Cパート
陽が沈みかけた。
東京駅の戦況は
「あー……戻った……」
エクセレントチェリー+セーシ。その戦いによって、大ダメージを負って動けなくなっていたルミルミがついに完全回復。
圧倒的なパワーとスピード、物量作戦、おまけに高度な回復能力と……強さをこれでもかというくらい、備えられたこの妖精が目覚めている状態の時、隙はまるでないだろう。
「ルミルミちゃーん。シットリの命令で救援来たよー」
「ご無事で何よりです」
「寝手く~ん、それにアセアセ。久しぶり。君達、来てくれたんだ」
「いちお、SAF協会に属してるから」
寝手とアセアセが合流。
さらにまだ合流はできていないが、黛の活躍により、ダイソンとアイーガも生存。ゆっくりとではあるが、ルミルミのいる場所へ向かっている。
「ヒイロくんめぇぇ。よくもいいとこ取りしてぇぇ」
「え!?ヒイロ様がお近くにいるんですか!サインいいですか!!」
「ダメェェ。ぶっ殺すよ、アセアセ!!」
「すいません!!」
「シットリとダイソンを呼んで!あと、此処野くん達も!!ひとまず、ここを拠点にして因心界達をぶっ潰すから!!そーいう作戦だし!」
ぶちギレながら、作戦を多少変えつつも。シットリの言いつけをある程度には守っているルミルミ。ここからどーしていくか、……。
「アセアセ!おんぶして!あたしを東京駅の地下深くまで運んで!疲れてるの!!」
「は、はい……」
「じゃあ、僕もおんぶしてよ。アセアセ。疲れてるんだ」
「あなたは歩きなさいよ、寝手!!ルミルミ様だけですよ!」
そう言いつつも、結局は寝手もおんぶしてしまうアセアセの押しに弱い感。
どうやら、SAF協会は作戦のための準備を開始したのだった。
◇ ◇
一方で、東京駅の奪還を目指すキッス、粉雪、蒼山、3名による先陣。
車での進攻は早くても、戦いが激化するとなれば無意味。というか、壊される。
自分達の目で確認する状況把握、野花と飛島の安否を掴むためであり、3名共に激しい戦闘を行なうつもりはなかった。
「……お」
「あ~………」
こちらに向かってきて、なおかつ距離を保っている奴。
「ヒイロ」
ヒイロが未だに気絶している野花を抱えて、キッス達の前に現れた。
なんとか合流できたが……。できれば、出会いたくない奴がいた。こーいう事には敏感に噛み付いてくるのを分かっているし、一番恐れるべき相手。
「野花をそこに置いて、前に出なさい。ヒイロ」
「……1つはそうする。もう1つはできない」
網本粉雪だ。野花の生死も、直に触れるまでは納得しないだろう。
「じゃあ、こっちから行く。大事に野花を抱えなさいよ、あんたを手加減する理由なんだから」
戦闘態勢に入り、粉雪は妖人化。
「『凍てつき白染め、クールスノー』」
それで全ての借りを返したというのなら、読みも考えも甘い。だが、それも分かっている。
野花を抱えたままでいるのは、クールスノーとの相手をするという意志。
「手出しはせんぞ。クールスノー、ヒイロ」
「ちょっとちょっと!野花さんは気絶ですよね!!」
情を出して、キッスは手を出さない意志。一方で蒼山は空気を読まず、野花が意識を失っている姿に興奮する。2人共、手は出さない。
クールスノーは人質をとられていても、勇み足にヒイロに近づく。そーいう行為に至らないと分かっている事から、ヒイロの脅威はなんらないだろう。
ブロロロロロロ
「ん?」
静かな戦いに、大型車がこちらに向かってくる音が響く。革新党も、ブルーマウンテン星団も、因心界ですら準備ができていない。しかし、それ以外の何かが来るとすれば、命知らずでアホなメディアの鑑か。
いずれでもなく、運転している奴を見たら。この場では意外で、理由に検討がつかない。向かってくる殺意は、
「って、僕達にトラックが向かってくるーーー!!」
「これはこれは……」
さらにスピードは上がって、なんとこちらに向かってくるし、あまつさえ。キッスと蒼山の2名に向かって突撃をかました
