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MAGICA NEAT  作者: 孤独
第17話『まさかの内通者!?レゼン、踏み潰される!まさかまさかのあいつがいる!?援軍ビックリ!』
44/267

Cパート

大型マンションはぶっ壊れピラミッドのような風景となった戦場の、おおよその各戦闘の位置を見てみよう。

ヒイロVSシットリの戦いは、今は見る影もないがマンションの庭、入り口付近。近くに駐車場もあり、道に面したところ。ちなみに表原達はこの近くにいる。



一方、シークレットトークVSルービュルは、ヒイロ達のまったく反対側。緩やかな傾斜となっている瓦礫の数々の近くにて、両者。面と向かっている。


最後にレンジラヴゥVSジャネモン。これは瓦礫の山の頂上付近。3点に分かれた戦闘であったが、


「ひょいっ!!」

「じゃね~~~~!?」


ブオオォォッ


レンジラヴゥはそりゃもうアッサリと、戦闘を終わらせるためか。この大型マンションの半分ほどはある、大型ジャネモンを掴んだ瞬間、空高くぶん投げて、戦線離脱にしてしまった!


「早っ!!」


表原はそう言うが、違っている。続くようにレンジラヴゥも上空に向かって跳んだ。

これはヒイロとシークレットトークの邪魔をしないように、一時的に空中で敵と戦うため。強過ぎるからこそ、その余波で仲間を巻き込まれるのを嫌った。その滞空時間の間に、どちらかは決着をつけてくれる。

期待している。



「あ、表原ちゃんも巻き込まないように考えてるからね」



でも、絶対。途中で忘れていると思う。



そんなわけで戦闘の動き。早めに決着をつけたいのは、当然。


「あ!あんたを殺せば、小宮山の仇になるわけか。ちょっと燃えてきたかな」

「燃えてきた?こっちはバカ達を助けるって、事もあるから」

「とーっても、急いでいるんです。どこにいるんです?」


すでにシークレットトークの2人は小型ハンマーを手にして、ルービュルに向かっていった。

本体と分身の2人が、対象者の前で会話を成立させる事で秘密を知れる能力。

筒抜けになるほど、大きな声での会話であろうとその能力は発動する。


「3人共、住民と一緒に冷蔵庫の中で、瓶詰めされてるって?どーいう事よ」

「液体になれる能力で、バカ達は液体になってるんだ。その冷蔵庫はどこですか?」

「知らないとかふざけんじゃないわよ!生きてるかどうかも分からないなんて、この私が来てるのになんたる様よ!!ボケ!バカ!アホ!飛島も何してんのよ!!」

「ただの心配だけにしなよ!これだから、これだから……バカなのよ。あいつ!!叫べって事はやれるでしょうね?」


せーのっ……って、本体と分身が口を揃えて、


「『返事をしなさい!!バカ佐鯨貫太郎!!』」


大きな声で戦場に響かせる。

そこまでの会話は、あまりにも早くて大きな声。特に気に留めるとすりゃ、


「私の能力を瞬時に把握されちゃうんだ」


秘密という条件が付けられているため、能力の全容、やれる事を把握される事は非常に相手からしたら厄介。ルービュルが、飛島以上に北野川を警戒し、全霊を持って相手をする。



トプンッ



「それはなに?」

「液体になって、瓦礫の隙間に入った!」

「分かってる。あんたなんて、眼中にねぇーよ」

「ここは任せて。あなたは行って」


その会話を最後に本体はどこかへ向かい、分身はここに留まった。

どーいう意図があるかは分からないが、シークレットトークの要と言える会話という行為の成立を自ら破棄する、別れるという意図は悪手にしか見えない。



狙いは一方がルービュルと戦い、一方が佐鯨達の救出だろう。



戦闘能力は飛島以下。ルービュルの攻撃で無力化する事は容易い。警戒されている者に奇襲を決めるのは美学を感じさせるところはあるが、油断できない相手と理解すればそんな事をしてられない。

位置を把握されるという想定もあれば、ここは躊躇せず地の利を活かす。ルービュルはこの場から離れた本体を隠れながら、追いかけた。

佐鯨達が保管されている冷蔵庫を発見した時の、その一瞬の隙を突き、奇襲を仕掛けて液体化させる。



「!!」


そして、シークレットトークは分身と別れて数十m先で、瓦礫に埋もれ、汚れながらも確かにある冷蔵庫を発見。そこに向かっていく際にも、警戒を払いながら向かった。ルービュルは自分同様に二手に別れて行動することも可能なのだ。

