夢の狭間で
友人作の詩です。
夢を、見た。
あったのは、結果。
自分が、誰かを好きになる夢。
そこには、幸せな世界があった。
あったのだろう。
でも、そんな自分が許せない。
駄目だ。その人は。
こんな人間に好きになられる相手が可哀想だ。
そうは思っても、期待した未来。
そこには、それがあった。
そうしてまた、自己嫌悪に陥る。
なんて最悪な奴だろう。俺は。
しかし、それでも止まらない。
駄目なのに、夢はそれを許さない。
また、今日もあの夢を見る。
次の日も、次の日も。
そして、毎日幸せに浸かり、
悲しみに明け暮れる。
考える。「ドウスレバ?」
考えても、夢はまた追い打ちをかけるようにつかの間の幻覚を見せる。
彼女に申し訳ない気持ち、夢だけでも彼女と居られる喜びの気持ち。
その2つが交差し合い、ぐちゃぐちゃになったココロ。
「モウ……」
そして
幻日。
夢は、まだ続く。
でも、現実がある。
現実では彼女との距離は遠く、
ただのクラスメイトのような関係。
近づきたくても、叶わない。
自分に、言い聞かせるように言う。
これで十分だ、と。
これ以上望んではいけない。
彼女に迷惑がかかるから。
そして、また夢は___________
α
そして、また夢は___________
「壊れた」
なにが起こったのか、わからない。
理解が、できない。
急に、音も立てず崩れ去った。
彼女への想い。
期待する想いと、同時に。
そうか、解放されたのか。
辛い思いからも、嬉しい思いからも、全部。
寂しい感覚が、体を包む。
それをココロのどこかに押し返すように、必死に自分に言い聞かせる。
これでよかったんだ、自分も、彼女のためにも。
だから、もう、彼女とは。
終わり、なんだな。全部。
悲しいや。寂しいや。
ああ。認めるってことは、こんなに。
悲しい、ものだったんだな……。
β
そして、また夢は___________
「創造した」
彼女はそこに居た。
これは、夢なのだろうか?
しかし、体の自由は利いているようだ。
どうしたの?
彼女はまるで自分がここにいるのが当たり前だとでも言うように話しかけた。
驚愕が体を包む。
もう、言うしかない。
もう、言うしかない。
手足が震える。
彼女は優しく見守ってくれている。
それを見ると、何故かココロが安らぎ、震えていた自分が馬鹿らしくなる。
ああ。
今なら。
何故かはわからないけれど、自信が持てる。
軽く2回深呼吸をして。
言う。
「好きです、付き合ってくれませんか?」