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プロローグ

まず初めに、この作品はリハビリ作品なので、文の構成やらキャラ設定やらが話を追うごとにコロコロ変わります

しかも作者の好き勝手を詰め込んでるので大筋のストーリーがグダグダです

あれをしようと思ってたら違う展開になってる、なんてのもあります

それでも読んでいただけたら幸いです

 森の中で、少年と少女が向かいあう。少年は弓を持ち、少女は手ぶらだ。少年は怯えているのか体が震え、少女は微動だにしない。


 少年は動くことができない。少女と呼んでいるが、実際には少女の形をした何かだ。少女の姿をした何かは体が影のように真っ黒で、目が赤い。少年はそんな化け物に畏怖しているのだ。


 少年は心の中でつぶやく、「なぜこんなことになったのだろう…」と。


 これは、周りから馬鹿にされて、自分に自信を無くしていた少年が、世界を救う物語…



□ □ □ □ □ 



 少年の名はアルフォード。


 家族を含めアルという略称で呼ばれている。アルの暮らしている村はギルバート王国という国に属していて、人口百人にも満たない小さな村だ。基本的には畑作業をしつつ、近くの森で動物を狩ったりして生計を立てている。その森にはたまに魔物も出るため、村には何人か国から衛兵が派遣されていたりする。


 アルの家は両親と妹の4人で暮らしている。アルの妹はアルから年が二つしか離れていないというのもあって、割と仲が良い。そもそも男だろうが女だろうが、この村ではある程度の年になると畑仕事や狩りに出されるので性別の違いなど大して関係ないのだが。あるとすれば男のほうが力持ちくらいだろう。


 ある程度の年齢になると畑仕事や狩に出されるが、アルだけは特別だった。アルは何の才能もなかった。何をやらせてもダメ。狩りに出させ、弓を打たせてもまっすぐ飛ばないのでまず標的に当たらない。


 畑仕事ではダメなところはないだろうと思ったが、鍬の振り方など技術的な部分で下手すぎてアル本人がすぐに体を悪くする。この村では男も女も基本的にできる家事ですらやっとこなせるような状態だ。

 

 まるで何もできないことが才能かのような。

 

 ただ、料理の技術だけは人よりもあったので家庭内ではそこまで冷たい態度は取られなかった。


 しかし、人口が少なく全員知り合いのような村では別だ。畑仕事も狩りも村全体でやっているようなものなので、アルが何もできないことでアルは冷たく見られていた。


 もちろんアル本人も自分が家族や村の何の役にも立たないことが悔しくないわけではない。陰で弓の練習をしたり、ほかの村人の畑仕事の動作など、自分ができないことが多い分できる人を見て、自分と違うところを分析して少しは改善しようした。


 だが、結果は変わらず。少しは良くなったものもあるが、大体は変わらないままだし、変わったものも微々たる変化すぎてほぼ変化なしといった感じだ。


「俺ってなんで産まれてきたんだろ」

「そんなに落ち込まないでください。お兄様にもきっと得意なことが見つかります」

「あ、うん…そうだよな…」


 妹のソフィアはそういうが、逆にその言葉がアルを傷つけている。

 

 ソフィアは御伽噺や英雄譚の本を読むのが好きで、その中でもお姫様に憧れているらしく、両親のいないときはアルのことを「お兄様」と呼んでいる。アルは大して気にしていないが、親はいい身分でもないのにお兄様という呼び方を妹がするのを気持ち悪がっている。


 そんなこんなで村人には冷たい目で見られ、家族からも冷たい目では見られないながらも、どこか居辛くなってきたアルは、日中は森に出ていることが多かった。森の中ではあまり人に出くわさないし奥地に行かなければ危ない動物や魔物に出くわすことも少ないからだ。


 だがある日、それは突然に。事件は起こった。


「なんだ?この匂い」


 いつものように使い物にならないがないよりマシの弓矢を持ち、いつものように森を散策していたアルは、いつもとは違った森の匂いと異様さに気が付く。どこか生臭く、鼻の奥をつくような刺激臭、いや腐乱臭。アルが今いるのは森に入って少しくらいの場所だが、動物が死んでいて放置されているのならその臭いにつられて獰猛な動物や魔物が来てもおかしくはないため、もしそうなのであれば早めに埋めたかった。


 恐る恐るその匂いの元に近づくアル。だがそこにあったのは動物や魔物の死骸ではなかった。


「ひっ!」


 そこにあったのは、内臓を食い散らかされ、無残に殺された人間の死体。いや、頭に獣の耳が生えているところから察するに獣人の死体だ。それもアルと同じくらいの年齢の少女。


 この世界には人間のほかにも動物の特徴を併せ持つ獣人と、魔物の特徴を併せ持つ魔族、そのほかにもエルフなどの亜人族も存在する。


 アルの知る限りではこの付近に獣人が暮らしているような集落はなかったはずだ。だが、そんなことを考えるよりも前に、初めて人の死体を見たということから心臓の鼓動が早まる。


