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やってきたのは異世界人  作者: 如月 玲
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異世界人驚愕

お久しぶりです。忙しくて中々執筆できませんでしたが、再開しようと思います(^^)相変わらずつたない文章ですがお願いします。

 見渡す限りの闇の中。目を凝らし見てみるも先は全く見えそうにない。いったいどういうことだろうか。さっきまで俺は布団で寝ようとしていたはずだ。


 カツンと一歩踏み込むと鳴るその音にどうやら服装まで違うことに気づく。はぁと溜息を付きながら頭を抱える。今度は何に巻き込まれてしまったのやら。最近は何かとバタバタしていたので、ゆっくり休みたいというのが正直な感想だ。もしこれが夢でないとしたらこんな現象思いつくのは一つしかない。


「まさかな」


 そんなことがあるわけない。ミコトのいるこの世界ではありえない事象だからだ。だがと見えない自分の手を見つめる。もし、俺の考えが正しかったら出来るはずだ。


“パチンッ!!”


 恐る恐る指を鳴らすと、その瞬間ブワッと風が舞い、辺りに灯りがともる。明るくなったことで隠れていた空間が姿を現す。


「嘘だろ」


 目の前に広がるのは宙に浮いた椅子やテーブルなどアンティークの数々。それに、自分が纏っているのはラインティアで王に使えていた時に来ていた服だ。


 魔法が使えることからもラインティアに戻ったのかと考えが過る。もしそれが本当なら嬉しい。だが、それはミコトとの約束を破ることになる。


“帰る時は黙って消えねぇから”


 震えるミコトを抱きしめて告げたあの言葉。あれだけは違えることをしたくねぇ。ギュッと手を握るともう一度辺りを見渡す。とりあえずこの空間から出る方法を見つけるのが先決だ。魔法が使えるなら、無理やりにでも出てしまえばいい。


「禁忌クラスだが、できるか?」


 いや、やるしかねぇ。魔法でチョークを取り出し陣式を描こうと床に手をつく。陣式を描く魔法なんてあれ以来か。白線を一本一本丁寧にだが急いで描く。もし、これが少しでも間違っていようものならここから出る所じゃない。


「おやおや、禁忌クラスの魔法なんてリスクがあるからおやめよ。それに、お帰りはまだ早いよ」


 フッと後方に現れた気配に振り返る。光を纏ながら現れたその姿に俺は驚愕するしかなかった。


「何で…。いや、今までのことを考えると、ここにいても違和感ないか。説明はあるんだろうな?ルイ?」


 いつもの単衣を着こなし、クスクス笑いながら突然現れた階段を降りてくるルイを睨む。今までその異様な雰囲気に流されてきたが、よくよく考えるとおかしいことは多々あった。


「もちろんさ。まぁ、その前にそこにお座りよ。座り方はわかるだろう?」


 ほらと、指さされた空中に浮いている椅子を見る。正直あのフワフワした感触は好きじゃないが仕方ない。溜息をつきながら椅子に飛び移る。俺が座ったのを確認するとルイはシャランと鈴の付いた腕輪を鳴らし、魔法を発動させ、お茶を出す。どうやら、本当に只者じゃないらしい。


「話は長い。お茶を飲みながら話そうじゃないか」

 

 宙に浮いてやってきたカップを受け取りその場に留める。


「で?その長ったらしい話しってのは何だ?お前の正体でも教えてくれるのか?」


 チンッとカップの端を弾き、そこから出るお茶玉を口に運ぶ。この飲み方も懐かしいもんだ。ルイも一口お茶を飲むと笑顔でほほ笑んできた。


「ジル坊は時空間転移魔法が存在しているのは知っているかい?」


「帰る」


「なぜじゃ!まだ話しておらんではないか」


 時間の無駄も良い所だとその場を立ち上がると、ルイは俺の腕をつかんで引き留めてきた。話を聞くことでもない。時空間転移魔法は過去と未来を行き来できると言われている魔法だが、そんなの異空間転移魔法より夢のまた夢。子供のおとぎ話とさえされている話しだ。そんなの真面目に聞く大人は術者オタクまでいかないといないくらいだ。


「おとぎ話に興味ない」


「待ちな。世にはそう言われていたが、実際は違う。時空間転移魔法は実際に存在する」


「冗談だろ?時空間転移魔法が本当に存在するなら陣式とかもろもろ発表されてるだろ?俺は、禁忌クラスの陣式まで知っているつもりだが、そんなの聞いたことさえない」


 城の古書を暇つぶしに漁ったことさえあるが、空間転移、異空間転移に関するものはあっても、時空間転移についての物は絵本でしかない。


「良いから聞きな。これは、お前さんがこっちに来た理由の一つでもあるし、これからのことにも関わってくるぞ」


「どういうことだ?いや、真面目に聞く。初めから話してくれ」


 冗談とも言えないその真剣な表情に姿勢を正す。こっちに来た理由。それはかなり気になる。


「やっと聞く気になったかい。話がかなり遡るが大事な話だ。黙ってお聞きよ。これは数百年前の話さ。ある術者が一つのクリスタルを発見した。それはまるで夕日を閉じ込めたようなオレンジの結晶での、後世でクロノスクリスタルと呼ばれているものさ」


