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やってきたのは異世界人  作者: 如月 玲
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異世界人達の想い

書く書く詐欺の如月で申し訳ありません。けど、本当に最後まで書きます!そして、ラインティアへ!行くかもしれません?←え?

「ご就寝中、失礼します」


「・・・・・・、お前ら主従は勝手に人の夢に入ってくるのが趣味なのか?」


「生憎そのような悪趣味ではございません」


 なら、今のこの現状は何なんだとツッコミを入れたい。やっとミコトを寝かして、俺も寝た時だったんだがな。


「先に申しますとこのことにルイ様は関与しておりません」


「と言うと?」


「私の要件をお伝えする前にお聞きしたいことがあります」


 どこか言いづらそうに伏し目がちになるフィニは次の言葉を中々発さない。まったく、いったい何を言おうとしてるんだ。


「あの、ジルヴェスター様は美琴様をあちらの世界に連れて行かれるおつもりですか?」


「どういう意味だ?」


 それを聞いていったいどうするつもりだ?ミコトを今あちらの世界に連れて行く気は毛頭ない。連れて行く気があると言えば、止めるつもりなんだろうか。


「もし、美琴様をあの世界に連れて行く気がなければ、その枠を瑠依様に譲って欲しいのです」


「それは、あいつの意向なのか??」


 ルイの話が本当であれば、恋人に裏切られ、こっちの世界に飛ばされたことになる。どうやって、危機を乗り越えたかはわからねぇが、戻りたいのか?あいつは。


「違います。ですが、幾度かあっちにやり残したことがある。託したいことが沢山あったと嘆かれておられた時期がありました」


「あっちにはもうルイを覚えてるやつらはいねぇ。あっちに戻ればそれを突きつけられる。それをわかってるのか?」


 これまでの話からしたら、きっと誰もがルイのことなんか覚えてないだろう。誰も自分を覚えてない世界、それを受け入れる覚悟があいつにはあるのか?それに。


「どう考えても、これはお前の押しつけだろ?」


 今のルイはこっちで居場所を作ってるのは明らかだ。本人も自覚しているのか、俯き加減で拳を握り締めている。あぁ、そうか、そういうことか。


「帰りたいのは、お前か?」


 その途端、フィニの身体が震えるのを見た。やっぱりな。こいつがどういう経由でこっちに飛ばされたかはわからねぇが、ルイについてきただけだとしたら、もしかしたらこいつの記憶は消されずにいるのかもしれねぇ。


「私の種族はご存知のとおり、人間を嫌っている種族です。ですが、その中でも私は別でした。私は人間が好きだった。だから、異端とされ種族から追い出されました。でも、兄だけは私を見放さずに入れくれました。そして、お守りとしてこれを託してくれたのです」


 そう言って胸から取り出したのは花形の宝石だった。そこからは独特な魔力を感じると同時にこれは俺には扱えないとすぐに理解する。


「これは、私の種族の秘宝でもあります。あの頃の私は弱く、これにすがってばかりでした。ですがもう私には必要ありません。だから、これを種族の元へ返したいんです」


 ですから!とこっちを見てくるフィニの言いたいことが手に取るようにわかった。


「向こうに俺が戻っても、お前の種族に会えるとは限らないぞ?」


 その言葉で全てがわかったのか、先ほどとは打って変わった期待の目でこっちを見てくる。


「宜しいのですか!?」


「お前には借りがあるからな。その代わり保証はできないぞ?」


「かまいません!ありがとうございます」


 正直、本当にこの種族に出会える確率は低い。一生に一度会える人間がいったい何人いることだろうか。こりゃあ、帰ったら大仕事だなと苦笑する。


「これは大切に預かる。だから、そろそろお前も主の元に戻れ。そろそろ気づかれる頃だろ?」


 そっと、一種族の秘宝とやらを預かる。本当はこんなに軽々しく他人に託してはいけないものだ。だから、その意味を理解する。


「はい。本当に感謝します!ジルヴェスター様」


「何だ?」


「ご武運を!」


 その言葉と共に満面の笑みで消えって言った。ご武運をとは言ってくれるもんだ。今の向こうの現状を知らないだろうに。


「さて、寝るか」



 まったく、この子にも困ったもんだね。気づいたのはさっきだった。魔法の気配がするからおかしいとは思っておったが。


「私の我儘にいつまで付き合う気だい?」


 遠慮がちにソファーで眠っている子の額を軽くデコピンする。


「んっ」


「お目覚めかい?」


「瑠依様!?」


 驚いたその表情の後にいたずらが見つかったような気まずい表情に変化する。敏い子だ、私にバレていると気づいたのだろう。


「すみません」


「別に怒っちゃいないよ。どうやら、託すものは託せたみたいだしね」


 フィニの元から消えている気配にどうやら、念願の願いが叶いそうだということを悟る。


「すまないね」


「瑠依様が謝ることは何一つありません!」


 いや、私が坊やと共に向こうに戻るという選択を選べばこの子をこんなに悩まさなくて済むだけの話。きっと、フィニだけでも向こうにと伝えてもきっとこの子は嫌がるだろう。


「私は向こうに、もう未練がない。むしろこっちでやらなければならないことがまだ残っておるしの」


「あの方との約束ですか?」


「まぁ、一方的な約束じゃがの」


 約束とは言えない一方的な約束。だが、果たさなければいけない約束。もう少しで果たせそうな約束。


「私はこの物語をもう少し見届けようじゃないか」


(それが私の役目だからの)

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