「はあ…はあ…深呼吸…」


 涙目になりながらもゆっくりと深呼吸をして呼吸を整える。動物などを解体していたりする場面を何度も見てきていたのが幸いし、落ち着くのは意外にも早かった。


 取り乱している場合ではないのだ。魔物などが来ないためにも早く燃やすか埋めるなりして遺体を処理しなければならなかった。


「ごめんなさい…うわ!?」


 死体を埋める前に何か遺品になりそうなものがないか探そうとその遺体に触れた瞬間、その遺体が闇にのまれた。わかりやすく表現するのなら遺体が影のような禍々しい泥のようなものに包まれたのだ。こんなことなど初めてなので驚いたアルは、慌てて手を離した反動で尻もちをついてしまった。そのまま危なそうなので少し後ろに下がる。


 闇に包まれていた遺体はグチュグチュと音を立てていて、しばらくすると包んでいた闇は消えた。


「な、なんだよこれ!」


 闇が消えた場所にいたのは、先ほどの獣人の少女を模ったかのような、目が赤く、姿がどこまでも吸い込むかのような漆黒でできた何か。


 そんな何かが起き上がり、じっとアルのことを見ている。


「うわぁ!来るなあ!」


 頭が恐怖で支配されたアルは立ち上がり、がむしゃらに弓を引きその何かに向けて放った。矢は才能のないアルにしては会心の出来で、奇跡的に黒い何かの方へ向かっていき、そして貫通した。


「…はあ!?やっとちゃんと飛んで行ったってのに!当たらないのかよ!」


 もう駄目だとばかりに叫ぶアル。だがそこで少しだけ冷静さが残っていたアルの脳が異変に気付く。


 人は死に、そして長時間埋葬や火葬されずに放置されると、その怨念からゾンビや高位にもなると意思を少しだけ持つレイスやリッチになったりするというのはよく知られている話だ。そういった悪霊や魔物たちはその怨念から人であれば誰であろうと襲い掛かってくるのも知られている。


 悪霊などは特に霊体という仕組みが解明されていない体の構造をしているため、物理攻撃が通らないのは有名だ。


 だが、この目の前の黒い何かは矢は通らなかったものの、敵意があるようには感じられず、それにアルの存在に気が付いていないわけがないのにいくら経てども襲ってこない。ただその場に立ってぼうっとしているようにも感じ取れた。


「なんだこいつ…襲ってこないのか?お前は何者なんだ!」


 叫ぶように質問を投げかけるアルに対し、黒い何かは首を傾げる。まるでよくわからない、といった表現をしているようだ。


 ここでアルは頭を働かせ、一つに結論に至る。「もしかすればこの何かは俺と意思疎通ができるのかもしれない」と。普通の人であれば絶対にそういう結論には至らないが、アルはその無能さから差を埋めるために色々な本を読み、知識をつけることにも人一倍熱心だったため、頭はよく回ったのだ。


 そのためアルはいろいろと実験をすることにした。



□ □ □ □ □



 いくつか実験を繰り返し、この存在について色々なことがわかった。


1つ。この存在にはきちんと理性があり、質問に対しては首を縦に振るか横に振るかで是か非を表している。

2つ。質問の内容は必ず是か非で答えられるものでなければいけないらしく、回答が複数ある質問などに対しては首を傾げ、わからないという意思表示をする。

3つ。この存在はどうやらアルに服従しているらしく、仲間なのか?という問いに対しては是か非という質問だがわからないと首を傾げ、奴隷か?という質問では少し悩む素振りをした後頷いたため、おそらく主がアルだというのは間違いない。

4つ。アルの命令なら基本何でもこなせるらしく素直に頷いてくれる。例えば荷物持ちや護衛といった物もできるようだ。複数の命令を同時に出してもこなせるらしく知性はある程度高いようだ。

5つ。この存在は一人ではないらしく、他に増やせるらしい。方法は死んでいて、尚且つ人である者にアルが触れること。


「なるほど…こんなとこか」


 様々なことが分かったアルだが、混乱しないようにすぐさま情報を頭の中で整理する。答えたことが真実なのであれば、これはアルと主従関係にあり、さらに知性もありある程度言うことを聞く味方ということになる。


「すべてを信じることはできないけど、ひとまずはわかった。信じよう。でも名前がないのは呼びづらいな。こいつとかお前って呼ぶのも嫌だし…そうだ!一人じゃないならこれから増えるかもしれないし、きちんとした名前を付けよう。まあ、増えないように他の死体に出くわすような事態に陥りたくはないが」


 名前がないと呼びづらいので種族名をダークシャドウ、この個体の名前を元は女性の獣人であったため元の記憶があるのなら名前を木の枝で地面に書いてみろと言ったら、「エリス」と書いたのでエリスと呼ぶことにした。どうやら死ぬ前の記憶も少しはもっているようだ。ただ是か非で答えられる質問しかできないので生い立ちやらなぜ死んだかは聞きだすことができないが。


「わかった。エリスだな。よろしくエリス」


 アルの挨拶と、同時に出された手にエリスは首をかしげながら手を握る。握手はできるらしい。よろしくと言われたエリスは嬉しかったのか、笑って見せた。その顔はぎこちないながらも、アルはかわいいなと思ったのだった。



プロローグを読んでいただきありがとうございました

いかがでしょうか?興味を持って頂けましたでしょか?まだまだキャラクターは少ないですが、これから少しずつ増やして行くつもりなので楽しみにしていてください

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