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MAGICA NEAT  作者: 孤独
第31話『非道のレッドブルー!涙一族の闇とルミルミを支える者!』
94/267

Cパート

「本当にいいの?」

「お母さんは出なくていいです!代わりにこの因心界の病院を護ってください!ここだって安全とは限りません!」


娘を抱きしめながら、本当にそれでいいのかと思っている母。

そりゃあ、上半身裸で下着姿の女性を外に堂々と歩かせたら、変態すぎる。革新党の大幹部である事もそうだが、自分の母親だというのも知られたくない……。

しかし、母は強しと言ったもの。



「古野さん。私の母親を病院の護衛役に置いていくので、病院を任せますね」

「……ああ。まぁいいけど。服は着るように説得してくれないか?その姿でうろつかれては困るのでね」

「えええーーーっ。桜んチェリー。あなたが病院でゆっくりしてたらいいんじゃない?」

「できません!あなたの指示で表原ちゃん達が振り回されるなんて……!とにかく、お願いです!」

「…………無理はダメよ。ママとの約束よ」



因心界や革新党などの現在の勢力図は以下の通り。


因心界の本部:

涙ナギ、涙カホ、涙メグ、サザン、涙一族

ルミルミ



因心界の本部近辺:

表原、野花桜、ルル、録路

アイーガ、ダイソン、黛



因心界の病院:

古野、野花壌



東京駅正面口:

蒼山、ブルーマウンテン星団

寝手、アセアセ



東京駅裏口:

革新党

此処野、シットリ、トラスト+6名



東京駅、その他の場所:

涙キッス(西側)、網本粉雪(東側)

ジャオウジャン(東京駅の地下深く)、ヒイロ(東京駅内部)




