも、誘ってな……何でも無いでス」

「ブサはどうしますか?」

「ん? あ~……、連れてくか。約束もあるし、な」


 前世が詐欺師という事を知っても、どうやらブサに対する対応は今後も変わらないらしい。

 いつも通りに粗雑に扱いながら、時折(いじ)り、時折締め落として白目を剥かせる。碌な扱いではないが、これがブサの日常だ。その為、偶の『飴』が良い働きをする。働き過ぎて暴走する可能性も高いが。特に、今回行く予定の場所では。


(んぁ? 約束ぅ?)


「ん? ……連れて行かなくて良いなら宿に預けてくが」

「私が預かっても良いけどね?」

「んで、行くのか? 行かないのか?」


 ブサの疑問には一切答える事無く、ただ行くか、行かないかの答えだけを求められる。

 ニヤニヤと笑うロランとサミュエルに一瞬嫌な予感がしたものの、己の勘を信じてみる事にした。唸れ、野生の勘。ブサに野生があるかどうかは定かでは無いが。


「ぎなっ!!(行くっ!!)」

「んじゃ、行くか」


 うーい、と全員が参加表明。ただし、テオドールを除く。

 何が何だか分からないまでも、何となく感じる良い予感に尻尾が立ち上がる。

 早くもムフー! と鼻息が荒くなるが、残念な事に今はまだ昼である。

 誘われるままに昼食をご馳走になり、程好く興奮が治まってくると今度は途端に眠気が訪れ、あっという間に睡魔に負けるいつものブサであった。



 * * * * * * * * * *



 ……ハッ!?


 手足がビクッ! となるのにつられて目が開く。どうやら体が何かに包まれているようだ。首から下に感じる柔らかさ。程好い温もり。程好い圧力で体が動かない。

 がっつりと、本気で寝入ったブサが目を覚ました場所は……?


「あら、やっと起きたの?」

「やぁん、お寝坊さんねぇ」


(楽園っ!!)


 何処からともなく聞こえて来る演奏。薄暗い店内のボックス席を占拠するロラン達が左右に侍らせている肌もあらわな女性達。

 真上を見れば見事な双球。その向こう側から除く花の(かんばせ)。鈴を転がすような笑い声が耳に心地良い。

 ニコリと微笑んで優しくブサの額を撫でる。至福の時間。


 ただし、一つだけ不満な事を除けば……。


「きしゃぁぁぁぁぁ!!(何で簀巻きなんだぁぁぁぁ!?)」

「いやぁ、だって、お前絶対暴走するだろぉ?」

「「それな(ナ)」」

「ふしゃぁっ!(しねぇよ!!)」

「信用出来ねぇ」


 自分達の前でも変わらず言い合いをするブサとサミュエルに、女性陣が笑い声を零す。そのままムギュリ、と胸元へと抱き締められて呆気無く顔面崩壊させるブサの様子に『自分達の判断は間違っていなかった』と確信する。

 ちなみに、今のブサは全身綺麗に簀巻きだ。肌に優しい素材の柔らか布地で蓑虫状態。寝ている間に、これ幸いと簀巻きにされたらしい。下手人はもちろんサミュエルである。


 ウゴゴゴゴ……! と抜け出そうともがくが、巧みの技の梱包で前足一本抜け出せない。

 前足だけでも抜け出せれば、夢のような柔らかさを直に感じられると言うのに……! この拘束が……!


(邪、魔……だぁぁぁぁぁぁぁ!!)


 ……まぁ、抜け出せる筈も無く、もがいた後に力尽きたブサを楽しそうに見守る女性達。ツンツンと指先で突かれているが、それだけでもブサの顔は嬉しそうだ。

 もう、簀巻きのままで良いんじゃないだろうか。


 そんなブサをニヤニヤと見ながら、傍らの女性を抱き寄せるのはサミュエルだ。わざわざブサに見えるようにしている辺り、煽っているのは見え見えである。

 逆に大人しく飲んでいるのはアンリとロランの二人で、こういう業界ではロランやアンリのような顔でも見慣れているのか、過剰に反応する女性はいない。頑なに目を合わせようとしない女性はいるが、少なくともこのボックス席では皆無である。二人の横にもしっかりと綺麗な女性が付いている。

