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超積極的ラブコメを展開しようと思う  作者: おんたけ
プロローグ
56/144

56 問

 

「なんか飲み物買ってくるね」


「あっ、はい。分かりました」


 昨日の回想から現実という名の幸せ空間に戻った俺は少しインターバルを挟もうと席を立つ。このままでは俺の心は持ちそうにない。





 笹森さんが……かわいすぎる……!! 笹森さんの手でパタパタされてるTシャツになりたい……!!(切実)


 ガチャコンッ


 俺は決して届かぬであろう願いを天に向け、自販機で買った桃のジュースといちごのジュースを手に取る。


 さて、まだ気持ちは全く落ち着かないが、笹森さんに早く会いた……笹森さんをあまり待たせるのもアレなので、図書館の中に戻りたい。


 はぁ……俺、今日無事に家まで帰れるかな……





「……」


 誘っちゃった……私、先輩を……


 勉強に集中しようとしてるけど、なんだか変な感じだな。私から先輩を遊びに……今回は勉強だけど……誘うなんて、今までなかった気がする。あれ? ってことは、今までは先輩が私を誘ってくれてたってこと……?


「〜〜っ!!」


 そう考えると、途端に恥ずかしくなってくる! え!? いっつも私、なんであんな平然としてたの? いや、そうでもない……? って、そんなことはどうでもよくて!! 


「私、なんか変だ……どうして先輩のこと……」


 こんなに気にしてるんだろう……


「お待たせー」


「ひゃっ!?」


 先輩のことを考えていたら横からいきなり先輩の声がして、思わず声が漏れた。それに、ちょっとだけ肩が跳ねた……


「あっ、ごめん! そんなに大声でもなかったんだけど何か考え事でもしてた?」


「あっ、いや……なんでもないです……大丈夫です」


 先輩のことを考えてました、なんて言えるわけない! 


 私はこう答えるのが精一杯だった。まだ少し肩が震えてるし……


「そう? ならいいんだけど……あっ、これ笹森さんの分ね」


 そう言って先輩は私に一本の缶ジュースを手渡してくれた。


 これは……


「いちごのジュース……」


 先輩が私にくれたのは、私の好きないちごがベースのジュースだった。


「笹森さん、いちご好きでしょ?」


 私がいちご好きなの、覚えてくれてるんだ……


「ありがとうございます……」


 こうやってさりげなく気を使ってくれるとこは好……いや!! そんなことないから!! ちょっと嬉しかっただけだから!!


「よかった。あっ、なんかわかんないとこあったら聞いてね? ただし国語と日本史のみ」


「ふふっ、そうですね。先輩、それ以外は教えてくれませんもんね?」


 ついからかってしまった……先輩は多分親切心で言ってくれてるんだと思うけど……私の悪い癖だ。


「いや、それ以外は俺も苦手なんだって!」


「ほとんど全部じゃないですか?」


 あっ、また言っちゃった。


「えー……」


 先輩は不服そうだけど、こんなふうに遠慮なく話せる年上の人なんて先輩くらいだ。明里さんは女の子だし、すごく話しやすいけど……男の人では先輩くらい。

 初めて会った時は、いきなり話しかけられて怖い人なのかな? なんて思ったけど。あれから結構長い間先輩と一緒に過ごしたんだなぁ……


 私はそんなことを考えながら、心なしかしょんぼりしてる様子の先輩に声をかける。


「先輩っ! ここ、教えてくれますか?」


 私はさっきから解こうとしている現代文の問題を先輩に見せる。集中できてないのもあるけど、集中できてても難しい気がする……


「もちろん! どこどこ!?」


 あからさまに喜んでるなぁ、先輩。そんな様子を見て私は少し笑ってしまう。


「ここです」


「え〜っと……」


『A子の心情が大きく変わっていった理由を五十五文字以内で述べよ』


 先輩はしばらく考える素振りを見せ、説明を始めた。きっとこれからも、こうやって一緒に勉強できるんだろうな。それをどこか楽しみにしている自分がいる。なんだか変な感じだ。

 

 こうして、私の高校生活最初の夏休みは幕を開けた。




 

 

なんとか初の三話投稿をクリアできました……


 よければチャンネル登録、高評価をお願いしま……じゃなくて、ブックマークの登録(お気に入り登録)と、広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして評価をしてくれると本当に嬉しいです! ではまた次回!!

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