Before the prolog
括弧の数が増えて少し読みずらいかと思います
十二年前、軍が訓練のため 十二年前、軍が訓練のために開発したバーチャルリアリティ技術は今や世界中で使われている。体感型仮想空間装置、≪夢幻≫の仮想空間を利用した娯楽、職業訓練などが進歩していく中、ゲーム技術が取り残されていった―というか誰も手を付けなかった。
開発を望む声とは裏腹に此処十年―一般に≪夢幻≫の権利が民間にわたるまでの二年を除く―何の音さたもなく、ユーザー側があきらめを抱いていた時。
―現れたのだ、作った会社が、≪ggo≫と呼ばれるさして有名でもなかった注目もされない会社がMMOを。風評が悪くなったり、知名度のなさが騒がれたりしたものの―おおむね好感触な船出と、≪夢幻≫を使ったMMOという、ゲーマーなら一度はあこがれたシチュエーションは瞬く間に情報に火をつけ、その火は燃え上がった。
「げーむ?」
パソコン越しの通話の相手に聞き返す。
「ああ、≪夢幻≫で初のが三週間後に」
ハイハイと相槌交じりに聞く。
「MMOだっけ?」
少年は聞く。
そんな話に聞き覚えがあった、確か妹がβテストに参加したとかなんとか言っていた。
「ああうん、それそれ、で、俺は諸事情により、それのオープン時に行けないので代わりに行ってほしい。」
「…?なぜ?俺MMOやったことないんだが」
別に、オープン当日に必ずログインしなければならない必要などないはずだ。
「ああ、なんか、当日ログインすると特殊なものが手に入るらしい。」
―なるほど。
こいつの正確なら釣られるわな。と苦笑を浮かべて、仕方がないと思う。
「おkおk、把握。」
感謝する、と告げた相手に郵送して機材を送ってほしいというみねを告げて思う。
『まあ、これでちったぁ妹のこともわかるだろうしな。』
ニケ月前あれ以来、もうほとんど話さなくなった妹との接点であるのなら、まあいいか。
そう、この段階では考えていたのだ―これのせいで問題が発生するなどと思わぬまま。