 そして残る一人。リュシアンはというと……。


「チョッ! 服脱がせようとすんナッ!?」

「あら、良いじゃない! 硬い事言わないの」

「そうよぉ、ほーんと、真面目よねぇ。見た目によらず……」

「ぐっ……、見た目は仕方無えだろうガ……」

「「やぁ~ん! 可ぁ愛い~~!!」」


 美女二人に挟まれてモテモテだった。まぁ、この四人の中では一番威圧感が少ないから、無理も無いのかもしれない。

 体に胸を押し当てられたり、逆に手を胸へと誘導されたり、服を脱がされそうになったり……と、何とも羨ましい限りだ。ブサからしたら羨ましいなんてものでは無い。血涙ものである。

 

 斯く言うブサも、女性達からは抱き締められたりしているのだが、何せ蓑虫状態である。感動は半減以下だ。心地良い弾力は簀巻きの布に吸収されるし、体温も殆ど感じられない。包まれる温かさはあるが、九割以上自分の体温だろう。


「きしゃぁぁぁぁぁ!!(てめぇ、俺と代われぇぇぇぇぇぇ!!)」

「あら、可愛い」

「ぐにゃ?(あん?)」


 自分とリュシアンの待遇の差に、ブサが世の理不尽というものを心の底から感じていたその時、ふいに自分の体が宙に浮くのを感じた。

 クルッと体を反転されれば、目の前には巨乳を超える爆乳。目が離せない。


「ふふふ……っ、何だかこの子、知り合いに似てる気がするわ。もう、会う事は無いのでしょうけど……」

「デルフィーヌ」

「お久しぶりね。今日は、随分と可愛い子を連れてるじゃなぁい?」


 ブサの背後から現れた女性。まだ若いとも言える外見だが、何とも素晴らしいモノをお持ちだ。相変わらずブサの視線が離れない。

 だが、そんなブサに不快感を示す事無く、逆に揺らす程にはサービス精神旺盛である。


(うっひょぉぉぉぉぉ……っ!!)


 ロラン達もそんなブサの反応には気付いているが、当の本人が気にしていないのだから敢えて何か言う事も無い。どうせ、すぐに絶望を味わう事になるのだから。


「ロラン様方、お久しゅう御座います。最近はとんとご来店頂けませんでしたので、飽きられてしまったものかと懸念しておりました。デルフィーヌ、お客様に失礼の無いように」

「あら。失礼ね、カミーユ。私はちゃーんとお客様の応対をしていたわよ? こちらの、可愛らしいお客様をね」


 そう言いながらムギュッ、と押し付けられる胸にブサの表情が緩みまくる。もはやクリーチャーだ。

 そんなブサの表情にムッとした顔でデルフィーヌを抱き寄せるカミーユ。ブサの顔が愕然とする。

 そんなブサの反応に少し笑い声を零し、デルフィーヌの表情を見ると一礼してロラン達に話し掛ける。


「申し訳御座いません、ロラン様方に小さなお客様。こちらの女性は私の妻に御座います。それ故、本来はお客様の応対はご遠慮させて頂いております。ですが、本日はどうかこちらのテーブルに付かせて頂いてもよろしいでしょうか? ……こちらの小さなお客様が私共の知人と似た雰囲気を持っておりまして、お客様には失礼かと存じますが、思い出のよすがとさせて頂けないでしょうか……?」

「俺らに異論は無いさ。コイツが役に立つってんなら、存分に使ってやってくれ」


 カミーユの言葉に、ロランもあっさりと許可を出す。もちろん、ブサの許可は得ていない。

 だが、ブサとしても文句などある筈も無い。美人さんなら大歓迎である。

 もっとも、ブサでもお断りしたくなるような相手も時折いるが。つい先日のとあるパーティーメンバーとか、とある人物の姉とか。あと貧乳。


 気を付けろ、後者二名が殴りに来るぞ? あぁ……っ、窓に! 窓に!

 女性侍らせてお酒飲む的なお店行った事無いので、TEKITOUデス。そもそも、お酒飲めないんですよ。連休前とか、飲んでみようと思って買ってみて、それで満足しちゃうタイプなんですよ。


 ……この梅酒と、杏酒と、アイスワインとシードルどうしよう(´・ω・`)

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