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ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタと肝試しした話

掲載日:2026/09/16

 肝試しをすることになった。


 場所は「出る」と噂の廃病院だ。


 参加メンバーは俺を含めて6人。


 ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタだ。



 少し遅れて到着した俺は、頭数を数えて驚愕する。


 俺を抜いて、すでに6人が集まっている。


 要するに一人多い。


 現に、集まりの中に見知らぬ顔が混じっている。


 いったい誰だ…?


 嫌な予感に青ざめたのもつかの間


 「夕飯、食った?」


 と、ユウタが『見知らぬ人』に話しかけた。


 どうやら、彼はユウタの友人らしい。


 俺がほっと胸をなでおろすと、勇敢なことで有名なユウトが


 「よし!全員そろったからいくか!」


 と音頭をとった。



 持参した懐中電灯をつける。


 すると、ユウタの友人が


 「あっ。懐中電灯が必要なんだ…。」


 と、途方に暮れた声を出した。


 「俺、2個もってきたから1個貸すよ。」


 有職故実に詳しいユウキが、予備の懐中電灯を差し出す。


 「ありがとう!」


 明るく受け取ったユウタの友人は、しかしながら急に感慨深そうな顔をすると


 「地獄に仏とは、まさにこのことだよ…」


 と呟いた。



 ?!



 ユウタの友人のスピリチュアルな言葉が、なぜか胸をざわつかせる。


 「君…ユウタの友達なの…?」


 我慢できずに、そう尋ねると


 「いや。違うよ。」


 と、もう一人のユウタが否定した。



 ややこしい!

 

 

 そうこうしている間に俺の質問はうやむやになり、有袋類マニアのユウジが先頭きって廃病院に足を踏み入れる。


 中は当然真っ暗だ…


 と言いたいところだが、ロビーの奥に灯りが見える。


 でたっ!!!!


 俺が思わず腰を抜かすと


 「あっ!ようやく来たんだ!」


 と奥からフレンドリーな青年があらわれた。



 「なんだよ、おまえ。もう中にいたのかよ。」


 もう一人のユウタが青年に声をかける。


 どうやら、この『見知らぬ人2』は、もう一人のユウタの友人らしい。


 ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタと、ユウタの友人と、もう一人のユウタの友人。


 これで総勢8名になった俺たちは、懐中電灯を頼りにゆっくりと奥へ進んでいった。



 そのとき、ユウタの友人が激しく転倒した。


 「おいおいユウヤ、しっかりしろよ。」


 ユウタが、彼をからかう。


 どうやら、ユウタの友人はユウヤと言うらしい。


 ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタと、ユウタの友人のユウヤと、もう一人のユウタの友人と俺たちは、さらに二階へと上がっていった。

 

 

 そのとき、もう一人のユウタの友人が


 「悪い。ちょっと呼ばれているから、帰るわ。」


 と言いだした。



 何に、呼ばれてる?!!



 心配する俺をよそに、もう一人のユウタの友人は軽快な足取りで一階に降りていく。


 ところが、彼はすぐに戻ってきた。


 いや。正確に言うと戻ってきたのは、彼ではなかった。


 突如として現れたのは、もう一人のユウタの友人とは別人の『見知らぬ人3』。


 

 今度は誰の友人?!!



 ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタを見回すと、みんな「俺じゃない」という顔をする。



 え…?


 ひょっとして、今度こそ誰も知らない人…?



 背筋に冷たいものが走ったそのとき


 「あれ?ユウリはいないの?」


 と『見知らぬ人3』が拍子抜けしたような声を出した。



 「ああ。ユウリなら、先に帰ったよ。」


 もう一人のユウタが即答する。


 どうやら先ほど帰った、もう一人のユウタの友人はユウリという名前らしい。


 要するに、この『見知らぬ人3』は、もう一人のユウタの友人のユウリの友人というわけだ。


 こうして、ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタと、ユウタの友人のユウヤと、もう一人のユウタの友人のユウリの友人と俺たちは、今度は三階へと足を伸ばした。



 上がって早々


 「うわっ!今、なんかが地面を走ったぞ!!」


 とユウタの友人のユウリの友人が悲鳴を上げて、しりもちをつく。


 その拍子に懐中電灯が床に落ちる。


 俺が拾い上げると、持ち手の部分に「○○ ユウカ」と記名があった。



 どうやら、もう一人のユウタの友人のユウリの友人はユウカという名前らしい。


 女の子が欲しかった家の三男坊か何かだろうか。


 さらに、ユウジかユウキかユウトが


 「今、何かが俺の足下をかすめたぞ!!」


 と大騒ぎする。


 俺があわてて懐中電灯を向けると、そこにいたのは短い蛇のような生物だった。


 頭は三角形。


 そして胴体の中央部は、ビール瓶のように膨らんでいる。


 どこかで見たことがあるけど、絶対に見たことがないもの。


 俺が頭をひねっていると、ふいにユウヤかユウカが叫んだ。


 「ツチノコだ!!」



 こうして、ユウジと、ユウキと、ユウトと、ユウタと、もうひとりのユウタと、ユウタの友人のユウヤと、もう一人のユウタの友人のユウリの友人のユウカと俺は、奇しくも「UMA(ユーマ)」を発見したのであった。

問1)ユウリについて正しく説明しているものを選びなさい。

1.ユウタの友人

2.もう一人のユウタの友人

3.もう一人のユウタの友人の友人


問2)ユウキの特徴について正しく説明しているものを選びなさい。

1.勇敢なことで有名

2.有職故実に詳しい

3.有袋類マニア

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