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超積極的ラブコメを展開しようと思う  作者: おんたけ
プロローグ
88/144

88 作戦開始


 さて、どうしたものか……


 とりあえず、祭りを見て回る。そのあと優也と別れ、笹森さんと二人になる……


 よし。これでいこう。中身は何もない気がするが、これでいこう。


「雄二? これからどうするの?」


 一人で歩き出した俺に、後ろから追いついてきた明里が問いかける。


「とりあえず祭りを見て回って、いい感じのタイミングで……いやなんでもない」


 言いかけてやめた。ちょうどそのことを考えていたから、つい口に出るところだった。


「いい感じのタイミングで……?」


 が、時すでに遅し。不自然な会話を、明里は聞き逃さなかった。


「は、花火でも見ようかなって」


「……なんか隠してる?」


「隠してない」


「ふ〜ん?」


 目を細めて俺の顔を覗き込む明里。


 前屈みになった明里の顔は、やっぱり綺麗で。


「……っ!!」


 動揺してしまうのは、男なら仕方のないことだろう。


 ……それが、自分のことを好きだと言ってくれる人ならなおさらだ。


「……よし! 照れてる照れてる〜」


 達成感を感じさせるような笑顔で小さくガッツポーズを作る明里。


「なんでご機嫌なんだよ……分かっててやってるだろ?」


「まぁね〜。だってそれが目的だよ?」


「おいおい……勘弁してくれよ……」


 ガクッと項垂れる。

 明里ほどの美少女にこんなふうに見てもらえるのは、本当なら幸せそのものなのだが……


 笹森さんのこともあるし、喜ぶわけにはいかない。


 笹森さん……いちご……笹森さん……いちご飴……


 ……はっ!!


 男雄二。ここで閃いた。いちご飴を買いに行くという体で、笹森さんを連れ出そう作戦……ここに開幕だ。


 俺は辺りを見回し……


「あっ、いちご飴の屋台が」


 少し遠くに見つけた「いちご飴」と書かれた屋台の看板を指差す。


「えっ、うそどこですか!?」


 狙い通り、笹森さんは食いついた。


 具体的には、俺と明里の少し後ろを歩いて追いつこうとしていた笹森さんが、とんできた。いや本当に。

 さっきまでだいぶ後ろにいたはずなのに、魔法の言葉を発した瞬間、俺の目の前に瞬間移動していた。それくらい速かった。


「おっ、じゃあ、二人で買ってきたらどうだ?」


 ナイスアシスト!!


 俺はよくやった! と優也にアイコンタクトをする。


「えっ、みんなで行けばいいんじゃない?」


 ……が、そこに立ち塞がるは明里。

 

 まぁ、普通に考えたらそうだよな。俺だって、この作戦を知らなければそう言う。


「俺、射的やりたいんだよなー」


 しかし、俺の相棒はそんな真っ当なツッコミにも動じず、話を続ける。


「? じゃあ、いちご飴買った後に……」


「それだと、片手塞がるからうまく撃てないだろ? それに、そうしている間に目当てのものが取られちまう!!」


「そ、そう……?」


「あぁ。それにほら、あれ」


 優也は情熱的な説得を一時止め、射的屋に並ぶ景品の一つを指差す。


「あれって……あっ」


 優也の指差す方を眺めていた明里が動きを止めた。


「あれ、明里が好きなアニメのやつだろ? せっかくだし、取られる前に取りにいこーぜ」


 ナイス優也!! 明里の好きなもので釣るとは……今日の優也には脱帽だぜ。


「なるほど確かに……じゃあ、一旦別行動かな」


「ですね。じゃあ、また後で合流しましょう。私、マッハでいちご飴買ってくるので」


 本当にマッハ出すんじゃないかってくらい今の笹森さんには迫力があると感じさせられるから恐ろしい。


「じゃあまた後でな」


「うん。私もすぐに推しを救ってくるから!」


 そう言ってガッツポーズをつくる明里は、既に祭りを満喫しているみたいだ。


 よかった。これならしばらくは大丈夫そうだ。


 明里には悪いが……花火が上がるまであと二時間くらい。笹森さんとの甘酸っぱいひと時を過ごさせてもらう!!


 明里と優也に一声かけた俺は笹森さんと、いちご飴の屋台へと歩き出す。


 ……正確には、早足の笹森さんの後を追いかける形となった。




 世間的にもそろそろ祭りの季節になってきました。

 コロナの影響で祭りを楽しめない地域もあると思うので、この作品では楽しい祭りの雰囲気を伝えられたらと思います。

 

 ではまた次回!!

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