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MAGICA NEAT  作者: 孤独
第32話『お断りです!ブルーマウンテン星団VSスリープハンズ教団!性癖爆発のギリR_18バトル!』
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Aパート

「んん…………」


蒼山が意識を取り戻した時、綺麗な青空が広がる街中にいた。人通りは適度にあり、仲間連れやらカップルといった連中が街を出歩いている。

そんな自分はいつものアニメグッズを両脇に抱え、誰かを待っている気がした。

……そーだ。これから部下達と新作の薄い本作りのために、


「"スペースロリキュア、親子丼大作戦"を見に行くんだった。あの魔法少女映画はたまらんですなぁ。田所は良いアニメを紹介してくれる」


蒼山ですら、20代。宇多田達は40代のおっさん達。そんな危ない男共が横に一列並んで、対象年齢が5歳ごろの幼女達が楽しみに見ることだろう、魔法少女映画をこれから見に行くんだ。

両脇に抱えているグッズはその応援グッズ。

みんなーーー!ロリキュア達がピンチの時はこれを振って、全力で応援してくれ。


「でゅふ、でゅふふふ。ロリキュアを応援しますぞ」


キモッ


「いけないいけない。この前、猪野春と騒いで映画館から注意されたんだ。自制しなければ」


宇多田は映画よりもそれを見に来る家族連れに、ターゲットを絞り。

猪野春はその場のノリで騒ぎまくり。果てには、子供達とノリノリになる爺か。

田所と安住は真面目に視聴。っていうか、2人はロリキュアマニアなので紳士な視聴者。

並河は幼女達に声をかけて、ポップコーンをプレゼントする怪しいおっさんになる。



やっぱり、この人達といるのは楽しい。

因心界と戦う道ではなく、……僕達が生きている間、僕達が楽しむ……。



「蒼山ーー」

「?」


聞き覚えのある女の呼び声に、蒼山はその方向を期待して見てしまう。さっきまで部下達とのやり取りを思い出しながら、楽しいとか思っていたくせに。


「もーっ!私と今日はデートなんだからぁ。もうちょっとカッコイイ服を選んでもいいのよ」

「キッス様ーーー!?」


自分とデートの約束!?

そんな約束をしたのなら、遺言にでも綴りそうな出来事を……。


そーいう思考の前に。

このキッス自ら蒼山の肩を握って、大きい胸で当てながら


「もーっ、映画見に行くんでしょ?何を観る?」

「そ、そ、そそ、そうですね!!キッス様にも映画の中に入りやすい、えーっと、あー。そーそー!ハリウッドの人気な奴!全米が感動した映画、それ観ましょう!!」

「やったーー!」



そうだった、キッス様とデートだった!東京駅を奪還して、平和になったら映画を観に行こうって約束したんだ。あっぶねーー!約束の日を宇多田達と同じ日にしたの、うっかり忘れてたわー!やっぱおっさん達や男友達より、憧れの恋人だよ!!僕の青春は今さ!!