それでもその冷蔵庫を開けるため、瓦礫をどかすという汚れちまう行為の必要性。

ジュルリと、迫ってくるには遅く、不気味な雰囲気があった。瓦礫の隙間から液体が溢れ出していき、纏まりながらシークレットトークを飲み込もうとする攻撃は、完全なるタイミングで読まれ、その返しで小型ハンマーの投擲がヒットした。


『ったぁ!しかし、これくらいっ!!覚悟の上!』

「覚悟は誰だって同じものよ」


トプンッ


しかし、ルービュルは止まらず、怯まず。反撃をしていた事で回避に遅れ、右足と腹部の部分を液体化されるシークレットトーク。一気に全部とはいけないが、動きを封じたには十分な攻撃!秘密を探れる能力であろうと、この状態になれば無力!!


「勝ったとか思ってんの?」


地面に転がるという屈辱。敵の攻撃を喰らうという、シークレットトークの、それも本体の覚悟。自ら宣言した通り、同じことだったのだ。心理状態と作戦すらも筒抜け、予測じゃないものがあった。


「液体化してると視界が鮮明じゃない弱点も分かってんのよ」

「誰と会話してるの!?分身はここにいないし、ちっちゃい声だね!」

「あんたと話してるんだよ。耳掃除してるか?神経繋がってる?」

「!?」


挑発とネタ晴らしをするように、シークレットトークが視線で示す先。ただの冷蔵庫……、本当に在り来たりな冷蔵庫。


「あ……」

「この中にバカ達はいないわよ。別のお宅の冷蔵庫」


ルービュルが追って来る事、奇襲を仕掛けるという意識を逆手にとって、速攻で返してしまう罠。

シークレットトークの分身と、そこに向かっていた表原とレゼンの3名は



「うんっしょ!」



確かに分身が聞き取った、佐鯨の声を拾って、自分の位置という秘密を得ていた。瓦礫をどかし、本当に閉じ込められている冷蔵庫を開けて、佐鯨達を解放するまでの時間稼ぎに、本体が囮となっていただけに過ぎない。

ルービュルが佐鯨達の位置を把握していなかった事が、このミスに繋がっていた。



「私の分身の精度と、あなたの分身の精度の差が顕著だったから。実力の無いあんたに勝ち目は最初からなかった」



能力を使わずとも、心を抉ってくる現実を伝える。

ルービュルが飛島を倒した時のように、二手に分離させる手もあったが、いかんせん出力不足。奇襲をスカした瞬間、対応されることは十分に可能。ルービュルのミスというものは無く、完全に詰んでいたのだ。

シークレットトークとは、相性が悪すぎる……。さらに、複数相手。



ポンッ


閉じ込められた瓶の蓋を解放するだけで、ルービュルの呪縛から逃れられる。強力な状態変化であるため、それ相応のリスクが決められているのは当然。



「ぷっはーーー!狭かったーー!寒かったーー!あんな死に方まっぴらだったぜ!」

「北野川が来てくれたか」

「っ……」


ルービュルが倒した3人が元に戻る。


「良かったー!ルルちゃん達、元に戻って助けられて~……」

「まだ住民達もいるみたいだが、解放するとシットリ達の戦闘に巻き込まれかねないから、まだこのままにした方がいいな。少し可哀想だけど」

「佐鯨!あっちの方に私がいます!さっさと向かって、敵をぶっ飛ばしてください!」


囚われていた仲間を解放さえすれば、北野川の勝ちは必然。逃げようが、飛島が再び追跡するだろう。人質作戦ももう通じない。


「く、くそーー!」


ルービュルが苦し紛れにとった行動は逃亡であった。自分とシークレットトークから離れてしまえば、タッパーなどに封がされていない液体化は解除されてしまう。


「ったく。もうちょっと早ければ、詰めれたのに……ね!!」


少し悔しそうな顔をして、雨模様の空を見上げるシークレットトークであった。



◇      ◇



ルービュルへの追走の鍵を握るのは、佐鯨達ではない。レゼンの機転、発言がそうであるように



ギュウウゥゥッ


「くぅっ……」

「じゃねじゃね~~~」


レンジラヴゥVSジャネモン。

そして、ヒイロVSシットリの戦闘がいかに早く終わるかどうか。

北野川は見る事をせず、江藤ルービュルのところへ向かったため、どいつと戦っているのかは想像でしかなかったが、あの2人が苦戦をするという相手は大体想像できる。

佐鯨達を早く解放したかったのにも、そーいう理由がある。




ドシーーーーーンッッ




地震でも起きたかったのような衝撃での着地。大型のタコ型ジャネモンの巨体さがよく分かるが、それよりも深刻なのは、あの強大な力を持っているレンジラヴゥがジャネモンに捕まっている事だった。



