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超積極的ラブコメを展開しようと思う  作者: おんたけ
プロローグ
40/144

40 もう一つの思惑

 五時間目のロングホームルーム。私は運動会で何に出ようか考えていた。


 雄二がどんな種目に出るのか聞きたかったけど、話してるのを邪魔するのはなぁ……


 私は自分の席から田中君たちと話す雄二の姿を遠目に眺めていた。


 せっかくの学校行事なんだから、雄二にちょっとでも私のこと意識してもらえたらなぁ……なんて考えてるんだけど、どうすればいいのかが分からない。


「う〜ん……」


 私が唸っていると、


「明里〜、何出る〜?」


 西川春美(にしかわはるみ)……春美が声をかけてきた。

 春美は、このクラスで数少ない女子の一人だ。女子が少ないせいか大抵どの人とも話すけど、その中でも春美とは特に仲が良い。


「ん〜……考えてるとこ」


「やっぱり安達君と一緒のが良いとか?」


 にやにやと楽しそうな笑みを浮かべて春美は私を見ている。


「ちょっと……聞こえたらどうすんの……!」


 雄二に聞かれたら死んでしまう自信がある。


「話に夢中みたいだし大丈夫でしょ」


「そうだけど……」

 

 まったく春美はたまに無神経になる時があるんだから……


「で? どうするの?」


 私の気持ちなど何も届いていないようで、春美は話を戻してきた。


「雄二に意識してもらえたらなぁって……」


 今は雄二の中には奏ちゃんでいっぱいなんだろうけど、まずはそこに私の入る隙間を作りたい。


 そのために私を恋愛対象として見てもらいたいなぁ……


「友達もいいけどさ……」


 いろいろ考えてしまってつい独り言が漏れてしまった。


「ふ〜ん? 女として見てもらいたいってこと〜?」


 しかし春美は私の独り言を聞き逃してはくれなかった。

 さっき以上に楽しそうな表情で確信にも近い質問をしてくる。


 もうこれは言い逃れできない……まったく春美はあ!


 私は諦めてこれ以上の拷問は受けまいと自白する。


「……まあ」


「あはっ! やっぱり!」


「もう! からかわないでよ!」


「はははっ、ごめんごめん。でもその心がけや良し!!」


 そう言って春美はグッ! と親指を立てている。


「もうっ……」


「そんな健気な明里ちゃんに一つアドバイスをしてあげよう!」


 春美はどこか得意げにそう言って運動会のプログラムを取り出した。


「え〜っと……あっ、これこれ」


 春美はプログラムをペラペラとめくって、探していたページを見つけたのか、プログラムを開いて私に見せてきた。


「障害物競走……?」


 春美の開いたページには障害物競走と大きく書かれた見出しが載っていた。


「そっ!」


 障害物競走の内容を一通り見ていくと、一つ気になるものがあった。


「愛と勇気の借り物競走……?」


 なんだろう、これは。こんなの去年はなかったよね……?


「説明欄見てみて!」


 春美の指示に従って下の説明欄を見てみると、そこには……


「参加者が借りるのはタイプの異性! ドキドキな運動会にしちゃおう!」


 と、書かれている。なんでこんな文化祭のノリなの? ていうか誰がこんなの考えたんだろう……


 春美はなんでこれを……?


 まさか……


「まさかこれに出るの?」


「もちろん! 借り物競走で安達君に声かけちゃいなよ!」


「そ、そんないきなり……」


 全校生徒が集まる中、雄二に声をかけるなんて……!! それってもう、公開告白みたいなものじゃない!?


「でもそしたら安達君も明里のこと気にしてくれるんじゃない?」


「う〜……そうかもしれないけど……」


 春美の言っていることは分かるけど、やっぱり恥ずかしい……


「まぁ、やっぱり恥ずかしいよね」


 春美もその点は分かってくれてるみたい。


「でも行動を起こさないと、安達君他の子に取られちゃうかもよ?」


 ……!! そうだった……既に雄二は奏ちゃんのことが好きなんだ。


 その状態から私は雄二を振り向かせようとしているんだ。


 だったら……


「私……出るよ!」


 心配そうに、だけど私を奮い立たせようとしてくれている春美に私ははっきりと言い切った。


 このままじゃ奏ちゃんと雄二が付き合うのをただ黙って見ているだけだ。……そんなのは嫌だ。


 雄二は奏ちゃんの家に泊まったり、二人きりでデートしたことがあるのに私はまだそんなことしたことがない。


 私だって……もっと雄二のそばにいたい!!


「明里……」


「やっぱり恥ずかしいけど……ここしかないから。このチャンスは逃しちゃダメだから……頑張るよ!」


「さすが明里だよ! 攻める気持ちが有ればきっと今の関係は変わる! 明里ならもっと近づける!」


「ちょっ、ちょっと声が大きい……! ……でも、ありがとう」


 テンションが上がった春美はまた声のボリュームが上がり始めてしまった。


 でも、春美のおかげでなんだか頑張れそう……


 私をそんな気持ちにさせてくれた春美に、私は素直に感謝の気持ちを伝える。


「ごめんごめん……つい興奮しちゃって……」


「いいよ。春美のお陰で頑張れそうだし!」


「はははっ、だったら良かったよ。私も応援してるからさ!」


「ふふっ、ありがとう」

 

 よーし! 頑張るぞー! 絶対に雄二を振り向かせてやる! 私のことを意識させてやる!


 運動会という高校生活の一大行事。私にとっては恋の一大行事。


 私はやる気に満ちた姿勢で、全体での話し合いを待つ。


 と言っても、こんなのに出ようと思うのは私くらいなものだろうから、話し合いは必要ないかもだけど……

 他にキャラの出番増やさないとー、とか言っておいて新キャラ出しちゃいました。(でも他のキャラの出番は増やそうと思ってます。……ほんとですよ?)



『本日のおねだりタイム』


 ブックマークの登録(お気に入り登録)と、広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして評価をしてくれるとこの作品にポイントを入れることができます!


 おかげさまで今回、総文字数が十万文字を超えました!!


 ここまで続けられるとは自分でも思わなかった……


 これからも、前から見てくれている読者のため、新しくこの作品に触れてくれる読者のため、そして自分のためにも書き続けたいと思います!! 本当にありがとう!!

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