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超積極的ラブコメを展開しようと思う  作者: おんたけ
プロローグ
92/144

92 二人が出会った日


 俺と明里は中学時代、同じ塾に通っていた。


 地元では毎年、それなりの進学校に進学する生徒がそれなりに多いとされる、いわゆる中堅クラスだ。

 

「じゃあ、ここを〜……秋山、答えてみろ」


「は、はい!」


 いつも授業では生徒に答えさせる、警戒レベルの高いとされる教師。その日は、その教師の授業だった。


「え、えっと……」


 そこで、教師に当てられて答えがわからずに戸惑っている隣の女を見た。


「三番だ」


 答えが分かっていたせいか、つい余計なおせっかいを焼いてしまった。

 いつもなら、絶対こんなことしないのに。それが女なら尚更に。


「さ、三番です!」


「よし、正解だ。じゃあ、今から解説してくからな」


 教師がそう喋り出すと、さっきまで隣の女に注目の視線を向けていた生徒たちは、教師がチョークでカタカタと音を鳴らしている黒板に目を向けた。


「あ、ありがと……」


「おう」


 手助けをしてもらった隣の席の女が俺に礼を言い、それに俺が反応をする。ごく普通の流れだった。


 その後も授業は進み、やがて授業の終わりを告げるチャイムがなる。


「おーし、じゃあ今日はここまで。各自、復習はしっかりとやっておくように」


 多くの生徒が教師の言葉に返事をして、荷物をまとめて教室を出始める。


「あ、あの……」


 だが、俺の隣の女は一向に動こうとはしなかった。


 それどころか、またしても俺に声をかけてきた。


「……どうした?」


 自然と声に力がこもる。いやな予感がしたから。


 この時には既に後悔し始めていた。 


「さ、さっきはありがとう……何かお礼したいなって……」


 うつむき気味にそう言う女を見て、確信した。


 あぁ、やっぱりか……ほんと、余計なことしたな。


「いや、そうゆうのはいい」


 キッパリと断った。もう、作業になっていた。


 こういったことは、よくあることだった。


 こんなことを言えば、鼻につくだとか、自慢うざい、だとか思われるだろうが、俺は昔から顔が良い。


 そんなものは、親の遺伝だろうし、俺の努力によるものではないから、全く誇れるものではないと思うが、そんなことを言うと反感を買うから、いちいち言葉にはしない。


「で、でも……」


「いいって。じゃあ、俺はもう行くから」


 引き下がろうとしない女に俺は一言告げ、荷物を持ってその場を立ち去った。


 教室を出て、廊下を歩きながら、考えても仕方のない、くだらないことに頭を巡らせる。

 いちいち考えたくはないが、こうゆうことがあるとつい考えちまう。


 まただ……ほんと、めんどくせぇ。


 唇を軽く噛み、苛立ちを周囲に悟られないよう、堪える。


 なまじ顔がいいと、さっきみたいに声をかけられることはよくある。


 俺はそれが、何よりもいやだった。好きでもない女に、毎回毎回声をかけられ、好意をあらわにされる。


 それの一体、なにが嬉しいというんだろう? その度断って、俺が申し訳ない気持ちになる。

 俺は何もしていないのに。相手が勝手に変な感情を抱いて、俺がそれに応えられない。それで、どうして俺がこんな思いをしなきゃならない?

 

 だから最近では、今みたいに、ことが大きくなる前に突き放すようにしている。きっかけを、作りたくなかった。


 もちろん、声をかけてくる女がみんな好みじゃないとか、そうゆう問題ではない。

 客観的に見ても顔立ちの整った女に好意を寄せられたこともある。


 でもそれは、俺の外見に惹かれただけ。俺の()()なんて、何にも見ちゃいない。


 それが無性に腹立った。上辺だけで人を見る、そんな奴とは一緒にいたくないと思った。


「……」


 ……まぁ、さっきの女は可愛くもなかったけどな。


 そんな毒を吐きながら、玄関を出て、帰路に着いた。





 うっすら思い浮かべていた描きたかった話を書き始めました。



『本日のおねだりタイム』


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