「う、う~~んっ!」


ま、まいったなぁ。なんかこのタコの吸盤からかな?力が全然溢れてこない。ヒイロに助けてもらいたいけど、相手はシットリだしそんな余力ないよね。

カッコ良く、このタコさんの足を力で振り解いてみようと思ったのに……。ただの力じゃなくて、特殊な能力を持っているね。



白兵戦最強と言われる白岩。そう呼ばれているのには、やっぱりヒイロとの連携もある。

だが、粉雪に対して相性の良いジャネモンを用意していたシットリが、これほど唐突とはいえ想定はしていた相手に無力なジャネモンを出すわけも無い。



「じゃね~~!」


グイイッッと、レンジラヴゥを締め上げていく。力があまり出せない状態ではあるが、素の防御力に影響が出ているわけではないため、


「困ったなぁ~」

「じゃじゃじゃね~~!?」


わりと普通にしている。痛いのは変わりないが、我慢できる痛みで済んでいる。この固さにはジャネモンも驚きの表情を出し、捕まえた彼女を地面に何度も叩きつける。



ドガシャアアァァッ


「きゃあああ!髪がグシャグシャになっちゃうよ~~」


なんだこいつ、もう……。


ともかく、捕まってしまったレンジラヴゥであったが、このジャネモンから彼女への決定打はどうやら放てないようだ。拘束しただけでも良いとも言える。


「『勇気よ熱く、燃え上がれ、ヘーックシュン。ちくしょー、さみぃっ!』」

『はいはい、分かってたよ!勇気よ熱く、燃え上がれ、ブレイブマイハート。はい、解除!』


まったく持って様式美を決める佐鯨こと、ブレイブマイハート。野生的な勘がルービュルの追跡よりもジャネモンやシットリとの戦闘を選んだ。

というか、


「北野川はなんとかなるでしょ。負けるような奴じゃないし」


信頼とも言えるが、助けてもらっておいて、そんな行動を正直にされると複雑なものがある。

とはいえ、本当にヤベェのがいるわけだ。特にこの大きなジャネモン、今倒れているという北野川にも足が届きそうな大きさ。護るために敵を倒す!それは普通の考えであり、当然なもの。



「うおおおぉぉっ!!熱くなって、体もポカポカよ!!ね、バーニ!」

『やんわり表現だね』

「そして、相手はボコボコにする!たこ焼きにしてあげるわ!直接触れてくるタイプなら好都合!!」



ブレイブマイハートがジャネモンに突進していく。しかし、ジャネモンの対応は早く、ブレイブマイハートを足でキャッチする。だが、それを望んでいるところもある。こうして触れてくれば……


「ふふふふっ!熱で焼き払って」

「じゃね~~~」

「………?あれ?おかしいな……力が出ないぞ」

「あ、もしかして!ブレイブマイハートも力が出ない感じ?」



高出力な攻撃を生み出す2人が、このタコ型ジャネモンの足に囚われただけで、力が出なくなる。これはもうこのジャネモンが強いんじゃなく、そーいう能力と見るべきもの。


「おーい!北野川ー!この状況を説明してくれー!」

「今は、シークレットトークだよ!」

「あ、忘れてたぜ。レンジラヴゥ!」

「ねー!このジャネモンの能力の秘密を教えてよーー!」


なにしてんだよ、こいつ等。

そーいう呆れ顔というか、アホじゃない!!っていう表情で見ているシークレットトーク。彼女だけはそーいう顔だった。叫び気味で


「なに、また捕まってんのよ!あいつはどーいう能力よ!」

「2人共、何してるんですか!バカですか!!」

「あの足に捕まったら力が出なくなる能力で!!」

「"女性限定"の触手プレイで生み出された、タコ型のジャネモン!!」

「誰が考えてる邪念よ!!」

「気色悪い!!」



見たくもないし、こうして言いたくもない。他人の秘密があるものだ。

シークレットトークに暴かれたジャネモンの能力であったが、


「じゃね~~~」


気味悪く、うすら哂うジャネモン。


「……おい、ちょっとヤバくないか?あのジャネモン……」

「マ、マジなんですか。そーいう能力って有りですか……?」


よくよく考えれば、因心界の三強は女性。その次に来る強さを持っている佐鯨は男であるが、妖人化すると女性になってしまう。よこしまな能力を持ったジャネモンであるが、因心界の"十妖"にとっては、ピンポイントメタを張っているような能力。


