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超積極的ラブコメを展開しようと思う  作者: おんたけ
プロローグ
44/144

44 運動会開幕


 ギラギラという音が聞こえてきそうな夏の一日。


 七月も半ばとなれば太陽が照りつけるのも納得だ。


 そんな中、わし高の運動会は始まろうとしていた……


「宣誓! 俺たちはぁ!!」


「全ての種目、競技においてぇ!!」


 暑苦しい二人の男達の選手宣誓によって……


「正々堂々とぉ!!」


「己の全てをぶつけぇ!!」


「類い稀なる運動神経をぉ!!」


「余すことなく発揮しぃ!!」


 しかし長ぇな……暑いんだから早くしろよ。


 この日差しの中外にいると、本当に足が焼けて地面にくっつくんじゃないかと思う。


 だから早くしろ。田中、斉藤。


「多くの女子のぉ!!」


「注目を集めぇ!!」


 なんか雲行きが怪しくなってきたぞ……女子って限定しちゃってるもん。


「これを機にぃ!!」

 

「彼女を作ることをぉ!!」


「「誓います!!!!」」


 ここ一番の大声で選手宣誓は幕を閉じた。最後まで息ぴったりなのな、こいつら。


 暑苦しかったのも納得だな……こいつら、全校生徒の前で彼女欲しい宣言をするとは……まじだな。


 奴らの目からは気合いがビシビシと打ち放たれている。


 しかし女子から見ればあの目は欲にまみれた獣の視線に見えるだろうな……あいつらがそれに気づいているかはわからんが。


 これが自分の友人だとは思いたくない。恥ずかしいわ。


 そう思い、田中と斉藤から視線を外す。


 あれ? でも俺も笹森さんに似たようなことしたような……?


 ……いや、気のせいだな。うん。勘違いはよくあることだ。


 俺は生徒の笑いと先生の叱責に包まれている田中と斉藤を見て考えるのを放棄した。きっとこれが正解なはずだ。





「次何?」


「リレーだな。クラス対抗の」


「ということは……田中が出るのか」


「だな」


 応援団と言っても、しっかりと応援するわけではなく、気が向いた時にそれぞれ応援する。


 だから特に見たい競技がない時はこうして同じく応援団になった優也と駄弁っている。


 でも次田中が出るなら応援するか……暑いからあんまり大声出したくないけど。


 さっき応援したばっかだし。


 でも斉藤なかなか頑張ってたな。優勝も夢じゃないぞ。


 俺はさっきまでやっていた綱引きの様子を思い出す。


 我クラスの誇る巨漢、斉藤が猛威を奮ってくれたおかげで綱引きで見事一位を取ることができたのだ。


 その功績もあり、俺らのクラスは全体で六位という好位置につけている。

 

 一学年六クラスずつ、三年まで十八クラスの中でこの順位は大健闘と言っていいだろう。


「おい! やべぇぞ!」


 俺がそんなふうに考えていると、ちょうど斉藤が俺たちの前に。


 だかやけに慌てた様子だ。斉藤がこんなに真面目な顔をするなんて珍しい。


「どうしたんだ?」


「田中が……腹痛でトイレにこもっちまった……」


 思ったより下らない話だな……斉藤の顔から察するにもっとなんかあったのかと思ったが。


 いや……まてよ? 田中がいないということは……


 何事もなかったかのように結論づけようとしたが、寸前のところで俺は考えを改めた。


「じゃあ……リレーはどうするんだ? あいつ、アンカーだろ?」


 田中は陸上部だ。中学の時から陸上をやっているため、間違いなくこのクラスで一番足が速い。


「まずいぞ……」


 斉藤にもどうしたらいいか考えついていないみたいだ。


 どうする……本当にまずいぞ。せっかくいいところまで来れたのに……


 俺たちの会話を聞いていた他の応援団のみんなもざわめき出した。


 もうリレー開始まで十分もないぞ……!! それまでに田中が戻ってこれる保証はないし、腹痛なら本調子で走れるとも限らない。


「他に走れそうな奴はいないのか?」


「ああ……アンカーはあいつしかいねぇから、補欠なんて考えてなかったんだ……」


 斉藤は悔しそうに顔を歪めている。



 ここまできたら、優勝したい。



 これは何も俺だけでなく、クラスみんなが思っていることだ。


 何かいい案は……


「じゃあ……雄二はどうだ?」


 俺が頭を捻って名案を搾り出そうと奮闘していると、隣の優也がふと口を開いた。


「え? 俺?」


「ああ。お前ならここ最近俺らと毎日走ってたし、その中でも一番速かっただろ?」


「そうなのか?」


 斉藤は一筋の光を見つけたかのように期待の眼差しを向けてくる。


「あ、ああ。まあ、そうだな」


 俺がそう答えると、


「頼む! もう時間がない! お前にしか頼めないんだ! リレーに出てくれ!」


「…………」


 斉藤がこんなふうに俺に頭を下げるなんてな……


 こいつはアホだが、クラスや他人思いなとこあるんだよな……


 斉藤に賛同するように、他のみんなも口々に頼む! お願い! と声を上げているのが聞こえて来る。


「はぁ……付け焼き刃だからあんまり期待すんなよ?」


 こんなに期待されてしまっては断れないだろう。


 やるだけやってみるかぁ。


「ほんとか!?」


「あぁ。時間がない。さっさと行くぞ」


 そう言って俺は既に他クラスの集まりつつあるリレーの所定位置へと向かった。


 ……と、カッコつけてるが、俺は()()()()に気がついたんだ。


 俺がリレーで活躍すれば、笹森さんに褒めてもらえるのでは……?


 この一つの考えが俺の中で生まれた。


 じゃんけんの敗北を今こそ払拭する時なのでは……?


 一度動き出した思考は止まらない。


 やるっきゃねぇぇ!!


 そんな下心と、確かな勝利への渇望を胸に、俺は歩みを進めた。


 



 楽しくするとか言っておいていきなりハプニングになっちゃいました。てへっ! 


 運動会の話は結構長くなるかもしれないし、ならないかもしれません。


 ……要するにまだ考えてません。はい。ちゃんと考えます。

 

 というわけでまた次回!

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