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やってきたのは異世界人  作者: 如月 玲
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美形を看護

ページを開いてくださりありがとうございます。

そして、お気に入りにしてくれてる方々本当にありがとうございます。

一話一話質を落としそうでドキドキですが、頑張りますのでお願いします。

 翌朝、起きて早々ベッドの上を見ると、美形のお兄さんが顔を赤くしてハァハァしてました。

 って、違う違う。


「39.0℃。やっぱりか」


 ピピピと体温計がたたき出した中々の高体温に私は溜息をつく。怪我の手当てをしただけで、抗生剤とか打ったり、飲ませてないのだから高熱が出るのは自然ともいえる。


「病院?いや、無理よね…」


 保険証何て持ってたら奇跡に近い。いや、奇跡だろう。いったいどこの世界に武器と一緒に保険証を持っている奴がいるというのだ。

 保険証を持たずに病院って言う手もあるけど、莫大なお金がかかるのは目に見えている。起きてくれないかなぁと見下ろすも瞼は少しも開く様子はない。ただその綺麗な顔を歪ませるだけに終わってしまった。


「さすがに起きてくれないと点滴が必要になるだろうし」


 クーラーを程よくかけているけど、熱で失われる水分は取り戻してはくれない。このままでは脱水まっしぐらだ。うん、看護師としてそれは避けたい。


「んっ」


 頬をつんつんと突いて遊んでいると、色気のある声がしドキッとする。落ち着け私。違う意味で私がハァハァしそうではないか。


「誰……だ?」


 開いた瞳は熱で潤み、熱でやられた声はかすれていた。これで顔を赤くしない女がいたら見てみたい。ちなみに私は今にも鼻血が出そうだ。誰かティッシュの準備お願いします。


「誰かは、私の方が聞きたいけど、それより水飲める?」


 飲めるなら是非とも飲んでもらいたい。体を起こし、ペットボトルの水を口に近づけるがその水は口へは入ってくれない。


「薬は飲んでもらいたいんだけど。ちょっと、起きて!せめて、飲んで!」


 閉じそうになる瞼に、体を少し揺さぶることで、無理やり起こした結果、口が少し開いた。やった、飲む気になった?と少し喜んでいると発せられた一言。


「うる…せぇ」


 カチーンと頭に来た私はきっと心が狭いんだろう。勝手に部屋にいたと思いきや、部屋の一部を血まみれにし、腰痛で悩まされている私の腰を酷使した私に対し、うるさいと来た。いやいや、ここは病人、いや怪我人だ、落ち着け私。


「何て、思うわけないでしょ!」


 ポイッと錠剤と水を自分の口に放り込みそのままの勢いで彼の唇にくっつけ送り込む。えっ、それは看護じゃないって?緊急処置だと思ってくれたら嬉しい。ちなみにこの緊急処置は美形限定という注釈つきだ。


「んっ!?」


 飲み込んだことを確認し、してやったりと思った瞬間、逆に入ってきた生暖かい物に気づき慌てて飛び退き、手で口を覆う。


「信じらんない」


 ゾクッと背筋を這ったあの感覚に顔を赤らめながら目の前の奴を見ると、目を開き意地悪そうな顔をして言った。


「ばーか」


「気絶してしまえ!」


 ボスっと近くにあった硬めのクッションを顔面に当てた私は決して悪くない……はずだ。




 あれから、三時間後。ちょうどお昼を回った頃。私は呑気に何食べようかなぁと思いながらソファーに転がっていると寝室から物音がしたのが聞こえた。

 

 やっと起きた。それが正直な感想だった。よっと、ソファーから立ち上がり寝室の扉を開く。

 中に入ると彼は親指と中指をすり合わせてパチン、パチンと音を鳴らしていた。その行動に何の意味があるんだろうか?と首を傾げながら近づく。


「ちょっと、大丈夫?」


 まさか頭でも打った?いや、殴ったのは確か私だったような。よし、過去のことなど気にするまい。


 自分の手を見て呆然となっている彼にどうしたものかと再度声をかける。


「熱でも上がった?気分悪い?」


 ちょっとごめんよとおでこに手を当てようとすると、ガシッと腕を掴まれた。えっ、何ごと!?


「お前、俺に何した?何で魔法が使えねぇ!?」


 切羽詰った言葉とその表情に私は唖然とする。どうやら、本当にどうかなってしまったらしい。ダラダラと冷や汗を流しながら私は目の前のイタイ彼についてその小さな頭をフル回転させた。

 

 拝啓


 どこぞの大学病院で働いているお父さんに質問です。


 美形の頭の中を治すのにはいくら必要ですか?


 ちなみに犯人は私らしいです。


ありがとうございました。

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