カウントダウン4日前~異世界人の救出方法~
引き続きよろしくお願いします。
私が死ぬか、ジルが死ぬか。何て究極な選択なんだろ。いや、選択なんて言葉使いたくもない。正直な話どっちも嫌だ。死ぬ、そう思うと、身体から力が抜け地へと沈みこむ。座り込んだ場所から波紋が広がっていく。
『いきなりこんなこと言われても困るよね。でも、もう期日は迫ってるんだよ』
かがみ込み私と同じ視線になった少女はそっと私の頬を撫でる。他の方法を考えようとするけど頭は真っ白のままだ。
『助けてあげようか?』
「え?」
『助けになるかはお姉ちゃんしだいだけど。どうする?』
助けて欲しい。けど、信じていいのだろうか?死んでとまでこの少女に言われたのだ。目の前の少女は笑顔でこちらに手を差し伸べている。
『手を取って。もう、きっとこのチャンスはないよ』
その手は、悪魔か天使か。考えていても仕方ない。多分これは最後のチャンスとさえ言っていいだろう。私は小さな手に、自分の手を差し出した。
『契約成立だね』
満足そうな少女の手を引っ張り、近づける。私は、満足何てしてないんだから。
「どうしたらいいの?」
タイムリミットがあるから、気がはやる。裏腹に少女はどこから話そうかなぁとのんびり口元に指を当てる。どこからでも良いから早く話して欲しい。
『ジルを戻すためには、お姉ちゃんの命が必要って言ったけど、テラス石さえあれば命までかける必要はなくなるんだよ』
「テラス石?」
そんな石は聞いたことも、見たこともない。まずは、どんな石か調べなきゃいけないかもしれない。
『奇跡の石って言われるピンクの石。良く知ってるはずだよ。この間までお姉ちゃんがはめてた石だもん』
「嘘でしょ……」
思い出すのはベランダから思い切り投げ捨てたあの指輪。呪いとしか言い様がない。しかも、あれだけ探したのになかったのだ。絶望的にも程がある。いやいや、その前に私の指輪の石が奇跡の石って。
『ジルがお姉ちゃんの元に来たのだって、テラス石の力だよ』
「へっ?」
オレンジの光の玉をクルクル回しながら、さも当たり前のように少女は私を見た。偶然だと思っていたのは必然って。
『そして、私はお姉ちゃんのテラス石を持ってる人物を知ってるよ』
知りたいでしょ?と意地悪そうな笑みを浮かべる少女に実はSなんじゃないんだろうかと思い始めるのは間違いじゃないはずだ。
「教えて」
『いいよー。耳貸して』
おいでおいでと手を招かれる。二人だけの空間なのだから普通に話してくれたら良いのに。いつまでたってもそこを動かない少女にため息をついて、近づき耳を傾ける。
『………』
「えっ!?」
『それが、真実。結構やっかいな人だよ。気をつけて』
まさかその名前が出てくるとは思わなかった。けど、覚悟を決めなくちゃいけない。ギュッと拳を握り目を瞑る。
『あと、これを持ってこの空間から出てね』
目を開けてそれを見ると、さっき少女が遊んでいたオレンジの光の玉だった。これを一体どうしたら良いのかと思いながら、少女から受け取る。
「これって…」
手渡った瞬間、頭に流れ込む情報に目を見開く。
『その説明はもういらないよね。もしかしたら、それがお姉ちゃんの秘密兵器になるかもしれないんだから』
受け取った暖かい光の玉が何かわかった瞬間、叫びそうになったのは仕方ない。これがどう秘密兵器になるかわからないけど。二人が死ぬという最悪のケースさえなくなればそれで良い。
『そろそろ、時間だね』
空色の空間が歪み始める。今更ながらに夢かもしれないと思うのは遅いんだろうな。
「ねぇ、結局あなたは誰なの?」
『私は……、頑張ってね』
笑顔で額にキスを送られた瞬間、私の意識は深い闇に飲み込まれた。
「っ!頭痛い!」
目覚めた瞬間に強烈な痛みが頭を襲う。ズキズキする頭を抱え横を見ると、もう起きたのかジルはいなかった。
「夢じゃなかったのね…」
手の中にある暖かい物にため息をつく。それを、卵型の入れ物に入れ、何か飲もうと台所へ向かう。とりあえず先は見えてきたかもしれない。とりあえず、電話しよ。
(あれ?スマホどこやったっけ??)
ありがとうございました。次話もよろしくお願いします。