ドバアアァァァッ


「ぐわああぁぁ」

「うはぁっ!!どーした、革新党!!そんな実力で俺を止めるつもりかぁーーー!!数だけ軍団がよぉぉ!」


バトル開始早々。

東京駅裏口では此処野が先頭を突っ走り、革新党のモブ戦闘員達を虐殺していた。

久しぶりに思う存分に暴れまくっている。

とはいえ、彼の場合はなんでもかんでも殺しまくる狂気に危険があり、優先度は低い。それよりも巨体の怪物でいるナメクジを警戒する。



「あいつがシットリっていう妖精か。気味の悪い野郎だ」

「まさか、こちら側に出てくるとはねぇ」



外に出てきたが、まだ東京駅を護るように前には出てこなかったシットリ。こいつを倒すのが、東京駅奪還作戦の成功条件の一つ。

対象が東京駅の中に引っ込まれるよりも都合がいい。

とはいえ。



「メインディッシュは最後にして、まずはジャネモン退治と行きますか」

「そうですな。粉雪様の障害を取り除くのが、私達の役割」



革新党大幹部の2名、橋下明太と遠江タチサラ。

その2人が対峙したのは、ジャオウジャンの秘書を務めるトラスト。それとジャネモン3体。

数の上で不利をとるわけだが、さすがに精鋭というだけあって……。



ドギャアアアァァ



「ぐはあぁっ……」

「な、なんだこのジャネモン共は……」



強いってわけではない。

いや、革新党の勢力内では強いんだが。それよりもトラスト達の方が強すぎる。


「お、俺は主演映画を控えてるんだぞ」

「五月蝿いな。知るか」


ここまで良い所なく、ジャオウジャンという王に恥を塗らせ続けてしまった。トラスト達が汚名返上とばかりに革新党を相手に無双していく。

橋下明太と遠江タチサラの大幹部2名を殺害すると同時に、圧倒し始める。



「収まりきらん。やはり、因心界の涙キッスと網本粉雪を殺さねば、気がすまんな」


だが、物足りなさを感じており、粉雪が向かっているらしい東側にジャネモン達を割き始めた。

そして、肝心のシットリは。


「………………」


東京駅の外でずーっと、静観。

どこか遠くをずーっと見ているだけであった。

シットリの戦闘不参加とはいえ、東京駅裏口での戦闘は数の不利を物ともせず、SAF協会が圧倒していた。

だが、一方的にやられるその中で唯一。



ガギイイィィッ



「そこまでにしろ、クソガキ」

「!!」


此処野のアタナをチェーンソーで受け止め、さらには此処野を蹴り飛ばして間合いをとる老人。



「南空~~~。会うのは久しぶりだな、クソ爺」

「少しはお前を孫と思って、かわいがってやろう」



粉雪の秘書である南空がこの戦場に現れ、此処野の快進撃を単独で止めた。

1対1で彼と渡り歩いた。



◇      ◇



シンシン……シンシン……


場所は粉雪が東京駅へ向かっている東側。

ヒイロとレンジラヴゥによって吹き飛ばされた雪雲を東側に集中させ、雪を降らせた状態のまま。

そんな本気の彼女を前に、



「雪の使い手か、……ふ。雪など、我が扱う氷の下位互換ではないか!!」


"二十四皇征にじゅうしこうせい"の一頭。


「この氷使いのグリフの敵ではなーーーい!!」



地面や対象物を凍らせ、崩壊させる強力な能力を持つジャネモン。

粉雪を待ち構えていたわけだが、地面を凍らせる程度の氷で戦えるわけがない。



ゴゴゴゴゴゴゴゴ



大地そのものを揺らして、辺りにある物を破壊し飲み込んでいく雪の群れ。

彼女のフィールドとなれば勝ち目はないとされるだけの、災害を操作する力。



ゴゴゴゴゴゴゴゴ



東京駅に向かって、巨大な雪崩が押し寄せた!!


ブチィッ


その最中で東側で待ち構えていたジャネモンは対峙する事もなく、雪崩の力で押し潰しそのまま東京駅に向かっていく。


ザーーーーーッ


「みーっけ」


粉雪本人……。もうすでに妖人化をしているため、クールスノーであるが。

革新党に開発させた特注のスノーボードによって、この雪崩の中で平然と行動ができた。雪崩を操りながら、東京駅の裏口にいるシットリを発見し、そのまま襲撃する。



「"白龍圧掛崩はくりゅうのしがかり"」

「…………!、まずはお前が来たか」


ドゴオオオオオォォォォッ



シットリはあろうことか何もせず、その雪崩をモロに浴びた。雪が集まった硬さと重さは、相当なものではあるが。

これしきでダメージが通るとは思っていないクールスノー。それと、



「……余計な事だぞ、トラスト」

「私にも危害が及ぶからだ。手を組むつもりはない。1人やられたが」



東京駅を奪われないよう護っているトラストに、この雪崩攻撃を止められた。しかしながら、この一撃で周囲は一気に雪が積もりに積もった状況。クールスノーの独壇場ステージとなっている。

それ故にあの攻撃を防がれても、驚きはない。



「へぇー。ようはジャネモンを強化した奴があるってわけか。ま、私にとっては雑魚だけど」

「……………」

「雑魚だと?」



クールスノーの狙いはシットリだ。トラストが一撃を防いだからといって、標的を変えるつもりもない。

積もった雪を操り、即座に山のように流動させる。


「悪いんだけど、あんた達に攻撃ターンも活躍ターンも与えない」


その山が一気に崩れていって、予測不能な無数の雪崩を生み出していく。防いだところで物量で押し切り、雪の中に埋めちまえばいい。


「"白龍群はくりゅうぐん"」


一度は防いだトラストだったが、クールスノーの更なる力に冷や汗を流す。

先ほどよりもデカイ雪崩が容赦なく、襲い掛かる。


「埋もれて死ぬしかない、雪崩の波よ!!せいぜい、頑張って這い上がってきな!!」

「っ!」

「"白龍逆鱗はくりゅうげきりん"」


ドゴオオオオオォォォォッッッ



クールスノーの雪崩はシットリ達を積み重ねるように襲い、その重量で周囲の土地を沈ませ、時には重さに耐え切れず、地下にまで雪崩れ込む。蒼山達が戦っている正面口の方まで雪が雪崩込んでいくのも当然で、地上では雪が積もり積もって、東京駅周辺全体まで分厚い雪の層で覆い尽くされる。



「これは奪還作戦だぞ」

「あら、いいじゃない。シットリとかが壊したことにすれば」


遅れて到着したキッスは雪崩が終わった雪の上に立ち、スノーボードで移動するクールスノーと合流した。当然であるが、キッスはイスケを装着していた。



「さーて、このまま埋もれて死ぬか。凍えて死ぬか。それとも、必死に這い上がってきたとこ。私がトドメを刺すか」

「リスペクト過ぎるぞ。それってやられ役じゃん」

「あれ、本当の持ち主は違うのよ」

「結局能力借りられちゃった時点で、ダメなんだが」



並の奴なら今ので終わりだが。そうはいかないと分かっているクールスノーとキッス。

下の動きを警戒している中で、まさかの上空からの気配。

クールスノーは気付きながら、スノーボードを自分の足から外した。


「なにかくる」

「黒い……鉄球」


クールスノーとキッスの2人にめがけて飛んで来る巨大鉄球。

当然ながら、2人が予期していないのだから。シットリの隣にいた奴の能力か何かと判断。避けようと思ったが、この雪の足場。キッスからすれば避けにくいし、クールスノーもこの雪をぶっ飛ばす何かと考えれば、


