表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/40

おまけ2

【お誘い】


「逢い引きでもしないか」


照れているのか、少し目線を逸らしながら彼はそう告げた。


「割引?」


「逢 い 引 き !誰も割引の話なんてしてないだろ」


それもそっか。あいびき……逢い引き……。


「逢い引きって、なんでしたっけ」


「逢い引きは、その...こ、恋仲の男女が、お忍びで出掛けたりだとか、そういう...」


ああ、そうか。つまりはデートというわけだ。いいね、The・恋人って感じがする。


「なるほど。いいですね、いつにします?」


「なんでお前はそう冷静なんだ」


「はあ、ドキドキしてるのは俺だけかよ……」


彼がちょっと拗ねたように呟くから、思わずきゅんときてしまった。なでなでして可愛がりたい衝動に襲われるが、せっかく整えたであろう髪型を台無しにするのは気が引けたので、そこはグッとこらえてちゃんと気持ちが伝わるように言葉にした。


「勿論ドキドキこそしてますが、私はどちらかと言うと貴方と出かけるのが嬉しくって、楽しみでわくわくしてるんです」


「あー…ほんとおまえってズルいよな」


そう言いつつも、顔が赤く染っている。どうやら機嫌はなおったみたいだ。


「お褒めいただき光栄です」


「次は覚えとけよ…」


彼はそう愛嬌ある悪役の捨て台詞のような言葉を零していたが、まあどんなことをしてくれるのか楽しみにしておこう。悔しがっている恋人を横目に、そう思いながら微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