ドゴオオオォォォォォッ
時速、80キロは出ていただろう大型トラック。それの突進となればまともにいられるわけがない。
「あ、危ない。怖いよぉぉっ」
キッスの後ろに隠れて怯えるその姿。っていうか、一瞬しか見えていないとしたら、蒼山がキッスを盾にしているような光景。そんな卑劣で情けない男を見なかったことにして、目も離せないほどの大ピンチにちょっとだけ
「危ないな。私じゃなかったら、即死じゃないか?」
涙キッスは平然と、蒼山を守るように突っ込んできたトラックを左手で添えるような優しいツッパリで受け止めてしまう異常。これ以上、アクセルを踏み込んでも前に進む事もできない。おまけに
「危険運転には罰則だ」
ドゴオオォォォッ
片手でトラックを持ち上げ、暴走運転が絶対にできないように引っくり返して見せるキッス。
トラックの中にいる者に気付いた時、動揺したのはヒイロの方で。クールスノーにとっては良い大義名分が来た。
「!?」
「あーあ。どーして来れたか、分からないけど。いいんじゃない?」
助手席と運転席のドアをぶち壊し、乗っていた2人が外に出てくる。
「キッス様、粉雪さん」
「いいねぇ。涙キッスが強いってのが、本当でよかったぜ」
白岩印と、此処野神月の2名。トラックの中から現れ、粉雪達と向かい合う形になる。
ワザとらしいって粉雪は、キッスを睨みつける。そんな眼光を気にせず、ヒイロと白岩を見つめるキッス。
「さてと、綺麗に3対3だな。どうする?白岩、ヒイロ、此処野」
「……いえ、ここは!私が相手をします!!キッス様、クールスノー!!」
通信アイテムを取り出し、隣にいるヒイロに連絡。
「愛してる」
彼女を巻き込みたくはなかったが、もうその考えはできないとヒイロも続いた。
『愛してる』
だが、それは白岩だって同じこと。
「『繋がる力に愛を込めよ!』」
互いの想いが強いからこそ、繋がっている。
『愛のメタモルフォーゼ!』
「みんなの愛を繋ぐ!レンジラヴゥ!」
2人の体が紅く光り輝き、妖人化。この距離でのレンジラヴゥの強さは相当なもの。
「覚悟はいいですか!!キッス様、クールスノー、蒼山くん!!」
えっ!?僕も標的の1人!?……そんな驚きの顔をしている蒼山であったが、キッスと粉雪は違っていて、好戦的な笑顔。そして、此処野もこの死闘に加わることに戦闘狂らしい顔を覗かせる。
因心界の3強同士の戦い。……しかし、
「無理をするな、レンジラヴゥ。君はキッス達と戦いたくないだろ!」
即座にその本心を周りに伝えたのはヒイロだった。その一言で、動揺の顔が出たのは嘘じゃない。そして、そーいうことにまるで動揺を出さないクールスノーと、殺意とは違うが大人染みたメンタルでいるキッス。
白岩にはこーいう戦いは向いていない。強さを引き出せても、精神面の不安がある。
不利になるのは分かっていても、こちらの役目は
「野花を返す!それで数日は退いてくれ!!キッス、クールスノー、蒼山!!俺の条件だ!!」
「SAF協会の一員らしいじゃない」
「……今はな。クールスノーが望むなら、俺がやる」
野花を抱えているというアドバンテージ。ヒイロがクールスノーを相手したがるのは理解がとれる。
「なら、私がレンジラヴゥと此処野を相手にしてやろう。それが2人にはいいだろ?」
「!……手加減はいらないですよ」
「あ~。調子に乗りやがって。お前もこの俺がブチ殺してーんだ」
「ちょちょちょ、殺し合いは止めようよ!穏便に、僕が安全なところに行くまでさ!ストップ!」
キッスは心の迷いを抱えるレンジラヴゥと、此処野の相手も同時で構わないという余裕のような姿でいる。
こんな近くで死闘。場違い感があり過ぎる蒼山は、この5人から距離をとって考え始める。
「………ん?」
待て。すげーヤバイ展開だと思ったら、これ凄いことにならないか!?僕にとって美味しい展開ではないのか!?