映画館に入るまでもずーっと、キッスが自分の腕を掴んでくれて甘えてくれる。こんな甘える姿を自分に見せてくれるだけで興奮してしまう。

蒼山は鼻息を荒くして、……ベッドシーンまである映画に切り替える神采配。

隣に座って一緒に映画を観るなんて、カップル。そしてその状況で横を見ないで、自分の右手とキッスの左手を重ねて通じ合うというラブラブ展開。

映画の内容がまったく頭に入らない。早くベッドシーンに行け。この後はご休憩をしましょうって、誘えるシーンよ来い。

そして、ついにそのシーンに差し掛かったとき



ギュッ



「ちょっと蒼山。浮気ってどーいうつもり?」


自分の左側から突如、掴まれる。肩を掴まれ、こちらもキッスと同じくらいの巨乳にして、良い大人の香り。


「こ、粉雪様ぁぁ!?なんでぇぇっ!?」

「私もあなたとデートのはずだったのに、なんでキッスとデートなの?」

「えええぇぇっ!!?」


なんじゃこりゃ!!涙流しながら、しかも隣にいた網本粉雪に掴まれる、蒼山。

さらにグイグイと胸を当てられ、映画が丁度良いシーンが自分に降りかかっていて、それでいて修羅場。


「私の方が胸の形はいいわよ」

「え、ええっ。ちょちょちょ!落ち着け……僕。粉雪様も僕の好みな大人のおっぱいを持っている。ただ大きいだけの白岩にはない、魅力なのだよ。巨乳は万歳だけど」

「あら、蒼山。私と粉雪のスタイルはそんなに変わらないんじゃない?だったら、あなたの好みに従えばいいじゃない」

「そーそー。キッス様は僕の憧れで……」

「納得いかないわ」

「私も右に同じだ。蒼山、しっかり選んでくれ」



映画どころじゃなくなり、今度は連れられるまま。なんとラブホテルまで来てしまった3人。

ぱっぱと部屋を借りると。上半身裸、パンツ一枚の男で、下半身を抑え込んでいる蒼山がベットの上に……。

そして、シャワーを浴び終えたキッスと粉雪が、



「うほぉぉっ」


バスローブ姿で蒼山の前に現れた。

美しい両のおっぱいが奏でる双極。胸から腰、お尻までのラインが綺麗。そして、顔までも美しく仕上がって、シャワー後の香りもまたそそられる。


「さぁ、蒼山」

「どっちの体が好きか」


粉雪とキッスの2人が、蒼山の両肩に迫り。バスローブの上から胸を握らせてくれる。

キスまでならまだいいが、頭の中はもうここからR_18まで妄想。


「あ、あ」


ダメだ。もう我慢できないっっ。



ドゴオオオオォォォォッッ



瞬間、ラブホテルに落ちてきたのは誰のものでもない下着ではあった。

それがラブホテルをぶっ壊した正体ではなかった。

ヒラリヒラリと舞い降りて、蒼山の頭に乗る下着。彼がいた部屋で倒れる涙キッスと網本粉雪であったが、……その顔はモザイクをかけられた人間であり、体格もまた彼女達とは違っていた。



「はぁ~~~」



ラブホテルをぶっ壊したのは、蒼山だ。

そして、見る見る内に目の前が渦巻いて、景色が一気に変わっていく。



「妄想エロに付き合うのはここまでだ!!調子のんじゃねぇよ、スリープハンズ教団!!」


当たり前だが、キッスも粉雪も。寝手が作り出した理想を見せる幻であった。


「身体も顔も、かおりも、甘え方からも僕の理想通り!だけど、キッス様達がどんな下着をつけているのか、僕は知らなかったから君も実現できなかった!そしてなにより!!キッス様達が理想通りにある女なんかじゃねぇーーんだよ!!僕はぁぁっ!!2人を○奴隷にして、屈服させるんだよ!!」



猛る。猛る。



「土下座バックにキメて、あの冷静沈着さとプライドをグチャグチャにして、肉欲しか生きる希望を持てない堕ちた女にし!!女に人権なんぞ与えねぇ世界を作る!!ブルーマウンテン星団を、テメェ等妄想童貞集団と一緒にすんじゃねぇぞ!!」



ブルーマウンテン星団VSスリープハンズ教団。

この東京駅奪還作戦において、最大の戦闘であり、ここが決着の鍵となるところになった。



◇      ◇




紛らわしくて、誤解されやすい事ではあるが、



「『まどわせ、フーロン』」



蒼山と寝手には、別人格がおり。妖人化の名前まであるせいで、3つの名を持っている。

そして、寝手の妖人化、フーロンは妖精であるアセアセを傍に置く必要性がない。白岩とヒイロのコンビと似通っている。

呪文のように、意味を告げるだけで簡単に妖人化ができる点では非常に有能なのだが、アセアセはそれで寝手フーロンの状況を知る事ができず、寝手フーロンも同様にアセアセの状況を知れない事は差別点となっている。



「相変わらずデタラメな妖力ですよ、フーロン」

「個人的には、今はスリープハンドって呼んでもらいたいね。信者達の前だ」


寝手もアセアセも多少の差があるが、幻術を使いこなせる。

力を共有するのだが、寝手の持っている力はズバ抜けて高く、幻術をガンガン使いこんでもまったく減らないほど。

妖人化の資質でいえば、……人間として恐ろしくクズであるが故に与えられた、神の如き力。アセアセが日頃、介護染みた扱いをしなきゃいけない人ではあるが、それに十分なお釣りが来るほど。



ピポラパピーー



東京駅の戦場。すぐ近くでは、革新党VSムノウヤ達。天候も大雪と……戦うには危険過ぎる中、一般人の多い信者達に来いというのは無理な話。

しかし、スリープハンドはリアルにネット中継を始めて、信者達にも観られるようにする。



「スリープハンズ教団の諸君。これより、私達が提供するのは理想である夢そのものだ」



怠け者だが、何をやらせても天才。ネット配信者にして登録者人数、複数アカウントを入れて75万人規模。スリープハンズ教団の信者の数はおよそ13万人。ネットの向こう側で信者達は楽しみに願い続ける。それだけで救われる幸せを得られる。一生生真面目に生きていても、味わえないようなこと。出会えない事を可能にするのが、妄想力。