「っていうか、あたし達の多くは女性じゃないですか」

「本体の動きはそうでもないけど、足はかなり機敏よ。太いし……」

「こーいうのは野花だけにしなさいよ!!」


そんな能力だと知らず、あっさりと捕まってしまう方も問題である。

粉雪やキッスがこの手の攻撃を喰らうかというと、そのビジョンは見えて来ない。白岩もヒイロがいるという慢心があったからこそ、今の状況に至ったと言えよう。っていうか……



「じゃね~~~~!!」

「あーーーー!!捕まったらやばーーーい!!」

「でも、迅い!!」



ガシイィィッ



戦闘特化はルルのハートンサイクルだけであるが、身体能力機能の強化はブレイブマイハートには劣る。

ジャネモンの素早く太い、足の触手攻撃は瞬く間に女性陣を捕らえてしまう。


「いだいいだいだいいだい!!」

「うううぅっ」


妖人化していない表原と、ダメージを負っているシークレットトークにはこの捲きつき攻撃は苦痛であった。


「な、何してんのよ!バカとアホ!!油断し過ぎよ!」

「いや~、ごめんね!シークレットトーク!」

「い、言い過ぎだろ!能力知らなかったから、やられただけだ!」

「そんなんで私達の命まで終わりになってたまるかーー!自覚無さ過ぎ!」

「ちょっちょっ!私は痛い!か、体がボキボキされる~~!」

「ほ、本当に力が出ない。ミサイルも出ないし、お、お姉ちゃん……」


シークレットトークは2人分であるため、合計6本の足を使っているジャネモン。やはりこーいう場面で頼りなるのは


「ピュアシルバー!!急いでこのジャネモンを倒しなさーーーい!!」

「頼んだぞーーー!!」

「早くしないと、表原ちゃんが死んじゃうよ。妖人化してないし」


幹部の3分の1が敵に捕まっているという状況。自分も人の事を言えないが……。


「心配しなくていい。足が2本になれば攻撃は見切りやすい。だが、何をしているんだと、言わせて欲しい」

『すぐに切り裂いてやるぜ!』


本体をやらずとも、レンジラヴゥを捕まえている足を切れば、能力は解除されるだろう。

シットリもいる以上、時間は本当にない!


「行くぞ!ラクロ!」


ピュアシルバーは大きくなったラクロの上に乗り、タコ型ジャネモンに向かう。



プクーーーッ



一方でタコ型のジャネモンは頭を大きく膨らませる。まだ何か見せていない攻撃があるのかと、警戒の表情を強めるピュアシルバー。



「じゃね~~~~!!」



プシューーーーッッ



口から噴出されたのは、黒い霧と言っていいタコスミであった。視界を奪われる、特に。


『うああぁっ!見えねぇ!』

「落ち着け!ラクロ!」



ラクロには手痛い攻撃だった。

視界を封じられ、その死角から佐鯨達を捕らえていた足で鞭打ちの攻撃を喰らう。空いている足ばかり警戒していた。


「ちょっとー!体が真っ黒になってる!サイアクーー!!」


シークレットトークの、別の悲鳴が聞こえる……。

ラクロを殴った手応えを感じ、ジャネモンは一気にたたみ込む。やはりこのジャネモン、相当強い。タコスミで作った霧が晴れた時、ピュアシルバーとラクロの痛々しい姿があった。ダメージの蓄積は反応遅らせる。



ギュウウウゥッゥツ


「じゃね!!」


ピュアシルバーも捕える!