クールスノーとキッス様が負けたら、そのまま2人を連れ去って拷問陵辱、あわよくば屈服して、○奴隷にできる。クールスノーとキッス様を打ち負かせる人達なんて、……ルミルミかシットリのような怪物レベル。そして、かつての仲間だった白岩ちゃんとヒイロぐらい。
そんな戦闘の近くに僕は立っている。股間もたちはじめている。
野花さんも今気絶しているし、お持ち帰りできたら3人纏めて、僕の……僕達の、物になる!!
おぉ、おおおっ。
「うおおおお!!!レンジラヴゥ、頑張れーーー!!ヒイロ、頑張ってくれーー!!」
「いきなりなんで敵を応援すんのよ!!しかも、離れてさ!」
「何を考えている、蒼山。私達が負けると思っているのか……?」
「……ちょっと、緊張感を潰さないでください」
何を考えているのか、分かってしまうキッスとクールスノー。
とはいえ、2対4にはならないと思っている。
「はっ」
いやいやいや!!そーじゃない!!
順当にキッス様がレンジラヴゥを倒し、捕縛したら。彼女は僕の物にして、ヒイロの目の前でNTRを見せつけて、苦悶する彼と。性と快楽に堕ちて行く、白岩ちゃんとかそれはそれでレアなシチュとなる!!
そして、決別し、白岩ちゃんは僕達の○奴隷となる未来……
「うおおおおお!!!キッス様、クールスノー様!!やっぱり勝ってくれーー!!ネトラレもたまらん!!っていうか、早く戦え!!早く勝敗……じゃなくて、力がなくなって弱り切って、抵抗ができない強い女性を出してくれ!それでいて僕でも運べる敗者を決めてくれぇぇっ!僕の妄想が止まらない、止められない!!」
ぶふーーーっって、汚いほど鼻血を出しながら、この戦いをいち早く求めて煽る蒼山。
そんな彼がいる味方チーム。
「あんた、さっきから五月蝿いわよ!!」
「お前を先に戦闘不能にしておこう!ここでは特に支障はない」
「ぎゃーーーー、クールスノー様、キッス様!!逆逆!!僕じゃない!レンジラヴゥを裸にさせるくらいボロボロにしてぇぇっ!!」
クールスノーとキッスが、蒼山を制裁。
ここでの戦闘能力も脅威ではない。
「……相変わらずだな、蒼山くん」
そんな隙だらけのやり取りでも何もしないでくれるヒイロ。一方で、
「レンジラヴゥ。辛かったら俺がやるよ……?」
キッスとクールスノーの配慮。というか、目障りを潰しているのならこちらもやるべき。
2VS2でやりたいから。
ボコォォッ
「ぐほぉぉっ」
ベキイイィッ
「此処野くんも私達の邪魔になるから、休んでていいよ」
「!テメェ!!何いきなり殴りやがる!!俺はここだけは、お前の味方だぞ!?」
「え?決まってるじゃん。私は、此処野くんの敵だもん!!」
「ふざけんなぁっ!ぐほおぉっ」
此処野を強襲し、ボコりまくる。
蒼山も此処野。2人共、耐久力がある分、気絶するまで時間が掛かった。
「まーったく、このど変態の蒼山は……」
「それを言ったら、この此処野くんも酷いですよ!!」
改めて、4人が向かい合う。
今度こそ、激しい戦闘になるかと思いきや。
「ヒイロ、お前の条件を飲もう。ひとまず、野花を先に返せ」
キッスからの意外な提案。
許さないという姿勢を出していたクールスノーもまた、それに反論しそうな雰囲気はあまりない。
「ここに置く……。分かっていると思うが、セーシさんは俺が預かっている」
「良いわよ。セーシはあとで取り返す。その前に野花!!彼女だけは助けて欲しい!」
野花が本気で戦って、無事に来れているのなら。それで良しとクールスノーが認めた。
その理由を付け足すようにキッスは言った。
「野花と蒼山を巻き込まずに戦うとなると、こちらもやり辛い。此処野をそっちで処理してくれるなら、安心もできる」
1つに助けるべき、守るべき仲間の安全。
