場馴れしてない
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
※『小説家になろう』、『カクヨム』様にも投稿をしております。
注意事項2
生きにくそうな子が、生きやすくなることってあるんかね?
具体から抽象に押し上げるには、ある程度の経験と慣れが必要。たった一つの初見問題を与えられて、全て理解する事が難しい様に、物事を理解するには場数か必要なのだ。
だから私は問い掛けた。『具体と抽象を無意識に扱う事は出来ているけれど、意識的に操れてはいないね』と。
「君さ、私が以前『具体と抽象の行き来を意識的に出来たら苦労しない。そんなの、見よう見まねてホームラン打てたら誰しもメジャーリーグ行けるようなもの』と言ったじゃない?」
小学三年生。外れ値と思われる様な思考回路、そして達観した物の見方。けれども成績は平均という、なんとも偏った少女に話し掛けた。
彼女が外れ値なのは、その思考回路故か。彼女が孤独なのは、その思考回路に人間だけでなく、問題までも置いてきぼりにされているからか、其れは誰にも分からない。
ただそれ故に、一般的な生徒より『行きにくい』と感じているのは定かであった。自分で『スクールカート最下位』『友達いません。授業の二人組苦労します』『不思議ちゃんとか、何考えてるか分からないと言われます』と言うぐらいには。
本人はそれで『それで世界が上手くいくなら何も言うまい。何もするまい』と思っている様だが。
「もしかして例え、間違ってました?」
「あってるよ。多くの人は具体と抽象の扱いを無意識にやってる。意識的にやる人はほぼいない。ある意味、超絶レアケース。なんなら、メジャーリーグの選手より少ないんじゃない?」
彼女はやや訝しげに眉を顰めた。何か気に入らない事があると、こういう顔をする。
何処か人を見下した様な、ゴミを見るような目をする。最も、彼女にそんな気概はなく、単純に『おかしくない?』の表情がそれなのだろうが。その証拠に。
「じゃあ例えは間違ってますね。もしホームラン打てる才能が全人類に備わっていて、その才能に気付いてないだけならば、もっと多くの選手を排出しているはずだから」
「着眼点はそこじゃないよ。君が言いたかったのは『見よう見まねで技を繰り出す事は難しい。原理を理解して繰り出せるものじゃない』だから。
で、話を戻して、私がなんで『具体と抽象を意識して使えるようにしな』って言ったのかと言うと、問題に目を向けて欲しかったから。次にその場馴れをして欲しかったから。
例えば、算数の問題。1+1=2。これはまぁ初歩の初歩の計算方法。けれども何も算数の足し算の例題をこれだけ解かせて、はい引き算。1-1=0。にはしない訳でしょ?
絶対に何度か 1+1=2 の足し算の式を解かせる。 3+5、2+14、50+11。今挙げたのは単なる例え話だけど、そうした『式の例題』から規則性を導き出して、計算方法を推測している。
子どもとか、まだ慣れてない人には、幾つか具体例を出して、本質的な『抽象まで押し上げる』ってことをさせる。
で、私はまず最初に『具体と抽象を意図的に扱える様に』と話した。君の性格的に、それから何度が考え直したんだろう。あんまり分からないことをそのまま放置する感じの子じゃないし、違ってると思った途端、指摘入れるから」
眉間の皺が深くなる。どうやらつまらなかったらしい。話して良いと思うと、校長先生に引けを取らないぐらい延々と話してしまうのは、恐らく、どうしようもない悪癖なのだろう。
「何が言いたいんですか?」
「君が話したこと、私が話したとこ、周りが話したとこ、もっと良く観察して欲しいんだ。それからどういう動きで物を話してるか見て欲しい。大体、その人の癖が出るから。
抽象でしか話したがらない人は抽象でしか話さない。具体でしか話さない人は具体でしか話さない。勿論全員じゃないけど、どっちかに傾いてる事が多い。
君はもっと、会話に場数踏んだ方が良い。人を利用したいなら、なおのこと観察した方が良い」
「何故それを?」
「生きにくそうだから。せめて同じラインで会話出来る人を見つけられたら、少し息がしやすいんじゃないの? って。やってみないと何とも言えないけど」
先生がこの小学三年生に、異様に構う理由って、心配なんですよ。そりゃもう物凄く。
成績は平均かそれ以下。
皆自分より優秀だし。みたいな劣等感が常にある。
でも頭は良い。間違いなく。
人と自分の関係を見て、
『私が居なくて上手く回るなら別にしゃしゃり出ない。周りだって「変な子」って言うし、スクールカースト最下位で良い……』
『大人は子供に期待かけて、裏切られたら突然キレるし、男子は女子を弄って遊ぶし、女子は陰口叩くし。
……誰も信用しない』
ちなみにこの少女、表面では当たり障りなく、誰ともグループに所属せず、話し掛けられたら、
『そうなの〜』『えー、すごーい』
とか言う子なんですが。
問題事起こして、自分の立場を脅かさるの、これ以上悪化するの嫌。
たまにズレたこと言う。
話を読めば分かる通り、物凄くズレてる。
『適当な相槌打ってたその方が喜ぶじゃん。私の意見とか誰も求めてない。皆自分の話しかしたがらない。じゃあ、話させた方が上手くいく』
『スクールカースト最下位に、自慢話をするのは楽しいか? 自尊心を満たすために使うのは楽しいか? 楽しい振りしてやるよ』
先生が、相手が論理的な会話を求めているから、『話すかー』してるだけ。
みたいな擦れてるところがある。
子供って誰かの庇護がないと生きてけないし、一人で生きてけないから、ああやってグループ作って何かに所属する事で安定を得るんだと思うけど。
其の安心感がない。ないから不安定だし、『この子大丈夫か?』精神の先生。
だからせめて自分だけでも彼女の興味のありそうな話題振ってあげよう。みたいな所はある。
でもまだ自分の能力の扱いが無自覚だし、『私が出しゃばらないと平和』と思ってるから人を諦めてる。
まぁそんな先生と少女の関係性です。
で、具体と抽象について。
戦闘経験の差、とか、場馴れしてないから勝敗が決まった。とか聞いたことない?
『なんか厄介な術使うやつは手を使う。じゃあ手を切り落とそ』
『あー此奴、今までの経験から対策練ってくるから、短期決戦仕掛けるか』
みたいなの。
これって場馴れとか、戦闘経験と差から出る言葉なんだよね。
これがこの小説で話した、具体から抽象に引き上げられた段階。
今までの経験から共通点出して、
『あーお前もそう来るでしょ?』
ってところまで行くの。
別に敵が『私の弱点ココです!!』とか叫ばないけど、叫ぶわけないけど、何度目かの相手の具体的な行動から、目に見えない弱点を此方は見てる訳でしょ?
戦闘経験少ないと、初見で引っ掛け問題出されて、『はいはい。このタイプー』まで走る人は少なさそうなんだよねって。
だから場数踏んで、物事を見てね。
『貴方が嫌いな人間も、そうやって攻略していくんだよ』
『君は好敵手の方が良いかもしれないけれど』
そう先生が言ってるんですよ。