引き込んだら離さない。




「スリープハンド様、万歳!」

「早く幸せを見せてください!」



多重に幻術を絡ませ、信者達の想いを纏めて、具現化していく人間。

アセアセ自身もドン引きしているスリープハンドの実力は



ズズズズズズズ



「スリープハンズ教団のマスコット、アユチャンだぞーー!」

「マリア・スカーレスも来ました!」

鬼武きぶ……見参」


美少女、美青年。それも妄想の類いで幻術により、現実に産み落とす。

ひとまず、3体。


「じゃあ、ブルーマウンテン星団を殺しにいってくれ。ラフォトナは僕がやる」


作り出したフーロンが彼等の操作権を握り、向かってくるブルーマウンテン星団へと差し向ける。


「アセアセ。君も行きなよ」

「いえ、私は寝手と一緒にいます。私は戦う相手より、護りたい相手がいる側ですから」

「………巻き込んでも知らないよ」

「自分の事くらい自分で護りますよ」



シュワ~~~~~



東京駅の正面にはアセアセが発生源となっている、不思議な霧が発生していた。この霧の中に入った者達は自身の記憶から、甘い幸せを脳内で作り出させ、足を止めさせる。

ブルーマウンテン星団達はその霧の中に入り、皆それぞれ。作られた甘い幸せの幻に浸ってしまったが。



バリイィッ



「温い」

「青春する歳じゃーねぇ」


彼等の悦びは、"甘い幸せ"などという温いエロで収まらない。欲望はどす黒い色だ。


「ふぅー……。ちょっと、キッス様と粉雪様のパンツでも嗅ぎに行こうかな」

「ラフォトナ様」

「確かに僕の想像した通りの香りだったけど、本物のパンツを眺めて、足とお尻を舐めるように嗅ぐ達成感は幻術では得られない」


少しの幸せでは満足できない。リアルに生きたい、リアルに叶えたい。それを幻で浸って終わりにするわけがない。

ブルーマウンテン星団の進行から見て、東側。

丁度、クールスノーの雪崩が東京駅に向かっている時だった。


「宇多田。しばらく、みんなを任せる」

「1人で行くつもりですか?」

「クールスノーもキッスも、儂は興味あるぞぃ。あいつ等をひん剥いてやりたい」

「写真を撮ってきてやるからさ。猪野春。僕1人で行く」



それじゃーって感じで、意外にもラフォトナの方が気だるげな雰囲気。別行動をとった理由にメンバーは


「はー、私達の手を借りたくないという事ですかな?統括もやる気ですな」

「スリープハンドは私達の連れでもあった。相容れんが……」

「そんじゃあ、宇多田。やっぱり、スリープハンドの幻術という妄想を破るのは私達の役目で間違いないよな」


自分達の信じるトップのための、援護。


「雑魚達は我々が引き受ける。スリープハンドへの道を切り開くのが、私達の役目」

「にひひひひ、疼く疼く」



美青年もいるが、作り出している幻術で生み出している生物の性別は♀が多い。敵とはいえ、鼻息を荒くしてしまう一同のど変態ぶり。

ラフォトナは東回りで東京駅に向かい、宇多田達はそのまま正面へ。メンバーは固まって行動をとってはいたが、



キーン……キーン……



「頭に響く。鐘みたいな音も幻術の合図か?」


5人揃って真っ直ぐ進んでいる。ほとんど隣になって並んで進んでいるが


「田所、安住。お前等、体が薄くなってねぇか?」

「俺からみると、猪野春や並河、宇多田だって透けて来ている」

「声もやたらと遠く感じる。となると、どーやら俺達は引き離されたみたいだな」


リアルに感じる幻術の中で、本当のリアルを感じる。鐘の音が聴こえた辺りから、どーやら自分達はバラバラの方向に歩かされていたようだ。



キーーーーーンンッ



高い鐘の音が響いた時。それぞれの戦いの間合いに入った。



「いひひひひ、儂はアタリだのぉ~~。女。それも、妖精のアセアセかぁ~~」

「ブルーマウンテン星団の"最強"とくれば、今はあなたが来るはずです。あなたはアセアセが相手をします」


猪野春VSアセアセ


「1つ、貴様に注文しておこう」

「……鬼武きぶ、お前を殺す」

「幼女に変身しろおおおぉぉっ、ペロペロ頬を舐めても男じゃ楽しめねぇだろうがああぁぁっ!!」


宇多田 VS 鬼武きぶ



「だはははは、宇多田がハズレを引いたみたいだな。こっちまで聴こえる」

「こっちは3人1組で間違いないかな?」

「ああ。私はデシーアで宇多田達の正確な居所を掴む事にするから、田所と安住は戦っていてくれよ」



田所+安住+並河


「アユチャン、悲しーい。おじさん達がお相手ー」

「でも、誰でも変わらなーい」


アユチャン+マリア・スカーレス。



◇      ◇



クールスノーの大雪が降る中。

東京駅正面。

バスターミナル付近では、猪野春VSアセアセ。

その形ではあるが、猪野春の視線はこの戦いのボスであるフーロンに向いた。


「余裕ぶってるな。あそこが真実かは知らんけど」

「…………」


東京駅正面入り口には、フーロンが1人で待機。彼の視線は幻術でなければ、アセアセの方に向けている。寝転がっているのが、少々ムカつく。

地下鉄の入り口付近に、田所達。

タクシー乗り場に宇多田と鬼武。

3箇所の戦闘はいずれも、視界で捉えたり、音を聞けたりする程度の距離。連携だってとれなくはない。


「クールスノーの雪が鬱陶しい」


クールスノーの攻撃まで届いてしまう。

作戦の段階ではこの正面には降らせない予定だったが、……。


「まぁいい。始めよか、アセアセちゃん」

「!」

「恥ずかしいほど、必死に締めてる○○コとケツの穴から血を流して死んでもらうぜぇ」


けっけっけっ。そう笑いながら、交戦の体勢をとる猪野春。それに対し、アセアセは静かに挑発を返す。


「爺、喋るな。口と体からカビついた古本みてぇな臭いがする。見かけから全て不快よ」



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