「ルミルミの位置は分かったが、シットリの位置が分からん。私達4人が戦って消耗するメリットはまずないだろう」
もう1つにヒイロと白岩の立ち位置が、因心界からもSAF協会からも中立に近いこと。
本気か演技かはともかく。因心界としては、これで今日は引き上げる。日も落ちてきてるし。気になっているのは
「……飛島はどこにいる?東京駅にいたはずだ」
「分からないな。飛島は……あとで捜してみるが。まだ戻らないとなると……」
「……そうか。悪かった、ヒイロ。白岩。そっちで上手くやっていくといい」
「もう一回、出直しって事にしてあげるわ。野花を助けてくれたことだけね。明日からはない」
「!私も、……戦う覚悟、ちゃんと作りますから!!」
野花を抱えるクールスノー。気絶させた蒼山を抱えるキッス。
「此処野くんは私が治療もするから」
「……そうか。……ところで、」
此処野を自分で傷つけたから、責任を持ってレンジラヴゥが抱える。
ヒイロはそれでいいのならとし、
「どうやって、俺の場所と状況が分かった?通信は俺の方から切っていた」
「此処野くんが案内してくれたの。事情は分からないけど、ヒイロを助けてくれたことはお礼をしなきゃね。ほんの少し」
「……ふふふ、そうだね。飛島を少し捜したいけど、いいか?」
「うん。私も気になる」
◇ ◇
ゴトゴトゴト
人間達が無意識に募ってしまう邪念を集めなければいけないため、異空間ではなく地球の中にそれを設置する故。
強固な拠点が必要であった。
「ふすーーーっ」
生み出したジャネモン達は使用人のように頬膨らませ、ちょっとストレスを溜めているルミルミの指示に従い、ある重要な代物を運び込み、設置していく。
「ふ~~~ん、可愛いねぇ。君」
「……あんた、ウザそう」
「"今の"僕は、寝手食太郎って言うんだ。お名前は?」
「……黛、……黛波尋」
現在もシットリ不在のため、代理で寝手とアセアセがまだ設置中の代物を護衛。そして、ダイソンと契約に至り、飛島を破った黛波尋もその部屋の前で待つ。
思わぬ仲間。それも女性に、ちょっと興奮気味な寝手。先輩風など吹かす事はないが一目でホレてしまった。色んな意味ではあるが……。
「にしても、シットリ先輩。何をしてらっしゃるのか……連絡も出ないなんて。まだ素性の知らない人間を交えて護衛する身にもなって欲しい」
「はぁ?私も、あんた達の存在が良く分からないんだけど」
「ダイソンの契約者なんだろ。仲良く行こうよ」
アセアセが少し心配するのも無理はない。
黛のことしかり、ルミルミがやっている準備に関してもだ。黛は動けるものの、ダイソンも死闘故、ダメージが残っている。もちろん、アイーガもだ。
「ダイソンは好きに使わせてもらうわよ」
「ははは、僕達には関係ない事だよ」
黛がSAF協会と共にいるのは、ダイソンの実力を気に入ったから。色々とまだ聞きたいことがあり、それを使ってどうこうしようも勝手だと、寝手は思っている。
ルミルミは考えてなさそうだが。この非常時でも寝手の存在をシットリが高く評価しているのが分かる。作戦の切り札として、因心界にも隠してきた妖人。
グニョ~~~~~~ン
迷宮。
この東京駅内は強力な幻術がかけられており、侵入が容易ではない。
ルミルミの準備が整うまで、此処野や白岩、ヒイロも入れさせないつもりだ。時間稼ぎなら役割を真っ当できる。
ゴプゥッ
「!!」
人間を滅ぼそうとするルミルミの行い。その理由より、その手段。もっと言えば、この組織力でどのように人間界を潰すか。
協力する妖精は強くとも数は少なく、団結こそ強いものの敵地といっていい地球の中での話し。
シットリとルミルミの戦闘能力が天下無双、大国の軍事力だとしても、所詮は1頭の生物であり。人間全てが意思疎通するのならばすぐに終わってしまうこと。