 クロノスクリスタル。それは魔力が強力で昔良く魔石に使用されていた物だ。だが、強力すぎるために、それを扱える者も少なかったと聞いている。そして、クロノスクリスタルはある日を境に何故か産出されなくなったはずだ。その当時はクロノスクリスタルよりも扱いやすい代用品はすぐに見つかったため、その存在はすぐに忘れられたと文献に記されていた。


「術者は魔力の強いクロノスクリスタルからある陣式を産み出してしまった。それが、時空間転移魔法だったのさ。けど、その陣式は複雑すぎた上にどの魔法よりもとてつもなく危険な物だったことがわかったのさ」


「どういうことだ?」


 ふぅっとキセルの煙を吐きながら俺の方を向くその顔はどこか寂しそうに感じられた。


「時空間転移魔法は産み出した術者とその恋人、そして王だけが知っていた。事件が起こったのは確か、時空間転移魔法を公表しようとした前日だったの。その術者の前から王が光に包まれて消えたんさ」


「消えた?」


 自分と酷似した状態に腰を浮かす。その先にきっと俺が知りたいことがあるはずだ。その先を促すようにルイを見る。


「初めは空間転移魔法類の物かと考え、捜索が始まったのさ。だが、ポイントの探索をしてみても、その痕跡さえ残ってなくてな。色んな術を施しても王の居場所はわからなかった。さらに異変が起きたのはその一か月後だったの」


 シャランと音を鳴らし魔法を発動させたルイの手にその当時の王だと思われる男の画像が現れる。しかし、その顔に見覚えはない。


「これが、術者の目の前から消えたアルバート王だが、見覚え所か、名前さえ聞いた覚えがないはずじゃ」


「あぁ、歴代の王の中にそんな奴はいないはずだ。どういうことだ?その装飾は確かに王の物だ」


 何度も目にしているそれに間違いはない。しかし、どう思い返してみても歴代の王にあんな奴はいないはずだ。


「王が消えて一か月後、まるで何事もなかったかのように世界の歴史が変わったんだ」


「な…んだと?」


 その言葉に俺は目を見開く。世界の歴史が変わる。それは、世の理に反することだ。ルイはもう一つ画像を取り出した。それはかなり昔の王の画像だった。


「気づいた時には王座に座っている奴は知らない奴で、兵も民もそいつを敬っていた。そして、その隣に何事もなく立っていたのは術者の恋人だったんじゃ」


 さすがにそこまで聞けば馬鹿でもわかる。さっき、ルイは時空間転移魔法は術者とその恋人と王だけが知っていたと言っていた。ということは、考えられることは一つだけだ。


「気づいたようじゃの。お前が思っている通りだよ。術者の恋人は時空間転移魔法を自分に使い過去に溯りアルバートを殺し、歴史を変えたのさ」


 ガチャンと茶器をテーブルに叩きつけるその眼は怒りと憎しみを帯びていた。


「それにすぐに気付いた術者はすぐに時空間転移魔法に封印術を施そうとした。しかし、もう手遅れだったのさ。封印術の途中、術者は消えた。いや、消されたっていう方が正しいか。まぁ、おかげで時空間魔法を使われた後のことは身を以て体験できたがの」


 ハッと笑うとルイはその長い髪を掻き上げる。身を以てということは、俺の予想通り術者と言うのがルイのことだろう。いや、今はそんなことどうでもいい。


「ということは、俺がかけられた魔法は異空間転移魔法じゃなく、時空間転移魔法で過去の俺が殺されたってことか?」


 冗談じゃねぇ。俺はそんな軟じゃなかったはずなんだがな。一体いつの俺が殺されたやら。その時の俺を叩き潰してやりたい。


「まぁ、そういうことだの。時がもう少し過ぎれば、ラインティアでのお前は殺されたその時より消え、新たな歴史に染め直される。だが、問題はそれ以上に留まらない所がこの魔法の厄介な所での」


「まだあるのかよ」


 勘弁してくれっていうのが正直な感想だ。今は、どうにかしてでもラインティアに帰れる手段を考えたい。


「良いか、良く聞くんじゃ。お前をここに呼んだ本来の目的はこれを伝えるためにある」


 ルイの手から一つの月時計が現れる。月時計はもう既に半月を過ぎていた。しかし、その意味が全く持ってわからない。一体何を伝えたいのかと視線で訴えると、ルイの口から信じられない言葉が紡がれた。


「この月時計が満ちるその時までに、ラインティアに戻ることが出来なければ、ジルヴェスター。お前は死ぬ」



(嘘…だろ)

ありがとうございました。平穏な日々がなかなかこないこの小説。次回更新真面目に頑張りますのでお願いします!

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