ガシイイィィッッ


「「はああぁぁっ」」


キッスとクールスノーのタッグによる、巨大鉄球の受け止めに至った。

地面のように硬くなり、さらにシール特性も発動させ、足場をしっかりなものとして受け止め踏ん張る。まだ重力の方が勝っている間。雪の下から這い寄るような気配が



ブサァッ


「キッス様、クールスノー様!あなた方の下着を撮影しに来ました!」

「!!蒼山!?っていうか、スカートライン!」

「何をしている!!」


2人が両腕で鉄球を抑え込んでいる間に、スカートラインは股下に入ってフォトで撮影。雪のおかげで自分はここまで気付かれず近づけ、命を賭けたこの行動の成功と対価に興奮が収まらず、


「いいですよぉぉ、これですよぉぉっ。僕が求めた二人のパンチラはぁぁ!!覗きシチュはこれで決まっていました!!」

『やったぜ!』

「太ももすりすりいいですかぁ。お2人の太ももに頬ずりしていいですか!」


バギイイィィッ


「なにふざけんてんのよ!!」

「お前、持ち場につけ!!」

「ぐぼばぁ」


鉄球を持ちながら、キッスとクールスノーは自分達の股下に這ってくるスカートラインを足蹴にしていく。そして、鉄球を投げ捨てたら


「データを削除しなさいよ、フォト」

『は、はひいぃっ(もう転送したけどね)』

「お前。今ここで私とクールスノーと戦う気か~~、あ~?さっきの鉄球、お前が転送しただろう。持ち場はどうした?」

「いやいやいや!だって、宇多田と猪野春がいるし。僕はキッス様達のパンツや体が汚されないか心配で……勝手に来ました!!(ホントは宇多田達への報酬だけど)」


っていうか、クールスノーが雪崩起こして、みんなに影響があるんですけど。それについてはどうして言及しないんですかねぇ?

この人達基準か?



「だったら、さっさと同じ変態を倒してこい!!蒼山、フォト!!任せているぞ!!」

「うわーーーーっ!!だったら、投げないでくださいよーーー!!」


キッスがスカートラインとフォトを投げ飛ばす。


「ちゃんと戦わないと、オシオキしてやる」

「ったく……」


スカートラインのおふざけに付き合わされた2人だが、妙な理由で生き残らなきゃいけなくなったと溜め息。



バギバギギギィッィッ



雪崩に埋もれたシットリとトラストであったが、ここはシットリが奇妙な力でクールスノーの雪をコーヒー豆を挽くみたいに下へと落としていった。ノーダメージではないが、まだまだダメージが足りないところ。

シットリとトラストを中心とした、雪の壁でできた円柱の空間に


「クールスノー、私が下に行く」

「あら?私も行かせてもらうわよ」



スノーボードを肩に担ぐクールスノーと、キッスが降り立った。

雪で囲んだ闘技場のような雰囲気は、クールスノーが作り出したような感じ。サイズをこの空間に合わせて調整したシットリとトラストの2名と、真っ当な形で対峙するキッスとクールスノー。真上以外の場所からの侵入は難しく、標的のシットリを閉じ込めた形の空間で戦うのが好都合。


「2VS2がどれだけ持つかしらね~。20秒持ったら、褒めてあげる」

「シットリ。ヒイロへの別れの言葉を伝えてやってもいいぞ」

「………………」

「人間共が調子に乗るんじゃないぞ」


最強タッグとの戦い。

しかし、その戦いにはどこか不穏な様相が……




おまけ:


キッス:戦場の全体図をざっくりと用意してみた。

粉雪:あ、言っておくけど、リアルとごっちゃにしないようにね。

蒼山:僕達は寝手のスリープハンズ教団が相手というわけですね。

キッス:蒼山。それならばなぜ、私達の下着を覗きに来た?戦ってる自覚ないだろ。

粉雪:せっかく、キャラクターの絵を入れ始めたわけだし、こーいう図もあれば、説明も省けるんじゃないかという作者の考えらしいわ。次回はもっとちゃんと作るとか。

蒼山:!そーだ!キッス様とクールスノーの裸もイラストで載せれば、説明が……

キッス:それはR_18の方に行け!ここにはそんな話はない!

粉雪:勝手に脱がすな!





寝手:相変わらずだなぁ、蒼山。もとい、ラフォトナは

アセアセ:……作者があなた方に困った事を言っていいですか、寝手。

寝手:なんだい?こんなおまけで

アセアセ:この作品には妖人化という戦士名があるというのに、あなたと蒼山はペンネームや別人格的なモノがあるから、思った以上に面倒だったとのこと。

寝手:はははは、そりゃあそうかもね。ちなみに次の挿絵が僕達の番だけど、僕は妖人化している状態だからね。人間状態の髪色は桃っぽい色、妖人化フーロンは髪が薄黄緑色になるんだよ。服装も教皇っぽい感じ。

アセアセ:デザイン設定なんて、いくらでも変えられますけどね。


挿絵(By みてみん)

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