表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やってきたのは異世界人  作者: 如月 玲
11/50

異世界人と振り返り

書き溜めたものを一気にUPしようと思ったらいつもより短くなってしまいましたが、ご了承ください。

「じゃあ、整理しましょうか」


 キュポンっとペンのキャップを取りキュキュと紙に逆トリップの謎と書き込む。しまった紙をもう少し大きくすれば良かった。

 何をしているのかと言うと、姐さんは担当さんが来たためにログアウトとなったため、、姐さんの話を参考に二人で整理してみようということになったのだ。


「えっと、ジルがこっちに来たときは魔法をかけられて赤い光に包まれてこっちに来たのよね」


「だな。まぁ、多分異空間転移魔法類の何かだとは思うが、あれは誰もまだ完成させてないはずだから実際どうかわからんがな」


「えっ、完成してないの?」


 赤い光と書き込みながら、じゃあ来た理由違うかもしれないじゃないと、赤い光の隣に多分と書き込む。


「実際、物や人をポイントからポイントに移動させる空間転移魔法は先人が完成させてるんだ。だから、その上の異空間転移魔法を完成させようとどの国も必死なんだが、莫大な魔力がいるわ、術式ややこしいわで完成に至らずってわけだ」


「へぇ。じゃあ、ますます違うかもってことよね」


 まぁ、そうだなとシャリシャリとかき氷器を回しながら言うジルは危機感ゼロも良い所だ。本当に帰る気があるんだろうか。


「お前こそ、俺が現れる時、変わったことなかったのか?」


 かき氷にレモン味のシロップをかけながら聞いてくるジルに、んー?と口元にペンを当てながら首を傾げる。確かあの日は彼氏に振られて、ヤケ酒して、指輪を外に投げたらジルがって、やだ、とてつもなく嫌なこと思い出した。ていうか、これを話さないといけないわけ?いやいや、それは遠慮願いたい。


「あー、えっと、その。指輪を窓から放り投げたら、代わりにジルが落ちてきたのよ」


「何か、とてつもなく省いてないか?」


「気のせいでしょ?」


 何が悲しくて振られ話をしないといけないわけよ。ジルからイチゴ味のかき氷を貰いパクッと食べる。


「そうか?というか、何で指輪を窓から放置投げたんだ?」


「………」


(しまった!結局言わないといけなくなるのか)


 そこはツッコんで欲しくなかったんだけどなと思いながら、頭をフル回転させる。言い訳ならいくらでもできるが、変な所で鋭いジルのことだ、間違いなくいつかばれる。そして、間違いなくからかわれる。それだけは回避しなければ。


「彼氏と別れていらなくなったから捨てたの」


 結果。それならさらっと言ってしまえと口に出すと、ますますわけがわからんという顔をされてしまった。えっ、そこは納得って顔じゃないわけ?


「何で、彼氏と別れたら指輪捨てるんだ?この世界の風習なのか?」


「あっ、あれ?恋人同士で指輪とかしないの?」


 二人して顔を傾げているこの光景はかなり奇妙だ。というか、こればっかりは同じだと思ってたんだけど。かき氷を食べながらジルは自分の指輪を見る。


「指輪何て魔法石を組み込んでおく物でしかないからな。恋人同士で指輪何てしないし。というか、振られたのか?」


(墓穴掘った!!)


 ニヤニヤしながらこっちを見るジルに対して頭を抱える。適当なことを言っておけば済んだ物を私の馬鹿。


「言っておくけど、あんな男、私の方こそ願いさけなんだから!」


「あー、はいはい。で、その指輪の特徴はどんなのなんだ?」


「流すな!」


 人の傷を抉っておきながら、話を適当に流して紙に色んな指輪の種類の絵を書いているジルはどれだ?と聞いてくる。ちょっと、絵まで得意なんですか?


「あっ、これ」


 投げ捨てた指輪に限りなく近い形を見つけ指を指す。この形の指輪はもう一生買うことはないわ。


「へぇ、これならここに石が入ってんじゃねーか?何が入ってたんだ?」


「えっと、ピンクの石だったけど、何だったかしら」


 あれ?あいつ何て言ってただろう?思い出せない。シャリシャリともうほとんど溶けているかき氷をスプーンでつつく。あの頃は嬉しくて覚えていたが、別れてしまった今その記憶は違う物へと置き換わろうとしていた。


「あー、思い出せない。諦めて!」


「お前な……。それが、鍵だったらどうしてくれるんだ?」


 そう言われても困る。それにと、ベランダの扉を開け外に出る。もし、本当にその指輪が鍵だとしてもここから投げたそれが見つかるはずがない。


「よし!探しに行くぞ」


「はっ!?」


 今何て!?と振り返るとジルはさっさと部屋着から着替えていた。いや、あの、目の前で堂々と着替えられても困るんですけど。パッと前を向きベランダから下を見下ろす。この下は住宅街だ。ここから探しだす何てどんだけの確率なんだろうか。


「お前、その恰好で行くのか?」


「えっ、私も!?」


「当たり前だろ。お前しか指輪わからねーんだから」


 ほら、行くぞと手を差し伸べされるが。


「こんな恰好で出るわけないでしょー!」


 ルームウェアで外に出て堪るか!とバシッと手を叩き慌てて準備する。その間十五分。取り立てのような扉の叩き方をするジルをあしらうことに疲れたのは言うまでもない。


(ミコトー、開けるぞ)

(開けるな!変態!)

読んでくださりありがとうございました!次のお話もどうぞw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