「あ、ピュアシルバーまで捕まった!」

「私はもう死ぬ~~~!!」


かろうじてまだ意識のあった表原であったが、誰しもこの全滅を予想しただろう。だが、こんな予想をある意味望んでいた人物がこの中にいた。


「じゃ、じゃね?」


異変が起こったのはジャネモンだった。そして、ピュアシルバーは。飛島華ひじまはなは、怒りのような顔を露にしていた。毒のような物を盛っていたのか。しかし、何もしてないだろうし、する暇もなかったであろう。だが、



「じゃねぇ~~~~!!?」


強力な制約を結べば、それだけ破った時の反動はあるものだ。


「お、およ?」

「力が沸いてきた。というか、戻ってきた!」

「な、なんですか!?なんですか!ピュアシルバーさん!やってくれたんですか!!」


何が起こったのか、まったく分かっていない表原。それもそのはずだった。一方で、演技がちょっとだけワザとらしかったかなって、シークレットトークは思っており。ハートンサイクルは意外な感じだが、分かっていたような気もする。モヤモヤしているのはブレイブマイハート……。



「だから、こーいうジャネモンは嫌いだ」


舌打ちをするピュアシルバー。

いったい何をしたのか。いや、何にもしていないのだが……。


「す、凄いです!ピュアシルバーさんがこの絶体絶命な状況を救ってくれたんです!やっぱり頼りになるのは飛島さんですよ!ホントに!」


状況を理解できず、解放された表原は喜びを爆発させる。今の戦闘はホントにワケ分からなかったが、飛島のような人間に成りたい。目標とする人物の活躍を見るというのは良いものだ。


「じゃね~~~~」

「なにを苦しんでいる?」

「そーいう制約だからよ」

「うんうん。良かったね~、ピュアシルバー。みんな助かったよ」

「知っていて捕まったのか?それならブレイブマイハートに妖人化を解除するんだって、言いなさいよ」

「つまんないじゃん」

「ぷぷっ。お互い黒く汚れたけど、これでチャラだね」


まったく喜んでいないピュアシルバー。表原以外は分かっている事だった。

しかし、それをなんら気にせずに言ってしまうバカとアホがいる。


「あー!そうか、飛島は"男"だったから、ジャネモンは制約を破って苦しんでるのか」

「飛島さんが女装趣味のおかげで、この窮地を乗り切れましたね!凄く限定的な気がしますけど」


人に言えない事もある。別に隠してはいないが、こうして言われる事には気にする事もある。

佐鯨と白岩の言葉を聞いた表原は、ポカーンっと。口を開いて、目を丸くしてしまう。

嘘だろうと思っているのだが、ルルも言う。いや、実際本人から聞いてはいないし、聞く勇気もないので半信半疑であった。


「お、お姉ちゃんの言うとおり。飛島さんって男だったんですね。いえっ、凄く綺麗な方ですよ!」

「ル、ルルちゃんも知ってたの?飛島さんが男って……」



男って言われると飛島は周りに怒る。



「男男と言うな!!私は飛島華だ!!とても綺麗な女の男(子)だ!」



そーいえば、やたらと蒼山が飛島の事を嫌っていたのは……。飛島が男であり、女性用の服を女性以上に着こなしているからというものか。あるいは、飛島を女と勘違いしてのトラブルがあったとか……。


「ひ、飛島さんも"十妖"なだけあって、変な人だったんですね。潔癖症以外にもあったんですか」

「表原ちゃん!この事は口外しちゃダメよ。分かってるわよね?」

「いや、ほとんどの奴は知ってるぞ。それと今更、女口調になっても無駄だろ。ときおり、分けられなくなってるし」

「佐鯨。お前の口、縫うぞ?」


こうして、飛島の活躍のおかげか(?)。ジャネモンの処理まで完遂した因心界。

残るは、ヒイロVSシットリ!!


挿絵(By みてみん)

次回予告:



アイーガ:ダイソン。シットリってなんでヒイロにあんな敵意剥き出しなの?

ダイソン:ヒイロは俺達と同期で色々あったんだよ。ただ言えるのは、お互い信頼し合ってるぞ

アイーガ:見た目も才能も実力も、何一つヒイロに勝てるとこなさそうなんだけど……

ダイソン:それを言うな。……だが、修行と修羅場を潜った今のシットリの強さは、ヒイロと渡り合えるほどに成長しているはずだぞ

アイーガ:努力家なんだね。諦めたらいいのに

ダイソン:そーいう事がちょっと分かる次回。

アイーガ:『めちゃ嫉妬のシットリとあいつに意外なライバル登場!?』




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