それでも覆すための戦力に、弱い人間達から力を吸収する妖精らしい独自の手段で、世界を滅ぼす計画になった。この計画には、"前任がおり"、それが長い戦いとなって効果的であることはルミルミ自身が体験してきて分かっていた。
構想はルミルミが起て。戦略はシットリが組んだ。
ルミルミを抑えつけてでも、戦略というのは大事である。
予定地は違っていたが、概ね問題なし。地下に拠点を置く分、因心界などの多くの組織は奪還するのには苦労する。
拠点の位置は良しとし、次に用いたもの。当然、ジャネモンである。
邪念を怪物化させる、ジャネモン。それらの種類を大量発生させ、さらなる邪念のブレンドにより、強力なジャネモンを生み出す。新種に拘り、それを捜していたのは新種になればなるほど、強力な怪物となるからだ。(進化とも言える)
その研究とルミルミの能力を組み合わせた事により、数の問題と対人間においては特化した戦略になっている。戦略の要に秘密兵器。
ゴウゥンゴウゥン
ルミルミが設置しているのは、タマゴと似た球体。その外殻からは神経のような筋が所々浮かび上がり、床と壁、天井には木の根っこを感じさせるようなど太い筋。邪念を徴集するためのものであろう。
球体の中では、魚のように泳いでいる影があるものの、中身のほとんどはまだ液体のまま。
まだまだ成長という言葉を使うには遠い状態。
「生きてる感じはするかい?」
まだ生まれて間もないが、……。その中にいる生物は完成形がある。
「"ジャオウジャン"」
ゴポポポポ
ルミルミの呼ぶ声に中にいる魚は泡を吐く。どうやら言葉が通じたらしい。
「あんたは"また"、生まれたわけだ。果たして、"失敗作"になるか。……成功するか。どっちがいい?」
声はまだ出せないようだ。
「このルミルミ様が邪念を送る手助けをしてあげる。だから、その邪念。人間を滅ぼすことだけに使って」
教育のできる存在ではないが、生命維持ぐらいの手助け。
ガチィッ
ルミルミが取り出したのはファンシーながらも不気味な表紙である本。図鑑のような代物。それをはめ込む部分に入れてやる。
その本が邪念を効率良く送り込んで、中にいる存在に力を与える。
「あとはみんなを待つだけだね。だよねー、シットリ」
SAF協会としても、ここにメンバーを集めるまでが隙となる。ヒイロ達がキッス、粉雪を追い払った事を知らないルミルミだが、ヒイロ達のおかげで計画は思った以上に順調。
この切り札がそこまでの力を得るまで、守りきれるかが作戦の中では大変だと想定していたこと。
アイーガとダイソン、此処野、……もちろん、寝手やアセアセにも作戦の中身を語らなかったのは、戦略がバレた時。彼等が犠牲を考えずに突っ込んでくる危険を減らすためだ。北野川の能力を警戒しての戦略でもあった。
ひとまずは数日。それから数ヶ月、半年、1年。
世界から人間を滅ぼすのには、むしろそれだけの時間でも短いくらいの期間だろう。
次回予告:
ナギ:おーっす、次回予告だ!次回は『抗争!構想!!戦争!!!涙一族 VS ルミルミ、まで』だぞ!!
カホ:ナギ。あなた、それを最初に言ってどーするの……。残りは何を話すのよ。
メグ:ならば、ナギ。私は前々から気になっていた事をお前に訊いていいか?
ナギ:今更なんだよ。
メグ:キッスちゃんとあの役立たずの次女は、ホントにカホの子なのか?カホの貧相な体から生まれたとは思えないんだが
カホ:ちょっと、メグ。いくらなんでも失礼過ぎない?っていうか、立ち会ってるわよね?
ナギ:俺達の娘に決まってるだろ。なんで胸大きいのかは知らん!
カホ:くらーーー!!というか、それよりもナギ!!あなた、ホントにあの粉雪と関係とかなかったんでしょーね!!それをハッキリさせなさい!




